トップページ> 2021年(令和3年)一問一答
土地家屋調査士過去問2021年(令和3年)一問一答
表題登記のある建物の2階部分を増築した場合において,当該建物の1階部分の床面積が誤って登記されていることが判明したときは,登記の目的を「建物の表題部の変更登記」として,当該建物の1階部分及び2階部分の床面積を現況と合致させる旨の登記を申請することができる。
× 表題登記のある建物の2階部分を増築した場合において、当該建物の1階部分の床面積が誤って登記されていることが判明したとき、1階部分は更正の登記、2階部分は増築したことによる
変更登記になるので、全体として登記の目的を「建物表題部変更・更正登記」として申請することができる。(法53.1)
登記の目的を「建物の表題部の変更登記」のみの申請をしても更正登記をしなければ却下となる。
2階部分についての各階平面図の訂正の申出は,訂正後の各階平面図に併せて訂正のない建物図面をも提供してしなければならない。
× 各階平面図訂正の申出をする場合、訂正後の各階平面図を提供すれば足り、建物図面を提供する必要はない。(規88.2)
A及びBが所有権の登記名義人(AB各持分2分の1)である土地の分筆の登記をしようとする場合には,Aが当該登記の申請情報と併せてBがこれに承諾したことを証する情報を提供したとしても,Aは,単独で,当該登記の申請をすることはできない。
○ 分筆登記は所有者の意思により申請するものであるが(法39.1)、共有物の軽微変更に該当し、所有者(表題部所有者または所有権の登記名義人)またはその相続人の持分の価格の過半数の者で申請することができる。
他の共有者の承諾書を提供するだけでは足りない。
土地家屋調査士法人の解散及び清算は,主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長の監督に属する。
× 土地家屋調査士法人の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。(法39.3.1)
■土地家屋調査士法39条(裁判所による監督)
1.調査士法人の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。
2.裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。
3.調査士法人の解散及び清算を監督する裁判所は、法務大臣に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。
4.法務大臣は、前項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。
建物の表題部所有者として登記されているAの住所に変更があった場合には,Aは,その変更の日から 1 か月以内に,表題部所有者の住所についての変更の登記を申請しなければならない。
× 建物の表題部所有者として登記されているAの住所・氏名又は名称に変更があった場合にAは,表題部所有者の住所についての変更の登記を申請することはできるが,その変更の日から 1 か月以内に表題部所有者の住所についての変更の登記を申請しなければならないという規定はない。(法31)
Aからの委任により代理人となったBは,やむを得ない事由がある場合には,Aの許諾を得ることなく,復代理人を選任することができる。
○ 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。(民104)
やむを得ない事由がある場合、本人の許諾を得ることなく、復代理人を選任することができる。
■本試験平成29年問1エに類似問題があるので比較してみる。
問:本人Aの許諾を得て任意代理人Bが復代理人Cを選任した場合には,Cの行為によりAに不利益が生じた場合でもBはAに対し責任を負うことはない。
エ× 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。(民104)
■任意代理人
委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があれば、復代理人を選任することができる。(民104)
この場合、復代理人の行為で本人に不利益が生じた場合、代理人は本人に対して責任を負わなければいけない。
■法定代理人
法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。(民105)
区分建物が属する一棟の甲建物と半年後に完成予定の一棟の乙建物とが共に団地を形成する予定である場合には,甲建物内の専有部分である管理人室について,団地共用部分である旨を定めた規約を設定したことを証する情報を提供して,当該団地についての団地共用部分である旨の登記を申請することができる。
×数年計画で数棟の建物からなる団地が形成される予定のところ、 初年度のため1棟しか建築されていない区分建物の1階専有部分に管理人室が存する場合、現時点で管理人室を団地建物所有者全員のため団地共用部分と定め団地規約証明情報を提供して団地共用部分である旨の登記をすることはできない。
半年後に完成予定の一棟の乙建物はあくまでも建築予定で未だ存在しない建物なので団地共用部分である旨の登記を申請することはできない。(昭和59年全国主席登記官会同における質疑応答18.46、区分法11.3、区分法15)
未完成建物について団地共用部分である旨の登記を申請することができない理由としては
①団地共用部分を共有すべき者の所有する建物が非区分建物であれば所在・家屋番号を提供できない。
②区分建物であればその属する一棟の建物の所在・構造・床面積・建物の名称を提供することができない。
よって乙建物の完成後でなければ、甲建物内の専有部分である管理人室について団地共用部分である旨の登記を申請することはできない。(平成16年13問イ類似問題)
Bが,Aから与えられていた代理権限を越えて,Aの代理人としてCとの間で契約を締結した場合において,CがBに権限があると信ずべき正当な理由があるが,Cがそのように信ずるに至ったことについてAに過失がないときは,Aは,Bの行為について,表見代理による責任を負わない。
× Bが,Aから与えられていた代理権限を越えて,Aの代理人としてCとの間で契約を締結した場合において,CがBに権限があると信ずべき正当な理由があるが,Cがそのように信ずるに至ったことについてAに過失がないときは,Aは,Bの行為について,表見代理による責任を負う。(民110)
登記完了証に記録される申請情報には,申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先が記録される。
× 登記完了証に記録される申請情報には「書面申請」の場合にあっては、登記の目的のみに限る。(規181.2.7)
「電子申請」の場合、申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先(規則34条1項1号)は記録しない。
登記官は、登記の申請に基づいて登記を完了したときは、申請人に対し、登記完了証を交付することにより、登記が完了した旨を通知しなければならない。(規181.1)
この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)に通知すれば足りる。
■登記完了証は、別記第六号様式により、次の各号に掲げる事項を記録して作成するものとする。(規181.2)
よって「申請人又は代理人の電話番号、その他の連絡先」は除外されている。
1、申請の受付の年月日及び受付番号
2、第百四十七条第二項の符号
3、不動産番号
4、法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)
5、共同担保目録の記号及び目録番号(新たに共同担保目録を作成したとき及び共同担保目録に記録された事項を変更若しくは更正し、又は抹消する記号を記録したときに限る。)
6、法第二十七条第二号の登記の年月日
7、申請情報(電子申請の場合にあっては、第三十四条第一項第一号に規定する情報及び第三十六条第四項に規定する住民票コードを除き、書面申請の場合にあっては、登記の目的に限る。)
建物の表題部の所在欄には,地番区域でない字を記録することはできない。
× 建物の登記記録の表題部において、不動産所在事項を記録する場合には、地番区域でない字を記録するものとする。(昭和41・1・11民甲229)
団地共用部分である旨の登記がある建物について,団地共用部分である旨を定めた規約を廃止したときは,当該建物の所有者は,当該規約の廃止の日から1か月以内に,当該建物の表題登記を申請しなければならない。
○ 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、団地共用部分である旨を定めた規約を廃止したときは、当該建物の所有者は,当該規約の廃止の日から1か月以内に建物の表題登記を申請しなければならない。(法58.6)
主に動物の遺骸又は遺骨を埋める土地の地目は,墓地である。
× 「墓地」とは人の遺体又は遺骨を埋葬する土地のこと。(準68.12)
主に動物の遺骸又は遺骨を埋める土地(ペット霊園等)の地目は「雑種地」とする。(準23、地目認定改訂版246頁)
建物の名称が登記されている建物の表題部の変更の登記が完了した際に通知される登記完了証には,当該名称が記録される。
○ 建物の名称が登記されている建物の表題部の変更の登記が完了した際に通知される登記完了証には,当該名称が記録される。(規181.2.4)
電子申請の方法によってされた登記の申請を却下するときは,その決定書は電磁的記録をもって作成される。
○ 電子申請の方法によってされた登記の申請を却下するとき、その決定書は電磁的記録をもって作成される。
登記官は、電子申請の方法によってされた登記の申請を却下するとき、決定書を作成して、これを申請人ごとに交付するものとする。ただし、代理人によって申請がされた場合は、当該代理人に交付すれば足りる。(規38.1)
