トップページ> 土地家屋調査士過去問題2022年(令和4年)
土地家屋調査士過去問題2022年(令和4年)
第 1 問 制限行為能力者に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
ア ○ 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。(民21)
イ 時効の期間満了前6か月以内の間に成年被後見人に成年後見人がない場合には、その成年被後見人が行為能力者となった時又は成年後見人が就職した時から6か月を経過するまでの間は、その成年被後見人に対して、時効は完成しない。
イ ○ 時効の期間満了前6か月以内の間に成年被後見人に成年後見人がない場合には、その成年被後見人が行為能力者となった時又は成年後見人が就職した時から6か月を経過するまでの間は、その成年被後見人に対して、時効は完成しない。(民158.1)
ウ 被保佐人が第三者のために保証人となる場合には、保佐人の同意を得る必要はない。
ウ × 被保佐人が第三者のために保証人となる場合には、保佐人の同意を得る必要がある。(民13.1.2)
エ 本人以外の者の請求により保佐開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
エ × 保佐開始の審判をすることができる場合とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者について、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。
しかし本人以外の者の請求により保佐開始の審判をするには、本人の同意がなければならないという規定はない。(民11)
オ 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始の審判を取り消さなければならない。
オ ○ 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始の審判を取り消さなければならない。
(民19.1)
第 2 問 意思表示に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。
ア AがBと通謀してAの所有する甲土地をBに売却したように仮装し、AからBへの所有権の移転の登記がされた。その後、Bから甲土地を買い受けたCが、AB間の売却が仮装のものであることについて善意であった場合には、Cは、BからCへの甲土地の所有権の移転の登記がされていなくても、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができる。
ア ○ 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効となる。この場合、意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。Cは、善意の第三者になるので登記することなくA及びBに対抗することができる。(民94.2)
イ AがBと通謀してAの所有する甲土地をBに売却したように仮装し、AからBへの所有権の移転の登記がされた。その後、Bが死亡し、AB間の売却が仮装のものであることについて善意のCがBを単独で相続した場合には、Cは、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができる。
イ × AがBと通謀してAの所有する甲土地をBに売却したように仮装し、AからBへの所有権の移転の登記がされた。その後、Bが死亡し、AB間の売却が仮装のものであることについて善意のCがBを単独で相続した場合には、Cは、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができない。
Bから相続を受けたCは第三者にならないので保護されない。(最判昭和42.6.29)
ウ AがBと通謀してAの所有する甲土地をBに売却したように仮装し、AからBへの所有権の移転の登記がされた。その後、甲土地が、Bから、AB間の売却が仮装のものであることについて善意のCに売却され、さらにCから、AB間の売却が仮装のものであることについて悪意のDに売却された場合には、Dは、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができない。
ウ × AがBと通謀してAの所有する甲土地をBに売却したように仮装し、AからBへの所有権の移転の登記がされた。その後、甲土地が、Bから、AB間の売却が仮装のものであることについて善意のCに売却され、さらにCから、AB間の売却が仮装のものであることについて悪意のDに売却された場合でも、善意のCに売却されれば悪意のDはその地位を承継することになるのでAに対抗することができる。(民94.2)
エ AがBの詐欺により甲土地をBに売却した後、Bは、詐欺の事実について善意であるが、そのことについて過失があるCに甲土地を売却した。その後、Aが詐欺を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消した場合には、Cは、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができない。
エ ○ 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。(民96)
相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。(民96.2)
前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。(民96.3)
AがBの詐欺により甲土地をBに売却した後、Bは、詐欺の事実について善意であるが、そのことについて過失があるCに甲土地を売却した。その後、Aが詐欺を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消した場合、Cは、「善意でかつ過失がなければ」Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することはできるが、「善意でも過失があれば」Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することはできない。
オ AがBの強迫により甲土地をBに売却した後、Bは、強迫の事実について善意で、そのことについて過失がないCに甲土地を売却した。その後、Aが強迫を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消した場合には、Cは、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができる。
オ × 詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することはできないが、脅迫による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することはできる。(民96.3)
AがBの強迫により甲土地をBに売却した後、Bは、強迫の事実について善意で、そのことについて過失がないCに甲土地を売却した。その後、Aが強迫を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消した場合には、Cは、Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができない。
第 3 問 Aについて相続が開始し、その親族が妻B及び子Cのみである場合の相続に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア BがAを強迫してAに相続に関する遺言をさせ、その後、Aについて相続が開始したときは、Bは、Aの相続人となることができない。
ア ○ 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者は相続人となることができない。(民891.4)
