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土地家屋調査士過去問民法ランダム問題

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問題 次の対話は、建物に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対して、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■教授:借地上の建物に設定されていた抵当権が実行されて、買受人が建物の所有権を取得した場合、借地権はどうなりますか。
学生:借地権は建物の所有権とは別個の権利ですので、借地権は買受人に移転しません。

■教授:一棟の建物の一部について取得時効は成立しますか。
学生:一筆の土地の一部について取得時効の成立が認められるのと同様に、一棟の建物の一部についても、その部分が区分建物としての独立性を備えているか否かにかかわらず、取得時効の成立が認められます。

■教授:建物の所有者が移築を目的として当該建物を解体した場合には、その建物に設定されていた抵当権はどうなりますか。
学生:解体された建物は不動産ではなくなりますから、当該建物に設定されていた抵当権は消滅することになります。

■教授:賃貸物件として使用されている建物に抵当権が設定された場合、抵当権者は、建物の賃料から優先弁済を受けることができますか。
学生:賃料債権も物上代位の対象になりますから、抵当権者は被担保債権の債務不履行後に、賃料債権に対する物上代位権を行使することによって賃料から優先弁済を受けることができます。

■教授:物には不動産と動産とがありますが、建築中の建物は、どのように扱われますか。
学生:土地の定着物ですから不動産に当たりますが、基礎工事の段階では土地の一部と扱われるのに対し、屋根や壁ができて建物とみられる段階に至ると、土地とは別の不動産と扱われます。

2006年(平成18年)民法


問題 任意代理に関して正誤を答えて下さい。

■同一の法律行為については本人があらかじめ許諾した場合であっても,当事者双方の代理人となることはできない。

■復代理人の行為について,代理人は,本人に対して債務不履行の責任を負う。

■代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は,相手方が,代理人が本人のためにすることを知っていたときは,本人に対して直接にその効力を生ずる。

■未成年者を代理人に選任することはできない。

■意思表示の効力が,ある事情を知っていたことによって影響を受けるべき場合には,その事実の有無は,代理人について決する。

2012年(平成24年)民法


問題 相続人がA及びBの 2 名存在する場合における相続に関する正誤を答えて下さい。

■相続人Aが単独で単純承認をした場合,相続人Bは,限定承認をすることができない。

■相続人Aは,限定承認をした場合には,以後,善良な管理者の注意をもって,相続財産の管理を継続しなければならない。

■相続人Aが相続の放棄をし,相続人Bは単純承認をしたが,相続財産たる表題登記のみがある不動産について,Aの債権者の申請により代位による所有権の保存の登記がされた後,Aの法定相続分に対する仮差押えの登記がされたときは,この仮差押えの登記は無効である。

■相続人Aは,いったん相続の承認をしたが,自己のために相続の開始があったことを知った時から 3 か月以内であれば,その承認を撤回することができる

■相続人Aは,相続の放棄をするためには,相続の放棄について相続人Bの承諾を得る必要がある。

2017年(平成29年)民法


問 題 物権的請求権に関して、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■ A及びBが甲土地を共有している場合において、無権利者Cが甲土地に産業廃棄物を不法投棄したときは、Aは、単独で、Cに対して当該産業廃棄物を撤去するよう請求することができる。

■ Aが甲土地の所有者Bから甲土地を買った場合において、甲土地について、BからAへの所有権の移転の登記がされていないときは、Aは、甲土地を占有する無権利者Cに対して甲土地の明渡しを請求することができない。

■ Aが甲土地の所有者Bから甲土地を買った場合において、AB間の売買契約上、甲土地の所有権の移転時期に関する特約がないときは、Aは、当該契約締結後直ちに、Bに対して所有権に基づき甲土地の引渡しを請求することができる。

■ 所有権が時効によって消滅することはないが、所有権に基づく返還請求権は時効によって消滅する。

■ Aが甲土地を所有し、その旨の登記がされている場合において、無権利者Bが甲土地上に乙建物を建て、占有補助者であるCと共に居住しているときは、Cを建物から退去させるためには、Aは、Cに対し、乙建物から退去して甲土地を明け渡すことを請求しなければならない。


2023年(令和5年)民法問2


問題 Aを被相続人とする代襲相続に関する次の記述のうち、正誤を答えて下さい。

■Aの死亡以前にAの実子Bが死亡していた場合には、Aの死亡時に胎児であり、その後生きて生まれたBの子Cは、Aの代襲相続人となる。

■ Aの死亡以前にAの配偶者Bが死亡していた場合であっても、Bとその元配偶者Cとの間の実子Dは、Aの代襲相続人とならない。

■ Aに子がなく、かつ、Aの死亡以前にAの父B及び母Cが死亡していた場合において、Bの父Dが生存しているときは、Dは、Aの代襲相続人となる。

■ Aの死亡以前にAの実子Bが死亡していた場合であっても、Bの養子Cは、Aの代襲相続人とならない。

■ Aの実子Bが廃除によってAの相続権を失った場合には、Bの実子Cは、Aの代襲相続人となる。

2024年(令和6年)民法問3


問題 制限行為能力者に関する記述のうち、正誤を答えて下さい。

■ 被保佐人が第三者のために保証人となる場合には、保佐人の同意を得る必要はない。

■ 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始の審判を取り消さなければならない。

■ 時効の期間満了前6か月以内の間に成年被後見人に成年後見人がない場合には、その成年被後見人が行為能力者となった時又は成年後見人が就職した時から6か月を経過するまでの間は、その成年被後見人に対して、時効は完成しない。

■ 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。

■ 本人以外の者の請求により保佐開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。

2022年(令4年)民法問1


問題 時効の援用に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■甲土地上に乙建物を所有しているAから乙建物を貸借しているBが,甲土地の所有者であるCから,所有権に基づき乙建物から退去して甲土地を明け渡すよう求められた場合において,Aの占有による甲土地の所有権の取得時効が完成しているときは,Bは,その取得時効を援用してCからの請求を拒むことができる。

■Aに対する貸金債務を承認したBが,Aから貸金返還請求を受けた場合には,Bは,その承認の際に,その貸金債務について消滅時効が完成していることを知らなかったときであっても,貸金債務の消滅時効を援用してAからの請求を拒むことができない。

■AのBに対する売買代金債務を連帯保証したCは,Aの売買代金債務について消滅時効が完成した後にBから連帯保証債務の履行を求められた場合には,Aの売買代金債務についての消滅時効が完成する前に自らの連帯保証債務を承認していたときであっても,Aの売買代金債務についての消滅時効を援用してBからの請求を拒むことができる。

■被相続人Aの占有により甲土地の取得時効が完成していた場合には,Aの共同相続人の一人であるBは,甲土地の全部について取得時効を援用することができる。

■Aを抵当権者として先順位の抵当権が設定されている不動産の後順位の抵当権者であるBは,Aの先順位の抵当権の被担保債権について消滅時効が完成した場合であっても,その消滅時効を援用することができない。

2011年(平成23年)民法


問題 不動産の取得時効に関する記述のうち,判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■ Aから甲不動産を買い受けてその占有を取得したBが,売買契約当時,甲不動産の所有者はAではなくCであり,売買によって直ちにその所有権を取得するものでないことを知っていた場合には,Bは,その後,所有権の時効取得に必要とされる期間,甲不動産を継続して占有したとしても,甲不動産の所有権を時効取得することはできない。

■ Aが,甲不動産を10年間占有したことを理由として甲不動産の所有権の時効取得を主張する場合,その占有の開始の時に,Aが甲不動産を自己の所有と信じたことにつき無過失であったことは推定されない。

■ 取得時効を援用する者が,時効期間の起算点を任意に選択し,時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることは許されない。

■甲不動産を所有の意思なく占有していたAが死亡し,Bがその占有を相続により承継した場合には,Bは,新たに甲不動産を事実上支配することによって占有を開始し,その占有に所有の意思があるとみられ,かつ,Bの占有開始後,所有権の時効取得に必要とされる期間その占有を継続したとしても,自己の占有のみを主張して甲不動産の所有権を時効取得することはできない。

■甲不動産につき賃借権を有するAがその対抗要件を具備しない間に,甲不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合には,Aは,その後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,甲不動産を継続的に用益したとしても,抵当権の実行により甲不動産を買い受けた者に対し,賃借権の時効取得を対抗することはできない。

2020年(令和2年)民法


問題 次の対話は,相続に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次の学生の解答のうち,正誤を答えて下さい。