甲建物に附属建物が2個ある場合において,一方の附属建物を取り壊したが,誤って現存する他方の附属建物の滅失による建物の表題部の変更の登記がされた場合には,甲建物の所有権の登記名義人は,建物の表題部の更正の登記を申請してこれを是正することはできない。
○ 甲建物に附属建物が1個又は2個以上ある場合において、一方の附属建物を取り壊したが、誤って現存する他方の附属建物の滅失による建物の表題部の変更の登記がされた場合、甲建物の所有権の登記名義人は、建物の表題部の更正の登記を申請してこれを是正することはできない。
このように建物は現存するが、誤って滅失による建物の表題部の変更の登記がされた場合の考え方
①建物が一棟のみで附属建物がない場合
建物は現存するが建物の滅失登記をしてしまった場合「滅失登記錯誤を原因として登記記録を回復する手続き」をする。(平21.2.20民二)
②甲建物に附属建物が2個ある場合でいずれかの附属建物が現存するが誤って附属建物の滅失による建物の表題部の変更の登記がされた場合「取壊しによる変更登記錯誤、抹消回復」を登記原因とし、抹消した附属建物の記録を回復する。(平成28.6.8民二386通達第二.九.3 )
一棟の建物がいずれもAが所有権の登記名義人である甲区分建物及び乙区分建物のみで構成されている場合において,乙区分建物が滅失したときは,Aは,乙区分建物の滅失の登記と,甲区分建物を区分建物でない建物とする建物の表題部の変更の登記とを,一括して申請しなければならない。
× 一棟の建物がいずれもAが所有権の登記名義人である甲区分建物及び乙区分建物のみで構成されている場合において、乙区分建物が滅失したときは、Aは、乙区分建物の滅失の登記を申請し(法57),甲区分建物を区分建物でない建物とする建物の表題部の変更の登記を申請しなければいけないが(法51.1、規140.4)、この2つの登記手続きを一括して申請しなければならないという規定はない。
甲土地とこれに隣接する乙土地とを対象土地とする筆界特定の申請がされた場合には,甲土地について設定されている抵当権の登記名義人は,筆界特定の申請人から提出された資料を閲覧することができる。
×筆界特定の調書及び提出された資料を閲覧することができるのは「申請人及び関係人」のみである。「抵当権の登記名義人」は関係人にならないので筆界特定の調書及び提出された資料を閲覧することができない。
筆界特定の関係人とは①②である。(法133.1)
①対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの
②関係土地の所有権登記名義人等
甲土地とこれに隣接する乙土地とを対象土地とする筆界特定の申請がされた場合には、筆界特定の申請人及び関係人は、筆界特定登記官に対し、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料の閲覧を請求することはできるが、甲土地について設定されている抵当権の登記名義人は、提出された資料を閲覧することができない。
■筆界特定の「申請人及び関係人」は、筆界特定の申請人に対する通知がされるまでの間、筆界特定登記官に対し、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。
この場合において、筆界特定登記官は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。(法141)
甲土地の所有権の登記名義人であるAが死亡した場合において,Aの死亡前にBがAから甲土地を買い受けていたが,当該売買に基づく甲土地の所有権の移転の登記がされていないときは,Bは,甲土地の所有権を取得したことを証する情報を提供して,甲土地の分筆の登記を申請することができる。
× 分筆登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。(法39.1)
よってAの死亡前にBがAから甲土地を買い受けただけでは、分筆登記を申請することができない。Bは、所有権移転登記を受けた後でなければ、分筆の登記を申請することができない。
土地の分筆の登記の申請があった場合において,その添付情報として提供された地積測量図が,基本三角点等の成果を利用することができたにもかかわらず,これを利用することなく作成されたものであるときは,当該登記の申請は却下される。
○ 土地の分筆の登記の申請があった場合において,その添付情報として提供された地積測量図が,基本三角点等の成果を利用することができたにもかかわらず,これを利用することなく作成されたものであるときは,当該登記の申請は却下される。(平18. 8.15民二1794. )
地番が「5番1」である土地と「6番1」である土地にまたがって建物が存し,これらの土地上に他に登記された建物が存しない場合において,当該建物の床面積が多い部分の存する「5番1」の土地がA登記所の管轄区域に属し,「6番1」の土地が当該建物に関する登記の事務をつかさどる指定を受けたB登記所の管轄区域に属するときは,当該建物の家屋番号は「6番1」となる。
○ 地番が「5番1」である土地と「6番1」である土地にまたがって建物が存し、これらの土地上に他に登記された建物が存しない場合において、当該建物の床面積が多い部分の存する「5番1」の土地がA登記所の管轄区域に属し、「6番1」の土地が当該建物に関する登記の事務をつかさどる指定を受けたB登記所の管轄区域に属するときは、当該建物の家屋番号は「6番1」となる。
1個の建物が2筆以上の土地にまたがって存する場合、
主である建物又は床面積が多い部分の存する敷地の地番と同一の番号をもって家屋番号を定める。(準79.3)
建物が管轄登記所を異にする土地にまたがって存する場合は、管轄指定を受けた登記所の管轄する土地の地番により定める。(準79.3なお書)
宗教法人の宗教上の儀式行事に利用されている聖堂が存する土地の地目は,境内地である。
○ 宗教法人の宗教上の儀式行事に利用されている聖堂が存する土地の地目は,境内地である。(準68.13、地目認定改訂版145頁~147頁、149頁)
境内に属する土地であって、宗教法人法(昭和26年法律第126号)第3条第2号及び第3号に掲げる土地(宗教法人の所有に属しないものを含む)の地目は「境内地」とする。(準68.13)
宗教法人法第3条第2号及び第3号に掲げる土地とは、本殿、拝殿、本堂など、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、信者を教化育成するといった宗教の目的のために使われる建物や工作物の建つ一画の土地、参道として用いられる土地のこと。(地目認定改訂版145頁~147頁)
取壊し年月日が同一である主である建物と附属建物について滅失の登記をする場合には,当該附属建物の表示欄の原因及びその日付欄には,何らの記録を要しない。
○ 「取壊し年月日が同一及び異なる」主である建物と附属建物について滅失登記をする場合、附属建物の表示欄の原因及びその日付欄には年月日取壊し等、何らの記録を要しない。(準101)
10番1の土地と10番2の土地とを合筆する場合には,登記官は,特別の事情がないときであっても,合筆後の土地の地番を10番2とすることができる。
× 合筆した土地については,合筆前の首位の地番をもってその地番とする。(準67.1.6)
特別の事情があるときは,適宜の地番を定めて差し支えない。(準67.1.7)
10番1の土地と10番2の土地とを合筆する場合、登記官は特別の事情があるときは、合筆後の土地の地番を10番2とすることはできるが、特別の事情がない場合は、合筆後の土地の地番を10番2とすることができない。(準67.1.6、準67.1.7)
表題登記のある建物について数次にわたり増築がされたが,その旨の建物の表題部の変更の登記がされていない場合において,建物の表題部の変更の登記を申請するときは,最後の増築に係る登記原因及びその日付のみを申請情報の内容とすれば足りる。
○ 表題登記のある建物について数次にわたり増築がされたが,その旨の建物の表題部の変更の登記がされていない場合において,建物の表題部の変更の登記を申請するときは,最後の増築に係る登記原因及びその日付のみを申請情報の内容とすれば足りる。(平成28. 6.8民二386号第二十一)
一の申請情報によって二以上の登記の目的に係る登記の申請がされた場合において,当該登記の申請のうち一の登記の目的に係る申請についてのみ却下すべき事由があるときは,当該登記の申請の全部が却下される。
× 一の申請情報によって二以上の登記の目的に係る登記の申請がされた場合において、当該登記の申請のうち一の登記の目的に係る申請についてのみ却下すべき事由があるときは、一の登記の目的に係る申請についてのみ却下することができる。(準28.4)
抵当権の設定の登記がされている建物が取り壊されて滅失した場合には,当該抵当権の設定の登記を抹消した後でなければ,建物の滅失の登記を申請することができない。
× 抵当権の設定の登記がされている建物が取り壊されて滅失した場合、抵当権の設定の登記を抹消することなく建物滅失登記を申請することができる。
建物滅失登記がされると登記官は、建物の登記記録の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。(規144.1)
甲土地とこれに隣接する乙土地とを対象土地とする筆界特定の申請がされた後,筆界特定がされる前に甲土地が売却され,当該売買を登記原因とする所有権の移転の登記により新たに甲土地の所有権の登記名義人になった者がいる場合には,当該者から当該筆界特定の申請人の地位を承継する申出があったとしても,当該筆界特定の申請は却下される。
× 筆界特定の申請がされた後、特定承継があり、特定承継人から地位承継申出書による申出があれば、地位承継が認められるので筆界特定の申請の手続きを進めても差支えない。(平成17・12・6民二2760号通達3・50 )
特定承継人となる者。(平成17・12・6民二2760号通達3・50 )
①申請人の登記された所有権の全部又は一部を登記記録上取得した者
②申請人が表題部所有者であるが表題部所有者又はその持分についての更正の登記により表題部所有者となった者
③対象土地が表題登記がない土地で申請人から所有権の全部又は一部を取得した者