教授: これから,被相続人Zの相続人が子G及びHのみであり,甲不動産がZの遺産に属するという事例について検討しましょう。Gは,甲不動産について,遺産の分割の方法によらずに民法第 256 条第 1 項に規定する共有物の分割の請求をすることはできますか。
学生: はい。Gは,甲不動産について法定相続分に相当する共有持分を有しているので,民法第 256 条第 1 項に規定する共有物の分割の請求をすることができます。

教授: それでは,GとHとの間で甲不動産をGが単独で取得する旨の遺産分割協議が成立したにもかかわらず,Hが,その旨の登記がされる前に,甲不動産について法定相続分に相当する 2 分の 1 の共有持分を有しているとして,これをIに譲渡し,その旨の登記がされたとします。この場合において,Gは,Iに対して,甲不動産について自らの法定相続分を超える部分の所有権を承継したことを主張することができますか。
学生: いいえ。当該遺産分割協議に基づく所有権の移転の登記がされていませんので,Gは,Iに対して,自らの法定相続分を超える部分の所有権を承継したことを主張することができません。

教授: では,Zが「遺産である甲不動産を相続人Gに相続させる。」との遺言をし,これがGに甲不動産を単独で相続させる旨の遺産分割の方法の指定と認められる場合には,甲不動産の所有権は,遺産分割の協議又は審判を経ることなく,Zの死亡の時に直ちに相続によりGに承継されますか。
学生: いいえ。遺産分割の協議又は審判を経ることなく,甲不動産の所有権がGに承継されることはありません。
(参考)
民法
第 256 条 各共有者は,いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし,五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2 (略)

教授: 法定相続分の算定について考えてみましょう。被相続人Xの相続人が配偶者Aと兄Bのみであるときは,Bの法定相続分はどうなりますか。
学生: Bの法定相続分は 4 分の 1 となります。

教授: 被相続人Yには配偶者Cとの婚姻中の子D及びEがおり,Dの子FがYの養子でもある場合において,Yの相続開始時にはCとDが既に死亡していたためにYの相続人がEとFのみとなるときは,Fの法定相続分はどうなりますか。
学生: Fは,Dの代襲者の資格とYの子の資格の双方で相続人となりますので,Fの法定相続分は 3 分の 2 となります。

2021年(令和3年)民法第3問


問題 行為能力に関する正誤を答えて下さい。

■成年被後見人が日用品を買い受けた場合には, その売主が買主について後見が開始していることを知らなかったときであっても, 買主の成年後見人は, 当該日用品の売買契約を取り消すことができる。

■未成年後見人が選任されている未成年者については, 後見開始の審判をして成年後見人を付することができない。

■本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには, 本人の同意が必要である。

■被保佐人は, 保証契約を締結する前にその行為をすることについて保佐人の同意を得たとしても, 自己の判断でその保証契約の締結をやめることができる。

■被保佐人に十分な判断能力がある場合には, 被保佐人と契約を締結しようとする者は, 家庭裁判所に対し, 利害関係人として, 保佐開始の審判の取消しを請求することができる。

2018年(平成30年)民法


問題 未成年者Aが親権者Bの同意を得ることなく,自己が所有する甲土地についてCとの間で売買契約を締結した場合(以下この売買契約を「本件売買契約」という。)に関し,判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。なお, Aは,婚姻しておらず,また,甲土地に係る処分の許可及び営業の許可も,受けていないものとする。

■Cが甲土地を更にDに売却した場合には,Aは,Dに対して取消しの意思表示をしなければ,本件売買契約を取り消すことができない。

■Aは,成年に達する前であっても,Bの同意を得れば,本件売買契約を追認することができる。

■Aは,成年に達した後,異議をとどめずに本件売買契約の代金をCから受領した場合には,本件売買契約を取り消すことができない。

■Aが成年に達する前にCがBに対して1か月以内に本件売買契約を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をした場合において,Bがその期間内に確答を発しないときは,本件売買契約を追認したものとみなされる。

■Aが成年者であることを信じさせるため詐術を用いた場合には,Aが未成年者であることをCが知っていたときであっても,Aは,本件売買契約を取り消すことができない。

2013年(平成25年)民法


問題 Aは、Bから、B所有の甲土地を売却することについての代理権の授与を受け、Cとの間で、甲土地を1億円で売り渡す旨の売買契約(以下「本件契約」という。)を締結した。この場合に関して判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■Aが、Bから授与された代理権が消滅した後に、Bの代理人として本件契約を締結した場合、Bは、Cが代理権の消滅を過失なく知らなかったとしても、Cからの本件契約の履行請求を拒絶することができる。

■Cが、Bから虚偽の事実を告げられたために、実際には3.000万円足らずの甲土地の地価を1億円は下らないと誤信して本件契約を締結した場合、Cは、Bの代理人として本件契約を締結したAがBの欺罔行為を過失なく知らなかったとしても、本件契約を取り消すことができる。

■Aが、Bの代理人であることを示さずに、B本人であると名乗って本件契約を締結した場合、AをB本人であると過失なく信じたCは、本件契約を取り消すことができる。

■Aが甲土地の代金を着服する意図を持ってBの代理人として本件契約を締結し、その代金を自ら消費した場合、Bは、CがAの意図を本件契約締結時に過失なく知らなかったとしても、Cに対し、本件契約の無効を主張することができる。

■Bの代理人として本件契約を締結したAが未成年者であった場合、Bは、代理権を授与した時にAが未成年であったことを知らなかったときは、本件契約を取り消すことができる。

2006年(平成18年)民法


問題 次の対話は、物権に関する教授と学生との間の対話である。教授の質問に対する学生の解答のうち、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■教授:では、土地の賃借人がその土地に木を植えたり、作物を作ったりした場合には、それらの物の所有権は、だれに帰属しますか。
学生:賃借人が賃借権に基づいて木や作物を土地に付属させた場合には、それらの物の所有権は、その土地の所有権には含まれず、賃借人に帰属します。

■教授:「物」のうち、土地及びその定着物は不動産とされていますが、土地の定着物は、その土地の所有権と、どのような関係にありますか。
学生:土地の定着物は、原則として、その土地の一部を構成し、土地所有権に含まれますが、建物は、土地とは独立した所有権の客体となり、立木も、立木に関する法律による登記又は明記方法を備えることにより、独立した物として扱われます。

■教授:物権の客体である「物」とは、何ですか。
学生:「物」の定義は、民法に定められており、有体物をいうとされています。この有体物とは、空間の一部を占める外界の物質、すなわち、固体、液体及び気体のすべてを意味します。

■教授:「物」が物権の客体となるための要件として、何がありますか。
学生:物権の客体となる「物」は、特定していなければなりません。また、物権の客体は、単一の物でなければならず、物の集合に対して1個の物権が成立することはありません。

■教授:物権としては、どのような種類の権利が認められていますか。
学生:占有権、所有権、抵当権、採石権等の民法の明文で認められている物権のほか,仮登記担保契約に関する権利等の特別法で認められた物権、さらには、上土権(地表のみの所有権)のように判例によって認められた慣習法上の物権などがあります。

2004年(平成16年)民法


問題 占有権に関する次の記述のうち,正誤を答えて下さい。

■ 甲土地を占有していたAからその占有を承継したBは,自己の占有にAの占有を併せて主張することはできるが,自己の占有のみを主張することはできない。

■ 甲土地の占有者であるAから占有の訴えを提起されたBは,その訴えに対する防御方法として,甲土地の所有権が自らにあることを主張することができる。

■ 代理人が自己の占有物について以後本人のために占有する意思を表示したときは,本人は,これにより占有権を取得する。

■ 他人のために占有をする者であっても,その占有を奪われたときは,占有回収の訴えを提起することができる。

■ 占有者が占有物の所持を失った場合には,その占有者は,占有回収の訴えを提起して勝訴し,現実にその占有物の占有を回復したとしても,その占有物の所持を失っていた間の占有の継続を主張することはできない。

2021年(令和3年)民法第2問


問題 A,B及びCが各3分の1の持分で甲土地を共有している場合に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■Aが,B及びCの承諾を得ることなく,単独で甲土地全部を占有している場合であっても.B及びCは,その共有持分が過半数を超えることを理由として,Aに対して当然には甲土地の明渡しを請求することはできない。

■第三者Eが甲土地を不法に占有したことによりA,B及びCの使用が妨げられた場合であっても,Aは,Eに対してその持分割合を超えて損害賠償を請求することはできない。

■甲土地の分割が裁判所に請求された場合において,甲土地を現物で分割することが不可能であるか,又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは,裁判所は,甲土地を競売に付し,その売得金をA,B及びCの各持分割合に応じて分割することを命ずることができる。

■Bの持分についてのみ第三者Dへの不実の持分移転登記がされている場合には,A又はCは,それぞれ単独でDに対してその持分移転登記の抹消登記手続を請求することはできない。

■A,B及びCが共同して甲土地をDに貸貸している場合において,その賃貸借契約を解除するときは,Aは,B及びCの了解がなくても,単独でDに対して解除権を行使することができる。

2011年(平成23年)民法


問題  A,B及びCが各3分の1の持分で甲土地を共有している場合において,判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■第三者Dが違法に甲土地を占有している場合には,Aは,Dに対して,B及びCに生じた損害についての賠償を請求することができない。

■第三者Dが違法に甲土地を占有している場合には,Aは,B及びCの同意を得なくても,Dに対して,甲土地の明渡しを請求することができる。

■甲土地について,無権利者であるDが単独で所有する旨の不実の登記をした場合には,Aは,B及びCの同意を得ない限り,Dに対して,その登記の抹消を請求することはできない。

■A,B及びCが共同して甲土地をDに賃貸している場合において,Dに債務不履行があるときは,Aは、B及びCの同意を得なくても,当該賃貸借契約を解除することができる。

■AがB及びCに無断で甲土地に変更を加える行為をしている場合において,Bは,Cの同意を得ていないときは,Aに対して,当該行為の禁止を求めることはできない。

2019年(令和元年)民法


問題 付合に関する判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■建物の賃借人が賃貸人の承諾を得て当該建物を増築した場合であっても, その増築部分が取引上の独立性を有しないときは, 当該賃借人は, 当該増築部分の所有権を取得しない。

■不動産の付合によって付合した物の所有権を喪失し, 損失を受けた者は, 当該不動産の付合によって所有権を取得した者に対し, その償金を請求することができる。

■土地を使用する権原を有しない者が当該土地に小麦の種をまき, これを育てた場合には, 成育した小麦の所有権は, 種をまいた者に帰属する。

■Aが所有する甲動産に甲動産の賃借人Bが所有する乙動産が付合したときは, 甲動産が主たる動産であったとしても, Bは, 乙動産の所有権を失わない。

■BがAからAの所有する土地を買い受けて立木を植栽した後に, Cが当該立木とともに当該土地をAから買い受けてその所有権の移転の登記を備えた場合には, Bは, 当該立木につき対抗要件を備えていなく とも, Cに対し, 当該立木の所有権を主張することができる。

2018年(平成30年)民法


問題 物権的請求権に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■所有者は,その所有物について権原を有しない者から賃借して占有する者だけでなく,当該所有物を賃貸した者に対しても,所有権に基づく返還請求権を行使することができる。

■所有権に基づく物権的請求権は, 10年の消滅時効により消滅する。

■所有権に基づく妨害排除請求権を行使するには,妨害状態が発生したことについて相手方に故意又は過失がなければならない。

■所有者は,その所有権の取得について対抗要件を備えていなくても,その所有物を不法に占有する者に対して,所有権に基づく返還請求権を行使することができる。

■占有者が所有者に対して提起した占有の訴えに対して,所有者は,その所有権に基づく反訴を提起することができる。

2014年(平成26年)民法


問題 次の対話は,権利能力なき社団に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する学生の解答のうち,判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■教授:権利能力なき社団において,規約で定められていた改正手続に従い,総会における多数決により,構成員の資格要件を変更する旨の規約の改正が決議された場合,当該決議について承諾をしていない構成員に対して,当該決議により改正された規約は適用されますか。
学生:権利能力なき社団の構成員の資格要件の変更については,構成員各自の承諾を得る必要があり,構成員の資格要件を変更する旨の規約の改正が総会における多数決により決議された場合であっても,当該決議について承諾をしていない構成員に対しては,改正後の規約は適用されません。

■教授:それでは,権利能力なき社団である入会団体において,共有の性質を有する入会権の処分について,入会団体の構成員全員の同意を要件とすることなく,入会団体の役員会の全員一致の決議に委ねる旨の慣習が存在する場合,この慣習に基づいてされた入会権の処分は効力を有しますか。
学生:共有の性質を有する入会権については,各地方の慣習よりも民法の規定が優先的に適用されますから,この慣習に基づいてされた処分は,共有物の処分に関する民法の規律に反するものとして,効力を有しません。

■教授:権利能力なき社団Aの代表者であるBが,Aを代表して,Cとの間で,Aの活動に充てるための資金として100万円を借り受ける金銭消費貸借契約を締結しました。この場合において,Bを含むAの構成員各自は,Cに対して,当該金銭消費貸借契約に基づく貸金返還債務を負いますか。
学生:権利能力なき社団の取引上の債務は,その社団の構成員全員に帰属することになるので,Bを含むAの構成員各自は,Cに対して,直接の貸金返還債務を負います。

■教授:ある団体が法人格を有しない社団すなわち権利能力なき社団であると認められるためには,どのような要件を満たす必要がありますか。
学生:団体としての組織を備え,多数決の原則が行われ,構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し,その組織において代表の方法,総会の運営,財産の管理その他団体として主要な点が確定しているものであることが必要です。

■教授:権利能力なき社団Aの資産である不動産について,これを登記するためにはどのような方法がありますか。
学生:A名義で登記をすることはできませんが,Aの構成員全員による共有名義で登記をすることや,Aの代表者であるBの個人名義で登記をすることは可能です。

2020年(令和2年)民法


問題 Aがその所有する甲土地をBに売却した場合に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■ Aが甲土地をBに売却した後、その旨の登記がされない間に、Aが死亡し、Aの唯一の相続人である子Cが甲土地を相続した場合には、Bは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなくても、Cに対し、甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

■ Bが甲土地を更にCに売却した場合には、Cは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなくても、Aに対し、甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

■ Aが甲土地をBに売却した後、その旨の登記がされない間に、更に甲土地をCに売却した場合において、AC間の売買の時点で、AB間の売買についてCが悪意であったときは、Bは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなくても、Cに対し、甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

■ Bは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなければ、甲土地を無権原で占有するCに対し、甲土地の明渡しを請求することができない。

■ Aが甲土地をBに売却した後、その旨の登記がされない間に、Cのために抵当権を設定した場合には、Bは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなくても、Cの抵当権が実行されて買受人となったDに対し、甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

2024年(令和6年)民法問2


問題 Aは,BからB所有の甲不動産を売却する代理権を与えられていないにもかかわらず,その事情について善意無過失のCとの間で,Bの代理人として甲不動産を1000万円で売却する旨の売買契約を締結し,Cから売買代金1000万円を受け取った。この事例に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ,BがAの無権代理行為の追認を拒絶した後,Bが死亡してその地位をAが単独で相続した場合には,Aは,Cから当該売買契約に基づく甲不動産の引渡請求をされても,Bの上記追認拒絶の効果を主張してCの請求を拒むことができない。

■CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ,Bが死亡してその地位をAが単独で相続した場合には,Aは,Cから当該売買契約に基づく甲不動産の引渡請求をされたときは,無権代理行為の追認を拒絶してCの請求を拒むことができない。

■CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ,Aが死亡してその地位をB及びAB間の子Dが共同で相続した後,Bが死亡してその地位をDが単独で相続した場合には,Dは,Cから当該売買契約に基づく甲不動産の引渡請求をされたときは,無権代理行為の追認を拒絶してCの請求を拒むことができない。

■CがAに対し無権代理行為による損害賠償として1000万円を請求したところ,Aが死亡してその地位をBが単独で相続した場合には,Bは,無権代理行為の追認を拒絶することにより,無権代理行為による損害賠償責任を免れることができる。

■CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ,Bが死亡してその地位をAが他の相続人とともに共同で相続した場合には,Aは,Cから当該売買契約に基づく甲不動産の引渡請求をされたときは,他の相続人とともに無権代理行為の追認を拒絶してCの請求を拒むことができる。

2010年(平成22年)民法


問題 相隣関係に関する次の記述のうち,判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■共有物の分割によって袋地を生じた場合に,袋地の所有者が,公道に至るため,他の分割者の所有する土地について有する通行権は,当該他の分割者の所有する土地に特定承継が生じた場合であっても,消滅しない。

■自動車による通行を前提とする囲繞地通行権は,囲繞地の所有者の承諾がなければ成立しない。

■他の土地及び水路によって囲まれており,水路を通行すれば公道に至ることができる土地の所有者は,公道に至るために,当該他の土地を通行することはできない。

■他の土地に囲まれて公道に通じない土地(以下「袋地」という。)の譲受人は,袋地について所有権の移転の登記を経由しなくとも,その袋地を囲んでいる他の土地(以下「囲繞地」という。)の所有者に対して,公道に至るため,囲繞地を通行することができる権利(以下「囲繞地通行権」という。)を主張することができる。