調査士:電子申請の方法により土地の合筆の登記の申請をする場合において,不動産登記令附則第 5 条に規定する添付情報の提供方法に関する特例により添付情報が記載された書面を登記所に提出するときは,代理人である調査士は,当該書面を登記所へ持参しなければなりませんか。
補助者:登記所へ持参する方法と送付する方法のいずれかによることができます。
○ 電子申請の方法により土地の合筆の登記の申請をする場合において,不動産登記令附則第 5 条に規定する添付情報の提供方法に関する特例により添付情報が記載された書面を登記所に提出するときは,代理人である調査士は,「登記所へ持参する方法」と「送付する方法」のいずれかによることができる。(平21.1.11民二57号通達第1・一・( 2 )、規附21.4)
教授:まず,法定相続分の算定について考えてみましょう。被相続人Xの相続人が配偶者Aと兄Bのみであるときは,Bの法定相続分はどうなりますか。
学生: Bの法定相続分は 4 分の 1 となります。
○ 被相続人Xの相続人が「配偶者Aと兄弟姉妹のBのみ」であるとき配偶者Aの相続分は4分の3となり、兄弟姉妹のBの相続分は、4分の1となる。(民900.3)
教授:次に,被相続人Yには配偶者Cとの婚姻中の子D及びEがおり,Dの子FがYの養子でもある場合において,Yの相続開始時にはCとDが既に死亡していたためにYの相続人がEとFのみとなるときは,Fの法定相続分はどうなりますか。
学生: Fは,Dの代襲者の資格とYの子の資格の双方で相続人となりますので,Fの法定相続分は 3 分の 2 となります。
○ 被相続人Yの配偶者Cと子Dが死亡しているので、子Eが2分の1、Dの子Fが2分の1の相続分を取得することになるが、Dの子Fは被相続人Y の養子にもなっているので、Dの子Fは 3 分の1を取得し、Dの子Fは 3 分の 2を取得することになる。 (民900.4、昭26.9.18民甲1881)
教授:これからは,被相続人Zの相続人が子G及びHのみであり,甲不動産がZの遺産に属するという事例について検討しましょう。Gは,甲不動産について,遺産の分割の方法によらずに民法第256条第1項に規定する共有物の分割の請求をすることはできますか。
学生: はい。Gは,甲不動産について法定相続分に相当する共有持分を有しているので,民法第256条第1項に規定する共有物の分割の請求をすることができます。
× 民法第256条第1項に規定にある共有物の分割請求では各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。とし第 2 項では、前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から5年を超えることができないとされている。
民法第256条第1項の共有物の分割請求は「一般的な共有の状態」のことで「物権共有」のことである。よって遺産を分割する方法とは異なることになる。
■遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。(民906)
教授:それでは,GとHとの間で甲不動産をGが単独で取得する旨の遺産分割協議が成立したにもかかわらず,Hが,その旨の登記がされる前に,甲不動産について法定相続分に相当する 2 分の 1 の共有持分を有しているとして,これをIに譲渡し,その旨の登記がされたとします。この場合において,Gは,Iに対して,甲不動産について自らの法定相続分を超える部分の所有権を承継したことを主張することができますか。
学生: いいえ。当該遺産分割協議に基づく所有権の移転の登記がされていませんので,Gは,Iに対して,自らの法定相続分を超える部分の所有権を承継したことを主張することができません。
○ GとHとの間で甲不動産をGが単独で取得する旨の遺産分割協議が成立したにもかかわらず、Hが、その旨の登記がされる前に、甲不動産について法定相続分に相当する 2 分の 1 の共有持分を有しているとして、これをIに譲渡し、その旨の登記がされたとします。その場合、Gは、Iに対して、甲不動産について自らの法定相続分を超える部分の所有権を承継したことを主張する場合、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができない(民899 2.1)ので、
Gは,Iに対して,自らの法定相続分を超える部分の所有権を承継したことを主張することができない。
教授:では,Zが「遺産である甲不動産を相続人Gに相続させる。」との遺言をし,これがGに甲不動産を単独で相続させる旨の遺産分割の方法の指定と認められる場合には,甲不動産の所有権は,遺産分割の協議又は審判を経ることなく,Zの死亡の時に直ちに相続によりGに承継されますか。
学生: いいえ。遺産分割の協議又は審判を経ることなく,甲不動産の所有権がGに承継されることはありません。
(参考)
民法
第 256 条 各共有者は,いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし,五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2 (略)
× Zが「遺産である甲不動産を相続人Gに相続させる。」との遺言をし,これがGに甲不動産を単独で相続させる旨の遺産分割の方法の指定と認められる場合には,甲不動産の所有権は,遺産分割の協議又は審判を経ることなく,Zの死亡の時に直ちに相続によりGに承継される。(最平3. 4 . 19)
表題部所有者としてA及びBが登記されている建物について,A及びBの持分が誤って登記されている場合には,Aは,Bの承諾を証する情報を提供して,単独で,A及びBの持分についての更正の登記を申請することができる。
○ 不動産の表題部所有者である共有者の持分についての更正の登記は、共有者以外の者は申請することができない。(法33.3)
表題部所有者としてA及びBが登記されている建物について,A及びBの持分が誤って登記されている場合には,Aは,Bの承諾を証する情報を提供して,単独で,A及びBの持分についての更正の登記を申請することができる。(法33.3、法33.4、令別表3項・添付情報欄)
相互に接続する区分建物であり,甲建物及び乙建物に登記された敷地権がいずれも丙土地の所有権である場合において,甲建物と乙建物の敷地権の割合が相互に異なるときは,甲建物を乙建物に合併する登記は,申請することができない。
× 相互に接続する区分建物であり,甲建物及び乙建物に登記された敷地権がいずれも丙土地の所有権である場合において,甲建物と乙建物の敷地権の割合が相互に異なる場合でも合併登記ができ、合併前の各建物の敷地権の割合が合併後の建物の敷地権割合となるように(床面積割合とすることはできない)、甲建物を乙建物に合併する区分合併登記を申請することができる。(法56、平成28.6.8民二386第二.8.四)
名称のある一棟の建物に属する区分建物の表題登記を申請する場合において,当該一棟の建物の名称を申請情報の内容とするときは,当該一棟の建物の名称を定めた規約を設定したことを証する情報を提供しなければならない。
× 名称のある一棟の建物に属する区分建物の表題登記を申請する場合において、一棟の建物の名称を申請情報の内容としなければならないとされているが(令3.8号ト)、名称を定めた規約を設定したことを証する情報を添付情報としなければいけないという規定はない。
土地家屋調査士法人が建物の表題登記の申請手続を代理する場合において,当該土地家屋調査士法人の会社法人等番号を提供したときは,当該会社法人等番号の提供をもって,当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。
○ 土地家屋調査士法人が建物の表題登記の申請手続を代理する場合において、当該土地家屋調査士法人の会社法人等番号を提供したときは,当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。(規37.2 )
区分建物の登記記録の一棟の建物の表示に関する表題部の記録事項に誤りがあった場合には,その一棟の建物に属する区分建物の所有権の登記名義人は,他の区分建物の所有権の登記名義人に代位して,当該他の区分建物についても表題部の更正の登記の申請をすることができる。
× 区分建物の登記記録の一棟の建物の表示に関する表題部の記録事項に誤りがある場合、一棟の建物に属する各区分建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、自己の所有する区分建物について表題部更正登記を申請することはできるが、他の区分建物の所有権の登記名義人に代位して、当該他の区分建物については表題部更正登記の申請をすることはできない。(法53.1、法53.2、法51.5、法51.6)
抵当権の設定の登記がされている建物について共用部分である旨の登記を申請する場合には,その申請情報と併せて当該抵当権の登記名義人の承諾を証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならない。
○ 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分又は団地共用部分である建物に所有権等の登記以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)の承諾があるとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者の承諾を得たときに限る。)でなければ、申請することができない。(法58.3)
抵当権の設定の登記がされている建物について共用部分である旨の登記を申請する場合、その申請情報と併せて抵当権の登記名義人の承諾を証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならない。(規141、令別表18項・添付情報欄ロ)
調査士:調査士が代理人として電子申請の方法により土地の合筆の登記の申請をする場合において,申請人が代理人の権限を証する情報が記載された委任状をスキャナにより読み取って当該情報が記録された電磁的記録を作成したときは,調査士は,調査士による電子署名を付した上で,当該電磁的記録に記録した情報を添付情報とすることができますか。
補助者: 申請人による電子署名が付されていませんので,添付情報とすることはできません。
○ 申請人による電子署名が付されていませんので,添付情報とすることはできません。
電子情報処理組織を使用する方法により表示に関する登記を申請する場合において、当該申請の添付情報(申請人又はその代表者若しくは代理人が作成したもの並びに土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図を除く。)が書面に記載されているときは、当該書面に記載された情報を電磁的記録に記録したものを添付情報とすることができる。
この場合において、当該電磁的記録は、当該電磁的記録を作成した者による電子署名が行われているものでなければならない。(令13.1)
主である建物の所在する土地と附属建物の所在する土地の地番がそれぞれ異なる場合において,附属建物の床面積が主である建物の床面積のおおよそ2倍あるときは,建物の表題部の所在欄には附属建物が所在する土地の地番が先に記録され,主である建物が所在する土地の地番は後に記録される。
× 建物の登記記録の表題部に2筆以上の土地にまたがる建物の不動産所在事項を記録する場合には、床面積の多い部分又は主たる建物の所在する土地の地番を先に記録し、他の土地の地番は後に記録するものとする。附属建物の床面積が主である建物の床面積のおおよそ2倍あるときでも主たる建物の所在する土地の地番を先に記録し、他の土地の地番は後に記録するものとする。(準88.2)
甲建物の所有権の登記の登記名義人であるAがBに対して甲建物を売却したが,AからBに対する所有権の移転の登記がされる前に甲建物が滅失した場合には,Aは,甲建物の滅失の登記を申請することができる。
○ 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。(法57)
甲建物の所有権の登記の登記名義人であるAがBに対して甲建物を売却したが、AからBに対する所有権の移転の登記がされる前に甲建物が滅失した場合でも、Aは甲建物の滅失の登記を申請することができる。建物滅失登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人から申請するので、BがAに代位しても甲建物の滅失登記を申請することはできない。
代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は,相手方において代理人が本人のためにすることを知り,又は知ることができたときを除き,代理人自身のためにしたものとみなされる。
○ 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は,相手方において代理人が本人のためにすることを知り,又は知ることができたときを除き,代理人自身のためにしたものとみなされる。(民100)
ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたとき、その意思表示は本人に対して直接にその効力を生ずる。(民100ただし書き)
建物をえい行移転したことによる建物の所在の変更の登記を申請する場合には,当該変更後の建物図面を提供しなければならない。
○ 建物をえい行移転したことによる建物の所在の変更の登記を申請する場合、変更後の建物図面を提供しなければならない。(令別表14項・添付情報欄イ)
抵当権の設定の登記がされている甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記を申請する場合において,当該抵当権の登記名義人が分筆後の乙土地について当該抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を提供したときは,分筆後の乙土地の登記記録には,当該抵当権が消滅した旨が記録される。
× 抵当権の設定の登記がされている甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記を申請する場合において、当該抵当権の登記名義人が分筆後の乙土地について当該抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を提供した場合、分筆後の甲土地の登記記録に付記登記によって乙土地について当該権利が消滅した旨を記録すればよく、分筆後の乙土地の登記記録に、当該抵当権が消滅した旨を記録する必要はない。(規104.2)
所有権の登記がある区分建物でない甲建物と所有権の登記はないが表題登記がある区分建物でない乙建物とが増築工事により合体して 1 個の区分建物でない建物となった場合において,合体による建物の表題登記及び合体前の建物についての表題部の登記の抹消並びに所有権の保存の登記の申請をするときは,乙建物の新築時の建築基準法第 7 条の検査済証を当該申請情報と併せて提供すべき所有権を証する情報とすることができる。
× 所有権の登記がある区分建物でない甲建物と所有権の登記はないが表題登記がある区分建物でない乙建物とが増築工事により合体して 1 個の区分建物でない建物となった場合において,合体による建物の表題登記及び合体前の建物についての表題部の登記の抹消並びに所有権の保存の登記の申請をする場合,所有権の登記はないが表題登記がある区分建物でない乙建物については既登記なので(建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人が記録されている)、合体前の建物の所有者であったことは証明されているので、乙建物の新築時の建築基準法第 7 条の検査済証を提供する必要はない。(平成5年度全国首席登記官会同における質疑応答第六・二・9)
甲土地を占有していたAからその占有を承継したBは,自己の占有にAの占有を併せて主張することはできるが,自己の占有のみを主張することはできない。
× 甲土地を占有していたAからその占有を承継したBは,自己の占有のみを主張することができ、さらに自己の占有にAの占有を併せて主張することもできる。(民187.1)
占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。(民187.1)
前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。(民187.2)
登記官は,地番が著しく錯雑している場合には,必要があると認められるときであっても,当該地番を変更することができない。
× 登記官は地番が著しく錯雑している場合において、必要があると認めるときは、その地番を変更しても差し支えない。(準67.4)
表題登記のある甲建物の附属建物が取り壊され,その後に建築された建物が甲建物の附属建物となった場合において,これによる甲建物の表題部の変更の登記を申請するときは,附属建物の符号として,取り壊された附属建物に付されていた符号を再使用することはできない。
○ 附属建物の符号は算用数字を用いるものとし、附属建物の符号を定める場合、既に使用した数字は再使用しないものとする。(昭和37・6・11民甲1559)
Aが未成年者Bを代理人に選任し,BがAのためにすることを示してCに意思表示をした場合には,Aは,Bが未成年者であることを理由として,その意思表示を取り消すことはできない。
○ Aが未成年者Bを代理人に選任し、BがAのためにすることを示してCに意思表示をした場合、Aは、Bが未成年者であることを理由として、その意思表示を取り消すことはできない。
制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為につ いては、この限りでない。(民102)
建物の表題部所有者として登記されているAの住所についての更正の登記と,Aの婚姻による氏についての変更の登記とは,一の申請情報によって申請することができる。
○ 建物の表題部所有者として登記されているAの住所についての更正の登記と、Aの婚姻による氏についての変更の登記とは、一の申請情報によって申請することができる。
■同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について申請する二以上の登記が、いずれも同一の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更登記又は更正登記は一の申請情報によって申請することができる。(規35.8)
■申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供しなければならない。(令4)
ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する「登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一」であるときは、この限りでない。
(令4ただし書き)
土地の分筆の登記により新たに共同担保目録を作成した場合には,当該登記が完了した際に交付される登記完了証には,当該共同担保目録の記号及び目録番号が記録される。
○ 土地の分筆の登記により新たに共同担保目録を作成した場合には,当該登記が完了した際に交付される登記完了証には,当該共同担保目録の記号及び目録番号が記録される。
登記完了証には、新たに共同担保目録を作成したとき及び共同担保目録に記録された事項を変更若しくは更正し、又は抹消する記号を記録したときに限り、共同担保目録の記号及び目録番号を記録することとされている。(規181.2.5)
甲建物から附属建物を分割して乙建物の附属建物とする建物の分割の登記及び附属合併の登記をするときは,乙建物の登記記録の表題部に甲建物から分割した旨が記録される。
× 甲建物から附属建物を分割して乙建物の附属建物とする建物の分割の登記及び附属合併の登記をすれば、甲建物の登記記録の附属建物の表示欄の原因及びその日付欄に「何番に合併」と記録し(準100,1)、