■囲繞地について囲繞地通行権を有する袋地の所有者が,囲繞地に通路を開設するためには,囲繞地の所有者の承諾を要する。

2020年(令和2年)民法


問題 次の事例のうち、判例の趣旨に照らしAがCに対して(Dが登場する書例ではDに対して)不動産又は動産の所有権を主張することができるか正誤を答えて下さい。

■Aは、自己所有の不動産の登記がBの名義になっていることを知りながら、この状態を事実上容認し、長期間放置していた。Bは、当該不動産の登記がBの名義になっていることを利用して、善意のCに当該不動産を売ってしまった。

■Aは、Bに強迫されて自己所有の不動産をBに売ったが、強迫状態を脱し、Bに対して売買契約を取り消すとの意思表示をした。しかし、取消しまでの間に、Bが善意のCに当該不動産を売ってしまっていた。

■Aは、B所有の不動産をBから購入したが、いまだ所有権の移転の登記を経由していなかった。Cは、この事情を十分に知りつつ専らAを害する目的で、当該不動産をBから購入して所有権の移転の登記を完了し、さらに、善意のDに当該不動産を転売し、Dへの所有権の移転の登記をした。

■Aは、B所有の動産をBから買ったが、後日持ち帰ることにして、当該動産をBに保管してもらっていた。しかし、Bは、善意のCにも当該動産を売ってしまい、Cの依頼を受けてCのために当該動産を保管していた。

■Aは、Bにだまされて自己所有の不動産をBに売ったが、Bの詐欺に気付き、Bに対して売買契約を取り消すとの意思表示をした。しかし、取り消しまでの間に、Bが善意かつ無過失のCに当該不動産を売ってしまっていた。

2007年(平成19年)民法


問題 Aには,その親族として,妻B,子C,父D,祖母F(既に死亡している母Eの母)及び孫G(Cの子)がいる場合において, Aについて相続が開始したときのAの相続人の範囲に関し正誤を答えて下さい。

■Aの死亡前にC及びGが既に死亡していた場合にはFは, Eに代わってAの相続人となる。

■Aの死亡前にAとBとが離婚しBがCの親権者と定められていた場合であっても, Cは, Aの相続人となる。

■Cは, Aの死亡前に故意にBを殺害しようとしたが未遂に終わった場合には,これにより刑に処せられたときであっても, Aの相続人となる。

■Cが相続の放棄をした場合にはGは, Cを代襲してAの相続人となる。

■AとCとが死亡しその死亡の先後が明らかでない場合には, Dは, Aの相続人となる。

2014年(平成26年)民法


問題 意思表示に関する記述のうち、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■ AがBと通謀してAの所有する甲土地をBに売却したように仮装し、AからBへの所有権の移転の登記がされた。その後、Bが死亡し、AB間の売却が仮装のものであることについて善意のCがBを単独で相続した場合には、Cは、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

■ AがBの詐欺により甲土地をBに売却した後、Bは、詐欺の事実について善意であるが、そのことについて過失があるCに甲土地を売却した。その後、Aが詐欺を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消した場合には、Cは、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができない。

■ AがBと通謀してAの所有する甲土地をBに売却したように仮装し、AからBへの所有権の移転の登記がされた。その後、Bから甲土地を買い受けたCが、AB間の売却が仮装のものであることについて善意であった場合には、Cは、BからCへの甲土地の所有権の移転の登記がされていなくても、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

■ AがBの強迫により甲土地をBに売却した後、Bは、強迫の事実について善意で、そのことについて過失がないCに甲土地を売却した。その後、Aが強迫を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消した場合には、Cは、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

■ AがBと通謀してAの所有する甲土地をBに売却したように仮装し、AからBへの所有権の移転の登記がされた。その後、甲土地が、Bから、AB間の売却が仮装のものであることについて善意のCに売却され、さらにCから、AB間の売却が仮装のものであることについて悪意のDに売却された場合には、Dは、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができない。

2022年(令和4年)民法問2


問題 不動産物権変動に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■AとBは甲土地を共有していたところ、Aはその共有持分をCに譲渡したが、その旨の登記はされていない。この場合に、Cは、Bに対して、甲土地の共有持分の取得を対抗することができる。

■A所有の甲土地がAからBに贈与されたが、その旨の登記がされる前にAは死亡した。その後、Aの唯一の相続人であるCは、甲土地をDに売却して、その旨の登記がされた。この場合に、Bは、Dに対して、甲土地の所有権取得を対抗することができる。

■A所有の甲土地がAからBに売却されたが、その旨の登記がされる前に、甲土地はAからC、CからDへと順次売却され、その旨の登記がされた。Bに対する関係で、Cは背信的悪意者であるがDは背信的悪意者ではない。この場合に、Bは、Dに対して、甲土地の所有権取得を対抗することができない。

■A所有の甲土地がAからBに売却されたが、その旨の登記はされていない。この場合に、Bは、権限なく甲土地を占有しているCに対して、甲土地の所有権取得を対抗することができない。

■A所有の甲土地をBが時効取得した後、その旨の登記がされる前に、Aは甲土地をCに売却してその旨の登記がされた。この場合に、Bは、Cに対して、甲土地の所有権取得を対抗することができない。

2008年(平成20年)民法


問 題 無効及び取消しに関して正誤を答えて下さい。

■ 買主が強迫を理由として売買契約を取り消したときは、当該契約は、初めから無効であったものとみなされる。

■ 取消権は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権者が取消権を有することを知った後でなければ、時効によって消滅することはない。

■ 売買契約が虚偽表示により無効である場合において、売主及び買主がそれぞれ無効であることを知って追認したときは、当該契約は、初めから有効であったものとみなされる。

■ 買主が売買契約を締結した当時に意思能力を有しなかったために当該契約が無効とされる場合には、売主は、買主に対し、当該契約に基づく目的物の引渡義務を負わない。

■ 未成年者が法定代理人の同意を得なければすることができない契約をその同意を得ることなく締結した場合において、当該法定代理人が当該契約を追認したときであっても、当該未成年者本人は、法定の期間内に相手方に対して意思表示をすることにより、当該契約を取り消すことができる。


2023年(令和5年)民法問1


問題 相隣関係に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■土地の所有者は、境界の付近において建物を修繕するため必要があるときであっても、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。

■境界線から50センチメートル以上の距離を保たないで建物の建築をしようとする者があるときであっても、建築に着手した時から1年を経過した後は、隣地の所有者は、その建築を中止させることができない。

■Aがその所有する土地を甲土地と乙土地とに分筆して甲土地をBに譲渡し、これにより甲土地が乙土地及びC所有の丙土地に囲まれた袋地公道に通じない土地となった場合において、Aが乙土地をDに譲渡したときは、Bは、公道に至るため、丙土地を通行することができる。

■土地の所有者が隣地の所有者と共同して境界標を設けるときは、その設置の費用は、双方の土地の広狭に応じて分担する。

■土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その枝を切り取ることができる。

2016年(平成28年)民法


問題 次の事例のうち,判例の趣旨に照らしAがBに対して土地の所有権を主張することが「できるか」・「できないか」について正誤を答えて下さい。

■未成年者Aは,法定代理人Cの同意を得ないで,A所有の土地をDに売却し,Dは,Aが未成年者でDへの売却についてCの同意を得ていないことを知らないBに対し,その土地を売却した。その後,CがAのDに対する売買の意思表示を取り消した。

■Bが所有する土地をCに売却して所有権の移転の登記をし,CがAにその土地を売却したが,その所有権の移転の登記をする前に,BがCの代金未払を理由にBC間の売買契約を解除した。

■Bが所有する土地をCに売却したが,所有権の移転の登記をしないうちに,CがAにその土地を売却した。

■Cが所有する土地をAに売却したが,所有権の移転の登記をしないうちに,Cの一般債権者Bがその土地について仮差押えをした。

■Cが所有する土地をAに売却したが,所有権の移転の登記をしないうちに,Bが権限がないのにその土地を占拠した。

2010年(平成22年)民法


問題 行為能力に関する次の記述のうち、正誤を答えて下さい。

■ 成年被後見人であるAがBから日用品を買った場合には、Aの成年後見人Cは、Aが成年被後見人であることをBが知っていたときに限り、当該日用品の売買契約を取り消すことができる。