乙建物の登記記録の附属建物の表示欄の原因及びその日付欄には「何番から合併」のように記録する。(準100,2)
よって乙建物の登記記録の表題部に甲建物から分割した旨は記載されない。
Aの相続財産の管理人として選任されたBが,亡A相続財産を所有権の登記名義人とする土地の分筆の登記を申請するときは,その申請情報と併せて家庭裁判所の許可を証する情報を提供しなければならない。
× 相続人のあることが明らかでないとき、相続財産は法人とする。(民951)
土地分筆登記は民法103条を超える手続きに該当しないので家庭裁判所の許可を得ることなく申請することができる。
Aの相続財産の管理人として選任されたBが、亡A相続財産を所有権の登記名義人とする土地の分筆登記は管理行為と解釈されており、申請情報と併せて家庭裁判所の許可を証する情報を提供する必要はない。(登記研究516号)
(民法103条)
権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一、 保存行為
二、代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為。
表題部所有者は,附属建物の新築の年月日を更正する登記を申請することができる。
○ 表題部所有者又は所有権の登記名義人は、附属建物の新築の年月日を更正する登記を申請することができる。附属建物の新築年月日を定める登記手続きが完了した後でも、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、附属建物の新築の年月日を更正する登記を申請することができる。
表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、附属建物の新築の年月日を更正する登記を申請することができない。(法53.1)
表示に関する登記の申請人が二人以上ある場合には,当該登記が完了した際に交付される登記完了証は,その一人に通知すれば足りる。
○ 登記官は、登記の申請に基づいて登記を完了したときは、申請人に対し、登記完了証を交付することにより登記が完了した旨を通知しなければならない。この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)に通知すれば足りる。(規181.1)
教授: 野球場として利用される開閉式円形ドーム屋根付きの建物について,当該建物内に店舗や駐車場が設けられている場合には,これら全ての用途を建物の種類として定める必要がありますか。
学生:エ はい。当該建物の種類は「野球場・店舗・駐車場」と定めなければなりません。
× 本件野球場は、野球のみに利用されることなく、他の球技及び各種のイベントにも利用する目的で設計建築されたもので、その設備もなされている。すなわち、フィールドの両翼の可動席(野球時の観覧席)を移動することにより、フィールドの形を野球場からフットボール競技場用に容易に切り替えることができ、かつ、フィールドにトラックを特設するたどして、各種イベントの会場として使用できるのみでなく、日本最大級のコンサートホールにも利用でき、これら以外にも広いスペースを必要とするあらゆる催物の会場としても利用でき、全天候型の特質を生かし、日程を気象条件に左右されることなく実施されるよう設備が整備されている。
なお、本件野球場は、店舗等も併設され、特に一階、二階部分は駐車場であり、多岐にわたっての種類を兼ね備えている。
平成五年八月二五日付け不登第二五一号をもって照会のあった標記の件については、開閉式屋根の開閉可能部分の下に当たる観客席及びフィールド部分の面積も床面積に算入すべきものと考えます。
なお、当該建物の種類については、その主たる用途が「野球場」と認められる場合には、そのように認定して差し支えないものと考えます。「平成五年十二月一二日民三第七、四九九号民事局第三課長回答(平成五年八月二十五日福岡法務局民事行政部長照会)」、建物認定( 3訂版)」227頁)。
土地家屋調査士は,筆界特定の手続についての代理に関する業務についての事件の依頼を承諾しないときは,速やかに,その旨を依頼者に通知しなければならない。
○ 調査士は、筆界特定の手続についての代理に関する業務についての事件の依頼を承諾しないときは、速やかに、その旨を依頼者に通知しなければならない。(法22、規25.2)
調査士は、正当な事由がある場合でなければ、「筆界特定の手続についての代理業務及び相談業務」並びに「民間紛争解決手続代理関係業務に関するもの」について依頼を拒むことはできない(法22)、事件の依頼を承諾しないときは、速やかに、その旨を依頼者に通知しなければならない。(規25.2)
調査士:電子申請の方法により土地の合筆の登記の申請をした場合において,その後,当該申請を取り下げるときは,当該申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法によってすることができますか。
補助者:当該申請の取下げは,その申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法によってすることができます。
× 電子申請の方法により土地の合筆の登記の申請をした場合において,その後,当該申請を取り下げる場合,法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を登記所に提供する方法によらなければならない。(規39.1.1)
表題部所有者としてAが登記されている土地が,AからB,BからCへと順次売却された場合には,Cは,AからCへの表題部所有者についての変更の登記を申請することができる。
× 「表題部所有者又はその持分についての変更」は、当該不動産について所有権の保存の登記をした後において、その所有権の移転の登記の手続をするのでなければ、登記することができない。(法32)
表題部所有者としてAが登記されている土地が,AからB,BからCへと順次売却された場合、Cは,AからCへの表題部所有者についての変更の登記を申請することはできない。この場合、まず、表題部所有者として登記されているA名義で所有権保存登記を申請し、次にAからBへの所有権移転登記を申請し、最後にBからCへ所有権の移転の登記を申請することになる。(法32、法60条、法74.1.1)
隣り合って所在するAが所有権の登記名義人である甲区分建物とBが所有権の登記名義人である乙区分建物について,これらの間の隔壁を除去して甲区分建物と乙区分建物が 1 個の丙区分建物となったことによる登記の申請をAが単独でする場合には,A及びBが丙区分建物について有することとなる持分の割合を証する情報を提供することを要する。
○ 隣り合って所在するAが所有権の登記名義人である甲区分建物とBが所有権の登記名義人である乙区分建物について、これらの間の隔壁を除去して甲区分建物と乙区分建物が 1 個の丙区分建物となったことによる登記の申請をAが単独でする場合、合体前の各建物の所有者が異なるので所有権を証する情報として、合体前の各建物の所有者が合体後の建物について有することとなる持分割合を証する情報を添付情報として提供しなければならない。(令別表13項・添付情報欄,ハ、平5.7.30民三5320号通達第6.四.( 4 ) )
土地家屋調査士法人は,正当な事由がある場合でなければ,不動産の表示に関する登記の申請手続の代理の依頼を拒むことはできない。
○ 土地家屋調査士法人は,正当な事由がある場合でなければ,不動産の表示に関する登記の申請手続の代理の依頼を拒むことはできない。(法22)
一棟の建物に属する1個の区分建物についての共用部分である旨の登記の申請は,その申請情報と併せて共用部分である旨を定めた規約を設定したことを証する情報を提供した場合には,当該一棟の建物に属する他の区分建物の所有権の登記名義人がすることができる。
× 一棟の建物に属する1個の区分建物についての共用部分である旨の登記の申請は、当該共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。(法58.2)
共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、その申請情報と併せて共用部分である旨を定めた規約を設定したことを証する情報を提供しても、共用部分である旨の登記を申請することはできない。
耕地かんがい用の用水貯留池にえん堤が設けられているときは,当該えん堤が存する土地の地目は,ため池である。
○「ため池」とは、耕地かんがい用の用水貯留池のこと。(準則68.17、地目認定改訂版104頁)
耕地かんがい用の用水貯留池にえん堤が設けられているときは、当該えん堤が存する土地の地目も、ため池一部をなすものであることから地目を「ため池」とする。(地目認定改訂版108頁・109頁)
【堰堤(えんてい)】とは川の水を他に引いたり、流れを緩やかにしたり、釣り場をつくったりするために築かれる「堤防」でダムより小規模なもののこと。
土地家屋調査士は,補助者を置いたときは,遅滞なく,その旨を所属の土地家屋調査士会及び事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に届け出なければならない。
×土地家屋調査士は、「補助者を置いたとき又は補助者を置かなくなったとき」は遅滞なく、その旨を所属の調査士会に届け出なければならない。(規23.2)
■ 調査士会は、「補助者を置いたとき又は補助者を置かなくなったとき」の届出があった場合、その旨をその調査士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に通知しなければならない。(規23.3)
代理人が自己の占有物について以後本人のために占有する意思を表示したときは,本人は,これにより占有権を取得する。
○ 代理人が自己の占有物について以後本人のために占有する意思を表示したときは,本人は,これにより占有権を取得する。(民181)
教授:区分建物でない建物として登記されている 6 階建てのビルについて,1 階から3 階までをパチンコ店,4 階から 5 階までを映画館,6 階をオーナーが居住する部分として利用されている場合には,当該ビルに関する建物の種類は,どのように定められますか。
学生:当該ビルに関する建物の種類は「遊技場・映画館・居宅」と定められます。
○ 区分建物でない建物として登記されている 6 階建てのビルについて、1 階から3 階のパチンコ店は遊技場とし、4 階から 5 階までの映画館は映画館とし、6 階のオーナーが居住する部分は居宅とし、当該ビルに関する建物の種類は全体を「遊技場・映画館・居宅」と定める。
建物全体が区分建物の場合で専有部分が3つあり1階から3階までを一つの専有部分とし、4階から5階までを一つの専有部分とし、6階を一つの専有部分とする場合は、1階から3階までを遊技場と定め、4階から5階までを映画館と定め、6階を居宅と定める。「準80.1、建物認定( 3訂版) 222頁~223頁」
甲建物の附属建物の床面積についての表題部の更正の登記をするときは,附属建物の表示に関する表題部に附属建物の種類,構造及び更正後の床面積の全部を記録し,符号を除いた従前の登記事項の全部を抹消する。
○ 甲建物の附属建物の床面積についての表題部の更正の登記をするときは、附属建物の表示に関する表題部に附属建物の種類・構造及び更正後の床面積の全部を記録し、符号を除いた従前の登記事項の全部を抹消する。(準94.1)
教授:区分建物でない建物に店舗として利用されている部分と居宅として利用されている部分とがある場合において,当該店舗として利用されている部分の面積が当該居宅として利用されている部分の面積に比べて著しく小さいときは,当該建物に関する建物の種類を「居宅・店舗」と定めることができますか。
学生:店舗として利用される部分も当該建物の主な用途と認められるのであれば「居宅・店舗」と定めることができます。
○ 区分建物でない建物に店舗として利用されている部分と居宅として利用されている部分とがある場合において、当該店舗として利用されている部分の面積が当該居宅として利用されている部分の面積に比べて著しく小さいときでも、当該建物に関する建物の種類を「居宅・店舗」と定める。
但し、家屋(居宅)本体の下に、基礎を同じくする車庫が作られ床面積に算入する場合「居宅・車庫」とせずに「居宅」とする場合もある。
■建物の種類は、建物の主な用途により、居宅、店舗、寄宿舎、共同住宅、事務所、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫、発電所及び変電所に区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。(規113.1)
■建物の主な用途が2以上の場合には、当該2以上の用途により建物の種類を定めるものとする。(規113.2)
建物の所有権の登記名義人全員が当該建物について共用部分である旨の登記の申請をする場合には,共用部分である旨を定めた規約を設定したことを証する情報を提供することを要しない。
× 建物の所有権の登記名義人が全員が当該建物について共用部分である旨の登記の申請をする場合でも、共用部分である旨を定めた規約を設定したことを証する情報を提供しなければいけない。(令別表18項・添付情報欄イ)
建物の所有権の登記名義人が建物について共用部分である旨の登記の申請をする場合,共用部分である旨を定めた規約を設定したことを証する情報を提供しなければいけない。(令別表18項・添付情報欄イ)
山林の急傾斜地に土砂崩れや地滑り防止のための擁壁が構築されているときは,当該擁壁が占める土地の地目は,堤である。
×「堤」とは、防水のために築造した堤防のこと。(準68.18、地目認定183頁)
山林の急傾斜地に土砂崩れや地滑り防止のための擁壁が構築されているときは、当該擁壁が占める土地の地目は「雑種地」とする。(準68.23、登記研究422.103頁)
土地の地目は、当該各号に定める土地について定めるものとする。この場合には,土地の現況及び利用目的に重点を置き、部分的にわずかな差異の存するときでも、土地全体としての状況を観察して定めるものとする。 (準68)
甲建物を乙建物の附属建物とする合併の登記を申請する場合において,甲建物と乙建物の床面積に変更がないときは,合併後の各階平面図を提供することを要しない。
× 甲建物を乙建物の附属建物とする合併の登記を申請する場合において、甲建物と乙建物の床面積に変更がないときでも、合併後の建物図面及び各階平面図を提供しなければいけない。(令別表16項・添付情報欄イ)
甲建物から附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記を申請する場合において,当該分割により甲建物の所在地番に変更が生じるときは,当該申請に併せて建物表題部の変更の登記を申請する必要はない。
○ 甲建物から附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記を申請する場合において,当該分割により甲建物の所在地番が変更した場合、当該申請に併せて建物表題部の変更の登記を申請する必要はない。
この問題は分割により甲建物の所在地番に変更が生じると書かれているので、主である建物と附属建物が別々の所在地に存していたということになっていると考えられる。
■ 甲建物から附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記を申請した場合、登記官は分割により不動産所在事項に変更が生じたときは、変更後の不動産所在事項、分割により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。(規127.3)
土地家屋調査士となる資格を有する者が日本土地家屋調査士会連合会に登録申請書を提出するときは,事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局を経由して提出しなければならない。
× 土地家屋調査士となる資格を有する者が日本土地家屋調査士会連合会に登録申請書を提出するときは、事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会を経由して、調査士会連合会に登録申請書を提出しなければならない。(法9.1)
仮換地として指定された土地上に建物を新築した場合において,これによる建物表題登記の申請について提供すべき建物図面には,仮換地の形状及び当該建物の位置を点線で図示しなければならない。
× 仮換地として指定された土地上に新築した建物の表題登記を申請する場合において、添付情報として提供する建物図面には、仮換地の形状及び建物の位置を実線で図示しなければいけない。仮換地の形状及び建物の位置を点線で図示するものではない。(昭和40・4・10民甲837)
共用部分である旨の登記がされている建物が滅失したために当該建物の滅失の登記を申請する場合には,その申請情報と併せて当該建物の所有権を証する情報を提供しなければならない。
○ 共用部分である旨の登記がされている建物が滅失したために当該建物の滅失の登記を申請する場合には,その申請情報と併せて当該建物の所有者(所有権)を証する情報を提供しなければならない。(準87.2、令別表17頁添付情報欄)
山林を整地した一筆の土地上にマンションを建築する予定があるが,当該建築工事の着工前である場合において,当該土地上に当該建築工事のための仮設事務所が設置されているときは,当該土地の地目は,宅地である。
× 宅地とは建物の敷地及びその維持若しくは効用を果すために必要な土地。(準68.3)
■建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。(規111)
■山林を整地した一筆の土地上にマンションを建築する予定はあるが、マンション建築予定の土地を宅地に造成するための工事が既に完了し、当該土地が現に建物の敷地に供されているとき又は近い将来それに供されることが確実に見込まれるときでなければ、地目を宅地することはできない。(昭和56・8・28民三 5402号通達2・一)
■マンション建築工事のための仮設事務所が設置されているだけでは土地の地目を、宅地とすることはできない。尚,工事現場に設置された作業員詰所等(仮設事務所)について、景観的にも工事が完了すれば解体されることが殆どなので建物として認定することはできない。(建物認定3訂版105頁、106頁)
■準則68条
次の各号に掲げる地目は,当該各号に定める土地について定めるものとする。この場合には,土地の現況及び利用目的に重点を置き,部分的にわずかな差異の存するときでも,土地全体としての状況を観察して定めるものとする。
一 田 農耕地で用水を利用して耕作する土地
二 畑 農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
三 宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果すために必要な土地
四 学校用地 校舎,附属施設の敷地及び運動場
五 鉄道用地 鉄道の駅舎,附属施設及び路線の敷地
六 塩田 海水を引き入れて塩を採取する土地
七 鉱泉地 鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地
八 池沼 かんがい用水でない水の貯留池
九 山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
十 牧場 家畜を放牧する土地
十一 原野 耕作の方法によらないで雑草,かん木類の生育する土地
十二 墓 地人の遺体又は遺骨を埋葬する土地
十三 境内地 境内に属する土地であって,宗教法人法(昭和26年法律第126号)第3条第2号及び第3号に掲げる土地(宗教法人の所有に属しないものを含む。)
十四 運河用地 運河法(大正2年法律第16号)第12条第1項第1号又は第2号に掲げる土地
十五 水道用地 専ら給水の目的で敷設する水道の水源地,貯水池,ろ水場又は水道線路に要する土地
十六 用悪水路 かんがい用又は悪水はいせつ用の水路
十七 ため池 耕地かんがい用の用水貯留池
十八 堤 防水のために築造した堤防
十九 井溝 田畝又は村落の間にある通水路