■ 未成年者は、取り消すことができることを知って契約を締結した場合には、その契約を取り消すことができない。

■ 未成年者が法定代理人の同意を得ずにしたことを理由として法律行為を取り消すことができる場合には、その取消権の行使は、未成年者が単独ですることができる。

■ 被保佐人が保佐人の同意を得ずにしたことを理由として法律行為を取り消すことができる場合には、その法律行為の相手方は、保佐人に対し、その法律行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。

■ 成年後見人は、成年被後見人が後見開始の審判を受ける前に締結した契約について、その締結の時に既に後見開始の事由が存在していたことを証明して、取り消すことができる。

2024年(令和6年)民法問1


問題 相続が関係する物権変動に関し、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。(なお、DはBに対する関係で背信的悪意者に当たらないものとする)。

■Aが死亡し、その共同相続人であるBとCとの間でAの所有していた土地をBが単独で相続する旨の遺産分割協議が成立したが、その土地について、Bが遺産分割協議を前提とする相続登記をする前に、CがBとCを共同相続人とする相続登記をし、C名義の土地持分をDに譲渡し、その旨の登記をした場合、Bは、Dに対し、当該土地持分の取得を対抗することができる。

■Aが死亡し、BとCがAを共同相続したが、Cが、Aの所有していた土地について、勝手に、Cが単独で取得する旨の相続登記をしてこれをDに譲渡し、その旨の登記をした場合、Bは、Dに対し、相続分に応じた土地持分の取得を対抗することができる。

■Aがその所有する土地をBに譲渡したが、その旨の登記をしないまま死亡し、Aを相続したCがその土地について相続登記をしてこれをDに譲渡し、その旨の登記をした場合、Bは、Dに対し、土地所有権の取得を対抗することができる。

■Aがその所有する土地をBに遺贈する旨の遺言をした後に死亡したが、Bがこれに基づく登記をしない間に、Aを相続したCの債権者Dが代位によりその土地について相続登記をしてこれを差し押さえた場合、Bは、Dに対し、土地所有権の取得を対抗することができる。

■Aが死亡した後、その法定相続人であるBとCのうちCが適法に相続を放棄したが、Aの所有していた土地について、この放棄を前提とする相続登記がされる前に、Cの債権者Dが代位によりBとCを共同相続人とする相続登記をし、C名義の土地持分を差し押さえた場合、Bは、Dに対し、当該土地持分の取得を対抗することができる。

2006年(平成18年)民法


問題 公道に至るための他の土地の通行権に関し,判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

甲土地,乙土地及び丙土地の位置関係は,下図のとおりであり,甲土地から公道に出るためには,乙土地を通行するより丙土地を通行する方が損害が少ないものとする。

道路

■Cが乙土地及び丙土地を所有している場合において,所有者であるAから甲土地を譲り受けたBが甲土地についてAから所有権の移転の登記を得ていないときは,Bは,乙土地及び丙土地のいずれについても通行権を主張することができない。

■Bが丙土地を所有している場合において,必要があるときは,甲土地を所有するAは,Bが所有する丙土地に公道に至るための通路を開設することができるが,甲土地の地上権者であるCは,丙土地に公道に至るための通路を開設することができない。

■Cが丙土地を所有し,Aがその所有に係る甲土地及び乙土地のうち乙土地について抵当権を設定していた場合において,当該抵当権の実行としての競売による競落により,Bが乙土地を取得したときは,Aは,乙土地について通行権を主張することができる。

■Dが丙土地を所有している場合において,Aが所有する一筆の土地を甲土地と乙土地に分筆して,甲土地をBに譲渡し,その後,乙土地をCに譲渡したときは,Bは,乙土地について通行権を主張することができる。

■Cが丙土地を所有している場合において,Aが所有する一筆の土地を甲土地と乙土地に分筆して,乙土地をBに譲渡したときは,Aは,乙土地について通行権を主張することができない。

2010年(平成22年)民法


問題 次の対話は,不動産の物権変動に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する正誤を答えて下さい。

■教授: Cが占有しているA所有の土地をAがBに売却し,AからBへの所有権の移転の登記がされた後,Cにつき当該土地の取得時効が完成して,Cが時効を援用した場合,Cは,Bに対し,登記なくして当該土地の所有権を主張することができ ますか。
学生: はい。Cは,Bに対し,当該土地の所有権を主張することができます。

■教授:A所有の土地をAがBに売却したが,AからBへの所有権の移転の登記がされる前に,Cが権原なく当該土地の占有を開始した場合,Bは,Cに対し,登記なくして当該土地の所有権を主張することができますか。
学生: はい。Bは,Cに対し,当該土地の所有権を主張することができます。

■教授: A所有の土地をBがCに売却し,その後BがAから当該土地を買い受けた場合において,いずれの売買契約にも所有権の移転時期や方法に関する特約がないときは,当該土地の所有権は,いつの時点でCに移転しますか。
学生: BがAから当該土地を買い受け,かつ,AからBへの所有権の移転の登記がされた時点で,Cに当該土地の所有権が移転することになります。

■教授: A所有の土地をAがBに売却した後AからBへの所有権の移転の登記がされる前に,Bからその登記の申請を受任していたCが,Aから当該土地を買い受け,AからCへの所有権の移転の登記がされた場合,Bは,Cに対し,登記なくして当該土地の所有権を主張することができますか。
学生: はい。Bは,Cに対し,当該土地の所有権を主張することができます。

■教授: A所有の土地をAがBに売却し,AからBへの所有権の移転の登記がされた後,Aが,Bの債務不履行により,当該売買契約を解除しました。しかし,その解除後,BがCに当該土地を売却し,BからCへの所有権の移転の登記がされた場合,Aは,Cに対し,登記なくして当該土地の所有権を主張することができますか。
学生: はい。Aは,Cに対し,当該土地の所有権を主張することができます。

2017年(平成29年)民法


問題  Aについて相続が開始し、その親族が妻B及び子Cのみである場合の相続に関する記述のうち、正誤を答えて下さい。

■ Bが相続の放棄をした場合には、Bは、Aの相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされる。

■ B及びCが相続人となる場合には、Bのみが単独で、限定承認をすることができる。

■ BがAを強迫してAに相続に関する遺言をさせ、その後、Aについて相続が開始したときは、Bは、Aの相続人となることができない。

■ Cが相続の放棄をした場合には、それがBの強迫によるものであっても、Cは、強迫を理由として相続の放棄を取り消すことができない。

■ Bが自己のために相続の開始があったことを知った時から法定の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかった場合には、Bは、単純承認をしたものとみなされる。

2022年(令和4年)民法問3


問題 甲土地がAからBへ、BからCへと順次譲渡された場合に、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■甲土地の所有権の登記名義人がいまだAのままである場合にはCは Bの相続人であるDに対し,甲土地の所有権を主張することができない。

■AとBとの間の売買契約に基づいてAからBへ甲土地の所有権の移転の登記がされた場合においてAがBによる詐欺を理由としてその売買契約に係る意思表示を取り消した後、 Bへの所有権の移転の登記を抹消する前に BからCへの甲土地の譲渡が行われていたときはCは自己への所有権の移転の登記をしなければAに対し甲土地の所有権を主張することができない。

■甲土地の所有権の登記名義人がいまだAのままである場合であってもCはAに対し,甲土地の所有権を主張することができる。

■甲土地の所有権の登記名義人がいまだAのままである場合にはCは Bに対する登記請求権を保全するためであってもBに代位してAに対しBへの所有権の移転の登記手続を請求することができない。

■甲土地の所有権の登記名義人がいまだAのままである場合において A、 B及びCの三者間でAからCへ直接登記名義を移転する旨の合意をしたときは Bの債権者であるEは,自己の債権を保全するためBに代位してAに対し Bへの所有権の移転の登記手続を請求することができない。

2012年(平成24年)民法


問題 Aを被相続人とする代襲相続に関する正誤を答えて下さい。

■Aの子BがAの死亡の後にAの相続を放棄した場合には, Bの子Cは, Bを代襲してAの相続人となる。

■Aの子Bが故意にAを死亡するに至らせたために刑に処せられた場合には, Bの子Cは, Bを代襲してAの相続人となる。

■Aが家庭裁判所に請求してその子Bについて推定相続人の廃除をした後に死亡した場合には, Bの廃除後からAの死亡時までの間に出生したBの子Cは, Bを代襲してAの相続 人となる。

■Aの死亡時に, その直系卑属がなく, かつ, Aの父Bは既に死亡している場合には, Bの母Cは, Bを代襲してAの相続人となる。

■Aの相続人となるべき者が兄Bのみである場合において, B及びBの子CがAの死亡時に既に死亡しているときは, Cの子Dは, B及びCを代襲してAの相続人となる。

2018年(平成30年)民法


問題 意思表示に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■AとBとが通謀して,A所有の甲土地をBに仮装譲渡して所有権の移転の登記をし,さらに,Bが仮装譲渡の事実を知らないCに甲土地を転売し,その後,Cが仮装譲渡の事実を知っているDに甲土地を転売した場合には,Aは,Dに対して甲土地の所有権を主張することはできない。

■Aが,A所有の甲土地を売却するに当たり,Bにその代理権を与えていたところ,Bが,売買代金を着服する意図で,甲土地をCに売却した場合において,Cが,Bの着服の意図を知らなくても,その意図を知ることができたときは,Aは,当該売買契約の無効を主張することができる。

■Aが,Bにだまされて,A所有の甲土地をCに売却した場合には,CがBによるAに対する詐欺につき善意かつ無過失(過失がなかった)であったときであっても,Aは,AC間の売買契約を取り消すことができる。

■Aが,A所有の甲土地を売り渡すつもりで,錯誤によりA所有の乙土地をBに対して売り渡した場合には,Aに重大な過失があるときであっても,Bは,当該売買契約の取り消しを主張することができる。

■Aが,Bに強迫されて,A所有の甲土地をBに売り渡して所有権の移転の登記をし,さらに,Bが事情を知らないCに甲土地を転売して所有権の移転の登記をした場合には,Aがその後にAB間の売買契約を強迫を理由として取り消したとしても,Aは,Cに対して甲土地の所有権を主張することはできない。


2011年(平成23年)民法


問 題 遺言に関して、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■ 遺言者が前の遺言と抵触する遺言をしたときは、前の遺言のうち抵触する部分は、後の遺言によって撤回されたものとみなされる。

■ 夫婦は、同一の証書により共同で遺言をすることができる。

■ 遺言の全文、日付及び氏名がカーボン紙を用いて複写の方法で記載された自筆証書遺言は、無効である。

■ 遺言執行者の指定は、第三者に委託することができない。

■ 遺言者の推定相続人は、公正証書遺言の証人となることができない。


2023年(令和5年)民法問3


問題 共有に関して判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■A、B及びCが共有し、所有権の登記名義人となっている土地(持分は各3分の1)について、AがB及びCに無断で自己の単独名義への所有権の移転の登記をした場合には、Bは、Aに対して、Cの持分については所有権移転の登記の抹消登記手続請求することができない。

■A及びBが共有し、所有権の登記名義人となっている土地(持分はAが3分の2、Bが3分の1)について、AがBに無断で宅地造成工事をして当該土地に変更を加えたときは、当該土地の原状の回復が可能であったとしても、Bは、Aに対して、当該土地の原状回復を請求することができない。

■A及びBが共有し、所有権の登記名義人となっている土地(持分はAが3分の2、Bが3分の1)について、A及びBが共同してCに賃貸している場合において、債務不履行を理由とする賃貸借契約の解除は、Aが単独ですることができる。

■A及びBが共有し、所有権の登記名義人となっている土地(持分は2分の1)がCにより不法に占有されたことを理由として、Aが、Cに対して、その損害賠償を求める場合には、Aは、Bの持分の割合に応じた部分も含めた損害全部につきこれを請求することができる。

■A及びBが共有し、所有権の登記名義人となっている土地(持分はAが3分の2、Bが3分の1)について、CがBのみの承諾を得て占有している場合には、Aは、Cに対して、当該土地の全部の明渡しを請求することができる。

2015年(平成27年)民法


問題 占有訴権に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■建物の賃貸借契約が終了したにもかかわらず、賃借人Aが建物の占有を継続する場合には、賃貸人Bは、Aに対し、占有回収の訴えにより、建物の返還を請求することができる。

■AがBに無断でBの所有する土地上に建物を建築して占有している場合において、 Bが当該建物を解体するために重機を当該土地に持ち込もうとしているときは、Aは、Bに対し、占有保全の訴えにより、建物の解体の予防を請求することができる。

■Aが自宅の庭先に置いていた自転車をBが盗んで乗り回し、その後、これをCに売り渡した場合には、Aは、Cが占有を始めた時から1年以内であれば、占有回収の訴えにより、自転車の返還を請求することができる。

■Aが占有する土地に隣接地の樹木が倒れてくるおそれがある場合には、A は隣接地の所有者であるBに対し、占有保全の訴えにより、樹木が倒れないようにするための予防措置を講ずるとともに損害賠償の担保を供与することを請求できる。

■Aが占有する建物の占有をBが奪い、その後、これをCに貸与した場合であっても、Aは、なおBに対し占有回収の訴えにより建物の返還を請求することができる。

2007年(平成19年)民法


問題 任意代理に関する正誤を答えて下さい。

■Aから何らの代理権も与えられていないBが,Aのためにすることを示して,A所有の不動産をCに売却した場合において,Cが,Bに売買契約を締結する代理権があると信じ,そのように信じたことに正当な理由があるときは,表見代理が成立する。

■本人Aの許諾を得て任意代理人Bが復代理人Cを選任した場合には,Cの行為によりAに不利益が生じたときであっても,Bは,Aに対し,責任を負うことはない。

■Aの任意代理人Bが,Aのためにすることを示して,Cからその所有する建物を買い受けた場合において,Bが当該建物に瑕疵があることを知っていたときは,Aは,Cに対し,売主の瑕疵担保責任を問うことができない。

■代理権を有しない者がした契約の本人による追認は,その契約を相手方が取り消した後は,することができない。

■未成年者も任意代理人になることができるが,未成年者のした代理行為は,その法定代理人が取り消すことができる。

2017年(平成29年)民法


問題 占有権に関し,判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■悪意の占有者であってもその占有を奪われたときは占有回収の訴えを提起することができる。

■善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは,その占有の開始の時から悪意の占有者とみなされる。

■法人の代表者が建物を当該法人の機関として占有しつつ,当該代表者個人のためにも占有していた場合には,当該代表者は,その占有を奪われたときであっても,当該代表者個人として占有回収の訴えを提起することができない。

■代理人によって占有をする場合において,本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ,その代理人がこれを承諾したときは,その第三者は,占有権を取得する。

■代理人によって占有をする場合における占有の善意又は悪意は,その代理人について決する。

2013年(平成25年)民法


問題 法律行為に付された条件に関し,判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■「Aが大学に合格したら, BはAに対しB所有の乙建物を贈与する。」旨の契約をA及びBが締結した場合において, Cの放火により乙建物が滅失したときは, Aは,大学に合格する前であっても, Cに対し乙建物の価値相当額の損害の賠償を請求することができる。

■「Aが結婚したら, Bは, Aに対し, B所有の甲土地を贈与する。」旨の契約をA及びBが締結した場合には当事者は甲土地について条件付所有権の移転の仮登記をすることができる。

■甲土地の買主が甲土地の売買代金の支払を遅滞している場合において,売主がした「2週間以内に甲土地の売買代金を支払わないときは,売買契約を解除する。」旨の意思表示は,単独行為に条件を付すものであるから,無効となる。

■「Aが大学で進級することができなかったら, Bは, Aに対して支払ってきた奨学金をその後は支払わない。」旨の契約をA及びBが締結した場合において, Aが大学で進級することができなかったときは, BはAが大学で進級することができなかったことを知らなくても, Aに対して奨学金を支払う義務を免れる。

■農地の売買契約において「農業委員会の許可を受けなければ,農地の所有権は移転しない。」旨の条項を設けた場合において,売主による故意の妨害行為があったために農業委員会の許可を受けることができなかったときは買主は,農業委員会の許可を受けたものとみなして,当該農地の所有権を取得することができる。

2012年(平成24年)民法


問題  Aが所有し,所有権の登記名義人である甲土地についての物権的請求権に関するもので判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■Bが甲土地に地役権を有する場合において,Cが違法に,かつ,恒常的に甲土地に自動車を駐車し,Bによる地役権の行使を妨げ,地役権を侵害しているときは,Bは,地役権に基づき,Aに対してはCによる地役権侵害行為を禁止するために必要な措置をとるように求めることはできるが,Cに対しては地役権侵害行為の禁止を求めることはできない。

■Cは,乙動産を所有するBに無断で乙動産を持ち出し,A及びBに無断で甲土地上に乙動産を放置した。この場合において,Aが甲土地の所有権に基づき乙動産を所有するBに対して乙動産の撤去を請求したときは,Bは、乙動産を放置したのがCであることを理由に,その請求を拒絶することができない。