二十 保安林 森林法(昭和26年法律第249号)に基づき農林水産大臣が保安林として指定した土地
二十一 公衆用道路 一般交通の用に供する道路(道路法(昭和27年法律第180号)による道路であるかどうかを問わない。)
二十二 公園 公衆の遊楽のために供する土地
二十三 雑種地 以上のいずれにも該当しない土地
土地の真の所有者がA及びBであるにもかかわらず,誤ってAのみが表題部所有者として登記された場合において,Aの持分を 3 分の 1 ,Bの持分を 3 分の 2 とする表題部所有者についての更正の登記をBが申請するときは,Bの住所を証する情報をも提供しなければならない。
○ 不動産の所有者と不動産の表題部所有者とが異なる場合、真実の所有者は表題部所有者更正登記を申請することができる。(法33.1)
表題部所有者更正登記を申請する場合の添付書類は、
①住所証明書(新たに表題部所有者となるもの)、②所有権証明書(新たに表題部所有者となるもの)、③承諾書(表題部所有者作成のもの又は表題部所有者に対抗することができる裁判があったことを証する情報)である。
■土地の真の所有者がA及びBであるにもかかわらず,誤ってAのみが表題部所有者として登記されている場合において,更正後の所有者をABとし、Aの持分を3 分の 1 ,Bの持分を3 分の 2 とする場合、新たに表題部所有者となるBの住所を証する情報を提供しなければならない。(令別表2項・添付情報欄ロ)
電子申請の方法によって登記を申請する場合において,登記事項証明書を併せて提供しなければならないものとされているときは,登記事項証明書の提供に代えて,当該申請に係る不動産の不動産番号を送信しなければならない。
× 電子申請の方法によって登記を申請する場合において,登記事項証明書を併せて提供しなければならないものとされているときは,登記事項証明書の提供に代えて,当該申請に係る不動産の不動産番号を送信することはできない。
■不動産番号は、不動産を識別するために必要な事項として法務省令で定めるものなので登記事項証明書の提供に代えることはできない。(法27.4 )
■不動産登記令第11条
電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合において、登記事項証明書を併せて提供しなければならないものとされているときは、法務大臣の定めるところに従い、登記事項証明書の提供に代えて、登記官が電気通信回線による登記情報の提供に関する法律(平成十一年法律第二百二十六号)第二条第一項に規定する登記情報の送信を同法第三条第二項に規定する指定法人から受けるために必要な情報を送信しなければならない。
地番が10番1の土地に2個の建物が存する場合において,当該2個の建物のうち先に登記された建物の家屋番号が「10番1の1」のときは,後に登記する他の建物の家屋番号は「10番1の 2 」となる。
○ 地番が10番1の土地に2個の建物が存する場合において、当該2個の建物のうち先に登記された建物の家屋番号が「10番1の1」のときは、後に登記する他の建物の家屋番号は「10番1の2」となる。
一筆の土地の上に2個以上の建物が存する場合には、敷地の地番と同一の番号に、1. 2.3の支号を付して家屋番号を定める。(準79.2)
■(準則79条2)
1筆の土地の上に2個以上の建物が存する場合には,敷地の地番と同一の番号に1.2.3の支号を付して、例えば地番が「5番」であるときは「5番の1」、「5番の2」等とし、地番が「6番1」であるときは「6番1の1」、「6番1の2」等の例により定める。
教授:「保育所」や「教習所」を建物の種類として定めることはできますか。
学生:いいえ。「保育所」や「教習所」は,不動産登記規則及び不動産登記事務取扱手続準則に規定された種類の区分に該当しないので,建物の種類として定めることはできません。
× 保育所は児童福祉法による児童福祉施設になるので「保育所」と定める。
学校教育法が適用される幼稚園も「園舎」又は「校舎」と定める。「準80.1、 建物認定 ( 3訂版)212頁」
「教習所」とは学校教育法の適用されない学習塾、そろばん塾、自動車教習所、茶道、絵画、音楽、生花、舞踊、裁縫、手芸教室等 教習用の建物のこと。
共通する添付情報のある 2つの申請を同一の登記所に対して同時に行う場合において,当該添付情報を一の申請の申請情報と併せて提供し,その旨を他の申請の申請情報の内容としたときは,当該他の申請について当該添付情報を提供することを要しない。
○ 共通する添付情報のある 2つの申請を同一の登記所に対して同時に行う場合において、当該添付情報を一の申請の申請情報と併せて提供し、その旨を他の申請の申請情報の内容とし前件添付又は後件添付と記載すれば、当該他の申請について当該添付情報を提供することを要しない。(規37.1~規37.2)
甲土地の占有者であるAから占有の訴えを提起されたBは,その訴えに対する防御方法として,甲土地の所有権が自らにあることを主張することができる。
× 甲土地の占有者であるAから占有の訴えを提起されたBは,その訴えに対する防御方法として,甲土地の所有権が自らにあることを主張することができない。(民202.2)
団地共用部分である旨の登記がある建物について団地共用部分である旨を定めた規約を廃止したために当該建物の表題登記を申請する場合には,建物図面及び各階平面図を提供することを要しない。
○ 団地共用部分である旨の登記がある建物について団地共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合における建物の表題登記を申請する場合、建物図面及び各階平面図を提供することを要しない。建物図面及び各階平面図は、既に登記所に備え付けられているので、改めて建物図面及び各階平面図を提供する必要はない。(令別表21項・添付情報欄参照)
調査士:土地家屋調査士(以下「調査士」という。)が代理人として電子申請の方法により土地の合筆の登記の申請をする場合に土地の所有権の登記名義人が登記識別情報を記載した書面の交付を受ける方法により登記識別情報の通知を受けていた場合において,電子申請の方法による当該土地の合筆の登記の申請について申請情報と併せて当該登記識別情報を提供するときは,代理人である調査士は,当該書面をスキャナにより読み取って作成した電磁的記録に,調査士による電子署名を付したものを提供することはできますか。
補助者:当該書面をスキャナにより読み取って作成した電磁的記録に,調査士による電子署名を付したものを提供することができます。
× 土地家屋調査士(以下「調査士」という。)が代理人として電子申請の方法により土地の合筆の登記の申請をする場合に土地の所有権の登記名義人が登記識別情報を記載した書面の交付を受ける方法により登記識別情報の通知を受けていた場合において,電子申請の方法による当該土地の合筆の登記の申請について申請情報と併せて当該登記識別情報を提供するときは,法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して登記識別情報を提供する方法によらなければならない。(規66.1.1)
代理人である調査士は,当該書面をスキャナにより読み取って作成した電磁的記録に,調査士による電子署名を付したものを提供することはできない。
(不動産登記規則第66条 登記識別情報の提供)
■法第22条本文の規定により同条 本文に規定する登記義務者の登記識別情報を提供する場合には、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法による。
一、電子申請の場合・・法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して登記識別情報を提供する方法
二、書面申請の場合・・登記識別情報を記載した書面を申請書に添付して提出する方法
■法第22条2・・前項第二号の登記識別情報を記載した書面は、封筒に入れて封をするものとする。
■法第22条3・・前項の封筒には、登記識別情報を提供する申請人の氏名又は名称及び登記の目的を記載し、登記識別情報を記載した書面が在中する旨を明記するものとする。
甲土地とこれに隣接する乙土地とを対象土地とする筆界特定の申請がされた後,意見聴取等の期日前に,関係土地の所有権の登記名義人が死亡した場合には,当該所有権の登記名義人の相続人は,関係土地について相続を原因とする所有権の移転の登記をすることなく,相続を証する情報を提供して当該意見聴取等の期日に出席することができる。
○ 甲土地とこれに隣接する乙土地とを対象土地とする筆界特定の申請がされた後,意見聴取等の期日前に,関係土地の所有権の登記名義人が死亡した場合、当該所有権の登記名義人の相続人は、関係土地について相続を原因とする所有権の移転の登記をすることなく、相続を証する情報を提供して当該意見聴取等の期日に出席することができる。(平17.12.6民二2760.第3.53 )
Aから何らの代理権を与えられていないBが,Aの代理人と称してCとの間で契約を締結した場合には,Cは,AがCに対して追認をした後であっても,その契約を取り消すことができる。
× Aから何らの代理権を与えられていないBが,Aの代理人と称してCとの間で契約を締結した場合には,Cは,AがCに対して追認をするまでの間であればその契約を取り消すことはできるが追認をした後は、契約を取り消すことができない。(民115)
賃借権の設定の登記がされている甲土地の所有権の登記名義人であるAは,当該賃借権の登記名義人であるBが承諾したことを証する情報を提供することなく,甲土地の分筆の登記を申請することができる。
○ 甲土地の所有権の登記名義人であるAは,賃借権の登記名義人がBである場合でもBの承諾したことを証する情報を提供することなく、甲土地の分筆の登記を申請することができる。(令別表8項・添付情報欄)
賃借権設定登記がされている土地の分筆の登記を申請する場合、賃借権の登記名義人が承諾したことを証する情報を提供しなければならないとする規定はない。
占有者が占有物の所持を失った場合には,その占有者は,占有回収の訴えを提起して勝訴し,現実にその占有物の占有を回復したとしても,その占有物の所持を失っていた間の占有の継続を主張することはできない。