■Bは,Aに無断で、甲土地上に乙建物を建て,乙建物につきBを所有権の登記名義人とする所有権の保存の登記をした。その後,Bは、Cに対し、乙建物を売却し,Cが乙建物の所有権を取得したが,乙建物の所有権の登記名義人は,Bのままであった。この場合において,Aは甲土地の所有権に基づき,Bに対しては乙建物の収去を求めることができるが,Cに対しては乙建物の収去を求めることはできない。

■Bは,20年間,所有の意思をもって,平穏に,かつ,公然と甲土地を占有していた。この場合において,Bが取得時効を援用した後は,Aは,Bに対して,甲土地につき,所有権に基づく物権的請求権を行使することができない。

■Aは,Bに対し、甲土地を売却し,Bが甲土地の所有権を取得したが,甲土地の所有権の登記名義人は,Aのままであった。この場合において,甲土地をCが違法に占有しているときは,Bは,甲土地の所有権に基づき,Cに対し,甲土地の明渡しを求めることができる。

2019年(令和元年)民法


問題 民法上の代理又は無権代理に関する次の記述のうち,判例の趣旨に照らし,正誤を答えて下さい。

■ Bが,Aから与えられていた代理権限を越えて,Aの代理人としてCとの間で契約を締結した場合において,CがBに権限があると信ずべき正当な理由があるが,Cがそのように信ずるに至ったことについてAに過失がないときは,Aは,Bの行為について,表見代理による責任を負わない。

■ Aから何らの代理権を与えられていないBが,Aの代理人と称してCとの間で契約を締結した場合には,Cは,AがCに対して追認をした後であっても,その契約を取り消すことができる。

■ Aからの委任により代理人となったBは,やむを得ない事由がある場合には,Aの許諾を得ることなく,復代理人を選任することができる。

■ 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は,相手方において代理人が本人のためにすることを知り,又は知ることができたときを除き,代理人自身のためにしたものとみなされる。

■ Aが未成年者Bを代理人に選任し,BがAのためにすることを示してCに意思表示をした場合には,Aは,Bが未成年者であることを理由として,その意思表示を取り消すことはできない。

2021年(令和3年)民法第1問


問題 遺産分割に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■相続人は、遺産分割の間は相続開始の時に存した 金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の3分の1に自己の相続分を乗じた額(法務省令で定める額を限度とする。)については単独でその権利を行使することができる。

■共同相続人間において遺産分割協議が成立した場合に、相続人の一人がその協議において負担した債務を履行しないときは、その債権を有する相続人は、債務不履行を理由としてその協議を解除することができる。

■被相続人は、遺言で、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることはできない。

■相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合に、他の共同相続人において既に遺産分割協議が成立していたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。

■相続財産中に可分債権があるときは、その債権は相続開始の時に法律上当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継する。

2016年(平成28年)民法


問題 地上権に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■地上権者は、設定契約において特段の定めがない場合であっても、土地の所有者に対して地代の支払義務を負い、その場合の地代の額は、当事者の請求により裁判所が定める。

■地上権を時効によって取得するためには、土地の継続的な使用という外形的事実が存在し、かつ、その使用が地上権行使の意思に基づくものであることが客観的に表現されていることが必要である。

■工作物の所有を目的として設定された地上権は、設定後にその工作物が滅失したときは、消滅する。

■定期の地代を支払うべき地上権者が、引き続き2年以上地代の支払を怠ったときは、土地の所有者は、地上権の消滅を請求することができる。

■地上権者は、土地の所有者の承諾を得ないで、地上権を譲渡し、又は地上権を目的とする抵当権を設定することができる。

2009年(平成21年)民法


問題 次の対話は、甲建物の賃借人をA、所有者兼賃貸人をBとした場合の甲建物等の所有権の取得に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対し、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■教授:AがBの同意を得てAが提供した材料を用いて出窓を増築した場合において、AB間に所有権の取得について特約がないときは、出窓の所有権の帰属は、どうなりますか。
学生:出窓には独立性が認められないので、AがBの同意を得ていても、出窓の所有権は、Bに帰属します。

■教授:では、AがBの同意を得ないで甲建物に改装をした結果、改装前に1.000万円であった甲建物の価格が改装後に3.000万円となった場合には、甲建物の所有権の帰属は、どうなりますか。
学生:AがBの同意を得ていなくても、改装によって甲建物の価値が倍以上に増加していますから、甲建物の所有権は、Aに帰属します。

■教授:AがBの同意を得ないで甲建物の一室にエアコンを設置した場合には、エアコンの所有権の帰属は、どうなりますか。
学生:AがBの同意を得ていないので、Bが所有権を取得します。

■教授:ところで、Aが増築した部分の所有権をBが取得することとなる場合に、AはBに対し、金銭の支払を請求することができますか。
学生:その場合であっても、Aは、当該部分を継続して使用することができますので、Bに対しての金銭の支払いを請求することはできません。

■教授:AがBの同意を得て、平屋の甲建物の2階として、独立した玄関口があり、かつ、1階とは内部で通じていない居宅を増築した場合において、AB間に所有権の取得について特約がないときは、甲建物の2階部分の所有権の帰属はどうなりますか。
学生:甲建物の2階部分が独立性を有し、区分所有権の対象となる場合には、Aがその所有権を取得します。

2005年(平成17年)民法


問題 時効に関して、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■取得時効が成立するためには、他人の物を占有することが必要であり、自己の所有物を占有しても、その占有者は、所有権を時効取得しない。

■取得時効が成立するためには、所有の意思をもって物を占有することが必要であり、賃借の意思をもって物の占有を継続しても、その占有者は、権利を時効取得しない。

■物の所有者は、その物に対する所有権を消滅時効によって失うことはないが、他人が当該所有権を時効取得した場合には、当該所有権を失う。

■物の所有者がその物を占有している者に対して所有権に基づく引渡請求の訴えを提起した場合には、取得時効が中断するが、その訴えが却下されたときは、時効中断の効力は生じない。

■物の所有者は、その物を不法に占有する者に対し、所有権に基づく妨害排除請求権を有するが、不法占有の開始時から10年間当該請求権を行使しなかった場合には、当該請求権は、時効により消滅する。

2004年(平成16年)民法


問題 AがBに対して100万円を貸し付けた後その返還期日を経過した事例に関するもので判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■時効の完成後にBがAに対して債務の承認をしたときは、Bは、その後その時効の援用をすることができない。

■AがBに対して、貸金の返還の催告をした後、その6か月以内に再び催告をしたときは、その時から6か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

■AがBに対して貸金返還請求の訴えを提起した場合には、その訴訟手続におけるAの権利行使の意思の表示は、その訴えが取り下げられたときにおいても、Bに対する催告として効力を有するため、訴えの取り下げの時から6か月を経過するまでの間は、時効は完成しない。

■AのBに対する貸金返還請求を認容する判決が確定したときは、裁判上の請求によって更新した時効は、当該判決が確定した時から、新たにその進行を始める。

■時効の完成前にBがAに対して債務の一部弁済として50万円を支払ったときは、当該債務の残部について時効の更新の効力は生じない。

2016年(平成28年)民法


問題 遺産分割に関し判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは次のうちどれか。

■遺産分割協議が成立したが、相続人Aがこの協議において相続人Bに対して負担した債務を履行しない場合には、Bは、遺産分割協議を解除することができる。

■遺産分割協議が成立した後であっても、共同相続人全員の合意で分割協議を解除した上で再度分割協議を成立させることができる。

■被相続人が「甲不動産は相続人Cに相続させる」との遺言をしていた場合であっても、他の相続人が甲不動産を取得することとし、Cは遺産中の他の財産を取得することとする旨の遺産分割をすることができる。

■相続放棄をした者は、他の共同相続人の同意があったとしても、遺産分割協議の当事者となることができない。

■相続財産中の不動産につき、遺産分割により法定相続分と異なる権利を取得した相続人は、登記を経なくても、当該分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、当該分割による権利の取得を対抗することができる。

2009年(平成21年)民法


問題 意思表示について正誤を答えて下さい。

■AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、Aの意思表示がBの強迫によるものであった場合において、Cが、Bから当該土地を買い受け、かつ、強迫の事実について善意であるときは、Aは、Cが買い受けた後、Bに対する意思表示を取り消しても、当該取消しをCに対抗することができない。

■AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、Aの意思表示がBの詐欺によるものであった場合には、Aは、当該意思表示を取り消すことができる。

■ AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、当該契約がAとBとが通謀して行った虚偽のものであった場合において、Cが当該契約の有効性を過失なく信じてBから当該土地を買い受けたときは、Aは、Cに対し、当該契約が無効であることを主張することができない。

■AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、Aが真意では売り渡すつもりがなかった場合において、BがAの真意を知っていたときは、当該契約は、無効である。

■AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、Aの意思表示について法律行為の要素に錯誤があった場合において、Aに重大な過失があったときは、Aはその意思表示の無効を主張することができない。

2005年(平成17年)民法


問題 遺留分に関して正誤を答えて下さい。

■遺留分権利者は、相続開始後に限り、自己の遺留分を放棄することができる。

■遺留分の減殺請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年で消滅するほか、相続開始の時から10年で消滅する。

■被相続人の遺贈によって遺留分を侵害された相続人は、受贈者に遺留分の減殺を請求したが、受贈者が無資力であったために損失を被った場合には、他の共同相続人に対し、相続分に応じて担保責任を追及することができる。

■減殺されるべき遺贈及び贈与があるときは、まず遺贈を減殺し、次いで贈与を減殺するが、減殺されるべき遺贈が数個あるときは、遺贈の目的の価額に応じて減殺し、減殺されるべき贈与が数個あるときは、後の贈与から順に減殺する。

■被相続人の配偶者及び直系尊属が相続人となる場合には、配偶者の遺留分は被相続人の財産の2分の1、直系尊属の遺留分は被相続人の財産の3分の1となる。

2004年(平成16年)民法


問題 A所有の甲土地についての取得時効に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■Bは,甲土地が自己の所有する物であると過失なく信じ,所有の意思をもって,平穏に,かつ,公然と甲土地の占有を開始したものの,それから10年が経過する前に当該占有が隠匿のものとなった場合には,当該占有の開始から10年間占有を継続しても,甲土地の所有権を時効によって取得することはできない。

■Bは,甲土地がAの所有する物であることを知りながら,所有の意思をもって,平穏に,かつ,公然と甲土地の占有を始め,その4年後,甲土地がBの所有する物であると過失なく信じたCに対して甲土地を売却した。この場合において, Cは,所有の意思をもって,平穏に,かつ,公然と甲土地の占有を始め,それから6年が経過したときには甲土地の所有権を時効により取得することができる。

■Bは,甲土地を無権利者Cから賃借した場合には,甲土地の賃借権を時効によって取得することはできない。

■Bは,甲土地が自己の所有する物であると過失なく信じ,所有の意思をもって,平穏に,かつ,公然と甲土地の占有を開始し,その3年後,甲土地がAの所有する物であることを知っているCに対して甲土地を売却した。この場合において, Cは,所有の意思をもって,平穏に,かつ.公然と甲土地の占有を始め,それから7年が経過したときには,甲土地の所有権を時効によって取得することができる。

■Bは,甲土地を無権利者Cから買い受け,甲土地が自己の所有する物であると過失なく信じ,所有の意思をもって,平穏に,かつ,公然と甲土地の占有を開始したものの,それから10年が経過する前に甲土地がAの所有する物であることを知った場合には,当該占有の開始から10年間占有を継続しても,甲土地の所有権を時効によって取得することはできない。

2013年(平成25年)民法


問題  遺言について,判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■遺言者が口がきけない者である場合には,公正証書遺言を利用することはできない。

■自筆証書遺言の作成日付を「平成31年1月吉日」と記載した遺言も有効である。

■自筆証書遺言については,印章に代えて,指頭に朱肉を付けて押捺することができる。

■AとBが同一の紙面にそれぞれの遺言と日付を記載した場合において,その紙面にAが署名押印をし,Bが署名押印をしていないときは,A単独の遺言として有効となる。

■未成年者であっても,15歳に達していれば,法定代理人の同意がなくとも,有効な遺言をすることができる。

2019年(令和元年)民法


問題 詐欺又は脅迫による意思表示に関して判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■Aが、Bの詐欺により、Bからその所有する土地を買い受け、BからAへの所有権の移転の登記がされた後、Aが、Bに欺罔されていることを知らないまま、当該土地にCを抵当権者とする抵当権を設定し、その登記がされた場合において、Cが当該抵当権の設定時にBによる詐欺の事実について善意かつ無過失であったときは、Aは、詐欺を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消すことができない。

■AがBに欺罔された結果、法律行為の要素に錯誤を生じて意思表示をした場合には、Aは、詐欺による意思表示の取り消しを主張することはできるが、錯誤による意思表示の取消しを主張することはできない。

■AのBに対する意思表示が第三者Cの強迫によりされた場合には、Bがその事実を知らないときであっても、Aは、強迫を理由としてその意思表示を取り消すことができる。

■Aの代理人Bが相手方Cを欺罔して、Cが所有する土地をAに売り渡す旨の売買契約を締結させた場合には、AがBによる詐欺の真実について善意かつ無過失であっても,Cは、詐欺を理由としてその意思表示を取り消すことができる。

■AがBの強迫によりその所有する土地をBに売却し、AからBへの所有権の移転の登記がされた場合において、その後、BがCに当該土地を転売した後に、Aが強迫を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消したときは、Aは、Bへの所有権の移転の登記を抹消しない限り、Cに対して所有権を主張することができない。

2015年(平成27年)民法


問題 成年後見,保佐又は補助に関し正誤を答えて下さい。

■本人以外の者の請求により後見開始,保佐開始又は補助開始の審判をする場合には,いずれの場合も本人の同意がなければならない。

■成年後見人は財産に関する法律行為一般について代理権を有し保佐人及び補助人は家庭裁判所の審判により付与された特定の法律行為について代理権を有する。

■被保佐人が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは,その行為を取り消すことができない。

■成年被後見人は,意思能力のある状態で日常生活に関する法律行為をした場合であっても,その法律行為を取り消すことができる。

■成年被後見人が事理を弁識する能力を欠く状況にないこととなった場合には,後見開始の審判は直ちに失効し成年被後見人は行為能力を回復する。

2014年(平成26年)民法


問題 不動産質に関し正誤を答えて下さい。

■質権者は、質権設定者の承諾を得なければ、質権の目的である不動産について転質をすることができない。

■質権は、金銭以外の物の引渡請求権を被担保債権として、設定することができる。

■質権者は、質権設定者の承諾を得なければ、質権の目的である不動産の使用及び収益をすることができない。

■質権者は、被担保債権の全部の弁済を受けるまでは、質権の目的である不動産の全部についてその権利を行使することができる。

■同一の不動産について数個の質権が設定されたときは、その質権の順位は、登記の前後による。

2008年(平成20年)民法


問題 遺言に関し判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■遺言は要式行為であるから、遺言の解釈に当たっては、遺言者の真意を探求すべきではなく、遺言書の文言のみを形式的に判断しなければならない。

■負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。

■未成年者に対して最後に親権を行う者であって管理権を有するものは、遺言で、未成年後見人を指定することができる。

■被相続人は、遺言で、共同相続人中の一人又は数人の相続分のみを定めることはできない。

■遺言者は、遺言で、遺言執行者を指定することができる。

2015年(平成27年)民法


問題 次の記述は、無効な法律行為と取り消すことができる法律行為に関するものである。これらの記述のうち、「この法律行為」が取り消すことができる法律行為のみを指しているものの正誤を答えて下さい。

■この法律行為により金銭債務を負担した債務者がその金銭の支払をした後であっても、債務者は、支払った金銭の返還を請求することができる。

■この法律行為は、だれでもその効力がない旨を主張することができる。

■成年被後見人がした法律行為は、原則としてこの法律行為である。

■この法律行為は、その効力がない旨の主張をした時から将来に向かってのみ、効力を失う。

■この法律行為は、行為の後一定の期間が経過することにより、確定的に有効となる場合がある。

2008年(平成20年)民法


問題 A、B及びCが甲建物の持分を3分の1ずつ共有している場合に関し、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。

■A、B及びCがEに対して甲建物を賃貸した場合において、Eが賃料を長期にわたって支払わないときは、Aは、単独でEとの賃貸借契約を解除することができる。

■AがB及びCの了解を得ることなくGに対して甲建物を賃貸している場合には、B及びCは、Gに対し、直ちに甲建物の明渡しを請求することができる。

■AがB及びCの了解を得ることなく単独で甲建物を占有している場合には、B及びCは、Aに対し、直ちに甲建物の明渡しを請求することができる。

■Dが甲建物を権限なく占有している場合には、Aは、Dに対し、単独で甲建物の明渡しを請求することができる。

■Aは、Fに対する債務を担保するため、甲建物の自己の持分について抵当権を設定することができる。

2005年(平成17年)民法


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