× 占有権は占有者が占有物の所持を失った場合に消滅するが、占有者が占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその占有物の占有を回復すれば占有権は消滅しなかったものとされる。
(民203、最判昭和44.12. 2 )
合筆により登記記録が閉鎖された土地の地番は,特別の事情がない限り,再使用されない。
○ 合筆により登記記録が閉鎖された土地の地番は、特別の事情がない限り、再使用されない。
土地の地番は「抹消、滅失又は合筆」により登記記録が閉鎖された場合、特別の事情がない限り、再使用しない。(準67.1.2)
教授: 建物の種類は,建物の主な用途により定めることとされています。100 個の区分建物からなる一棟の建物に属する 1 個の甲区分建物が事務所として利用されているが,それ以外の 99 個の区分建物が独立して居住の用に供されているときは,甲区分建物に関する建物の種類は,どのように定められますか。
学生: その場合には,一棟の建物に属するほぼ全ての区分建物が居住の用に供されていますので,甲区分建物に関する建物の種類も「居宅」と定められます。
× 100 個の区分建物からなる一棟の建物に属する 1 個の甲区分建物が事務所として利用されており,それ以外の 99 個の区分建物が独立して居住の用に供されているとき甲区分建物が事務所として利用されていれば、建物の種類は「事務所」と定める。
一棟の建物内の専有部分は独立した建物なので、専有部分それぞれに家屋番号をつけ、種類も1 個の専有部分ごとに定めることになります。
■建物の種類は、建物の主な用途により、居宅、店舗、寄宿舎、共同住宅、事務所、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫、発電所及び変電所に区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。(規113.1)
調査士:土地家屋調査士(以下「調査士」という。)が代理人として電子申請の方法により土地の合筆の登記の申請をする場合において,代理人である調査士が当該委任状を確認した上でスキャナにより読み取って電磁的記録を作成し,これに調査士による電子署名が付されている場合において,当該電磁的記録に記録された情報及び当該電磁的記録の作成過程が記録された申請に係る不動産の調査に関する報告を申請情報と併せて提供する方式(以下「調査士報告方式」という。)により当該登記の申請をしたときは,登記官に対して当該委任状原本を提示する必要がありますか。
補助者:調査士報告方式により当該登記の申請をした場合には,当該委任状原本の提示を省略することはできません。
× 調査士が代理人として電子申請の方法により土地の合筆の登記の申請をする場合において,代理人である調査士が当該委任状を確認した上でスキャナにより読み取って電磁的記録を作成し,これに調査士による電子署名が付されている場合において,当該電磁的記録に記録された情報及び当該電磁的記録の作成過程が記録された申請に係る不動産の調査に関する報告を申請情報と併せて提供する方式(以下「調査士報告方式」という。)により登記申請すれば委任状の原本提示を省略することができる。(令元.10.7.民二187号通知1~2 )
地積に関する更正の登記の申請について,登記官による調査の結果,当該申請に係る土地の筆界を確認することができない場合には,当該登記の申請は却下される。
○ 地積に関する更正の登記の申請について、登記官による調査の結果,当該申請に係る土地の筆界を確認することができない場合、法25条11号の登記官の調査結果と合致しないことを理由に登記申請は却下される。(昭38.1.21民甲129)
甲土地の所有権の登記名義人から売買により甲土地の所有権の全部を取得した者は,当該売買を登記原因とする所有権の移転の登記がされていない場合であっても,当該所有権を取得したことを証する情報を提供することにより,甲土地とこれに隣接する乙土地との筆界について,筆界特定の申請をすることができる。
× 筆界特定の申請をすることができる者は
表題部所有者若しくは所有者又は所有権の登記名義人若しくは表題部所有者の相続人その他の一般承継人。(法123.5) 一筆の土地の一部の所有権を取得した者である。(規207.2.4、平成17.2.6民二2760「14」)
一筆の土地の全部の所有権を取得した者は、所有権の移転の登記を受けて所有権の登記名義人とならなければ、筆界特定の申請をすることができないことになる。
甲土地の所有権の登記名義人から売買により甲土地の所有権の全部を取得した者でも、当該土地が表題登記がない土地でない限り、その者は売買を登記原因とする所有権移転登記がされていないなければ、所有権を取得したことを証する情報を提供しても筆界特定の申請をすることができない。 (法123.5、法131.1)
甲建物の附属建物及び乙建物の附属建物が区分建物である場合において,甲建物からその附属建物を分割して乙建物の附属建物に合併する建物の分割の登記及び建物の合併の登記の申請は,乙建物の附属建物が甲建物の附属建物と接続していないときは,することができない。
○ 甲建物の附属建物及び乙建物の附属建物が区分建物である場合において,甲建物からその附属建物を分割して乙建物の附属建物に合併する「建物分割・区分合併登記」の申請は,乙建物の附属建物が甲建物の附属建物と接続していないときは、することができない。
「建物分割・区分合併登記」の申請は、分割する甲建物の附属建物と乙建物又は乙建物の附属建物が互いに接続する区分建物でなければできない。(準86.3かっこ書、準86.2)
表題登記がある甲土地の表題部所有者は,甲土地とこれに隣接する乙土地との筆界について,筆界特定の申請をすることができる。
○ 表題登記のみされた甲土地の表題部所有者は,甲土地とこれに隣接する乙土地との筆界について,筆界特定の申請をすることができる。(法123.5)
土地の所有権登記名義人等も、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。(法131.1)
■所有権登記名義人等、所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。(法123.5)
登記の申請に不備があっても,その内容が補正することができるものであり,登記官が定めた相当の期間内に申請人がこれを補正したときは,当該登記の申請は却下されない。
○ 登記の申請に不備があっても,その内容が補正することができるものであり,登記官が定めた相当の期間内に申請人がこれを補正したときは,当該登記の申請は却下されない。(法25ただし書)
電子申請の方法によってされた登記の申請に基づく登記が完了した場合において,登記完了証の交付を受けるべき者が,登記完了証を電子情報処理組織を使用した送信を受けることが可能になった時から 3 か月を経過しても自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録しないときは,当該登記完了証は廃棄される。
× 登記官は、電子申請の方法によってされた登記の申請に基づく登記が完了した場合において、登記完了証の交付を受けるべき者が,登記完了証を電子情報処理組織を使用した送信を受けることが可能になった時から30日を経過しても、自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該登記完了証を記録しないとき、登記が完了した旨の通知をすることを要しない。そしてこの場合、登記完了証を廃棄することができる。(規182.2.1)
他人のために占有をする者であっても,その占有を奪われたときは,占有回収の訴えを提起することができる。
○ 「占有者がその占有を奪われたとき」及び「他人のために占有をする者」であっても、その占有を奪われたときは、占有回収の訴えを提起することができ、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。(民197、民200.1)
甲建物について,所有権の保存の登記がされた後に,新築した建物を甲建物の附属建物とする旨の表題部の変更の登記がされている場合には,当該附属建物を分割して乙建物の附属建物とする建物の分割及び合併の登記の申請は,当該分割前の甲建物の所有権の保存の登記が完了した際に通知された登記識別情報を提供してすることができる。
× 甲建物について、所有権の保存の登記がされた後に、新築した建物を甲建物の附属建物とする旨の表題部の変更の登記がされている場合、新築された甲建物の附属建物については登記識別情報が存在しないので(昭和35年12.27民甲3300.166頁)、甲建物の附属建物の登記識別情報を提供して乙建物の附属建物とする建物合併登記の申請をすることはできない。(平成17年法務省民事局質疑事項集162)
さらに分割前の甲建物の所有権の保存の登記が完了した際に通知された登記識別情報を提供して、甲建物の所有権保存登記がされた後に新築した建物を乙建物の附属建物とする建物合併登記の申請をすることもできない。
甲建物について、所有権の保存の登記がされた後に新築された附属建物を分割登記をする場合、分割した建物の登記記録には、分割前の建物の登記記録から所有権の登記を転写することができないので、分割による所有権の登記をすることになる。(規128)
■申請方法としては①、②の方法がある。(法23、令8.2.3)
①甲建物について、所有権の保存の登記がされた後に、新築した建物を甲建物の附属建物とする旨の表題部の変更の登記がされている場合に、附属建物を分割して乙建物の附属建物とする建物の分割及び合併の登記の申請をする場合、乙建物の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供する。
②甲建物について、所有権の保存の登記がされた後に、新築した建物を甲建物の附属建物とする旨の表題部の変更の登記がされている場合に、附属建物を分割して乙建物の附属建物とする建物の分割及び合併の登記の申請をする場合、登記識別情報を提供せずに登記官から事前通知を発送する方法による。