イ Bが自己のために相続の開始があったことを知った時から法定の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかった場合には、Bは、単純承認をしたものとみなされる。
イ ○ 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。(民915.1)ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。(民915.1ただし書)
相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に限定承認又は相続の放棄をしなかった場合には、相続人は単純承認をしたものとみなされる。(民921.2)
ウ B及びCが相続人となる場合には、Bのみが単独で、限定承認をすることができる。
ウ × 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。(民923)
B及びCが相続人となる場合には、Bのみが単独で、限定承認をすることができない。
エ Bが相続の放棄をした場合には、Bは、Aの相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされる。
エ ○ 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。(民939)
Bが相続の放棄をした場合には、Bは、Aの相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされる。
オ Cが相続の放棄をした場合には、それがBの強迫によるものであっても、Cは、強迫を理由として相続の放棄を取り消すことができない。
オ × Cが相続の放棄をした場合には、それがBの強迫によるものである場合、Cは、強迫を理由として相続の放棄を取り消すことができる(民919.2)
第 4 問 登記記録等の保存期間に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 土地に関する閉鎖された登記記録の保存期間は、閉鎖した日から30年間である。
ア × 土地に関する閉鎖された登記記録の保存期間は、閉鎖した日から50年間である。(規28.4)
イ 法定相続情報一覧図つづり込み帳の保存期間は、作成の年の翌年から30年間である。
イ × 法定相続情報一覧図つづり込み帳の保存期間は、作成の年の翌年から5年間である。(規28.2.6)
ウ 閉鎖された各階平面図の保存期間は、閉鎖した日から30年間である。
ウ ○ 閉鎖された各階平面図の保存期間は、閉鎖した日から30年間である。(規28.13)
エ 筆界特定書以外の筆界特定手続記録に記載され、又は記録された情報の保存期間は、対象土地の所在地を管轄する登記所が当該筆界特定手続記録の送付を受けた年の翌年から30年間である。
エ ○ 筆界特定書以外の筆界特定手続記録に記載され、又は記録された情報の保存期間は、対象土地の所在地を管轄する登記所が当該筆界特定手続記録の送付を受けた年の翌年から30年間である。(規235.1.2)
オ 土地の表題部所有者の持分の更正の登記の申請を書面を提出する方法により行った場合における申請書の保存期間は、受付の日から30年間である。
オ ○ 土地の表題部所有者の持分の更正の登記の申請を書面を提出する方法により行った場合における申請書の保存期間は、受付の日から30年間である。
(規28.9)
第 5 問 次の対話は、登記識別情報に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、正誤を答えて下さい。
教授: まず、登記識別情報の通知について考えてみましょう。成年後見人が、いずれも成年被後見人が所有権の登記名義人である甲土地と乙土地について、成年被後見人の法定代理人として合筆の登記を申請し、その登記が完了したときは、登記識別情報は誰に対して通知されますか。
学生:ア 登記識別情報は、成年後見人に対して通知されます。
学生:ア ○ 成年後見人が、成年被後見人の法定代理人として合筆の登記を申請し、その登記が完了したときは、登記識別情報は成年後見人に対して通知されます。(規62.1)
■法定代理人(支配人その他の法令の規定により当該通知を受けるべき者を代理することができる者を含む。)によって申請している場合に当該法定代理人に対して通知される(規62.1)
教授: いずれもA及びBが所有権の登記名義人である甲土地と乙土地について、A及びBが合筆の登記を申請し、その登記が完了したときは、登記識別情報はどのように通知されますか。
学生:イ 登記官は、A又はBのいずれか一方に登記識別情報を通知すれば足ります。
学生:イ × 登記識別情報は、アラビア数字その他の符号の組合せにより、不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定めるので、登記官はA及びBに対して登記識別情報を通知しなければいけない。(規62.1)
教授: 次に、登記識別情報に関する証明について考えてみましょう。土地家屋調査士が本人を代理して登記識別情報に関する証明を請求する場合には、代理人の権限を証する情報を提供しなければなりませんか。
学生:ウ はい。代理人の権限を証する情報を提供しなければなりません。
学生:ウ × 代理人が登記識別情報に関する証明を請求する場合は、代理人の権限を証する情報を提供しなければいけないが、資格者代理人が登記識別情報に関する証明を請求する場合は、代理人の権限を証する情報を提供する必要はない。(規67.7)
教授: それでは、登記識別情報に関する証明の請求は、電子情報処理組織を使用する方法により行うことができますか。
学生:エ はい。電子情報処理組織を使用する方法により行うことができます。
学生:エ ○ 登記識別情報に関する証明の請求は、電子情報処理組織を使用する方法により行うことができる。(規68.3.1)
教授: 最後に、官庁又は公署が登記識別情報の通知を受けるべき者である場合には、登記識別情報は通知されますか。
学生:オ いいえ。当該官庁又は公署があらかじめ登記識別情報の通知を希望する旨の申出をした場合を除き、登記識別情報を通知することを要しないものとされています。
学生:オ ○ 官庁又は公署があらかじめ登記識別情報の通知を希望する旨の申出をした場合を除き、登記識別情報を通知することを要しない。(規64.1.4)
第 6 問 地目に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 石油タンクの敷地の地目を宅地とすることはできない。
ア × 石油タンクの敷地の地目は宅地とする。(準69.10)
石油タンク敷地、ガスタンク敷地の地目は宅地とする。(準69.10)
イ 別の土地にある湧出口から温泉を引き込んだ源泉かけ流しの温泉宿の敷地の地目は、鉱泉地とする。
イ × 別の土地にある湧出口から温泉を引き込んだ源泉かけ流しの温泉宿の敷地の地目は、宅地とする。(準68.3)
鉱泉地とは鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地(準68.7)。鉱泉地と該当されるものとして
①温泉の湧き出し口
②湧き出した温泉の一時的な貯蔵施設
③送湯管等の温泉を管理する為の小屋のような施設
(地目認定改訂版96~100頁)
ウ 河川管理施設である防水のために築造された堤防の天端の部分が一般交通の用に供する道路として利用されている場合には、当該堤防の占める土地の地目は、堤とする。
ウ ○ 堤とは防水のために築造した堤防のこと。(準68.18)
河川管理施設である防水のために築造された堤防の天端の部分が一般交通の用に供する道路として利用されている場合でも、当該堤防の占める土地の地目は、堤防の天端の部分を区分することなく全体を堤として定める。(地目認定改訂版190頁)
エ 村落の間にある通水路が占める土地の地目は、井溝とする。
エ ○ 村落の間にある通水路が占める土地の地目は、井溝とする。
井溝とは田畝又は村落の間にある通水路のこと。(準68.19)
オ 公衆の遊楽のために供する一筆の土地内にテニスコートが設置されている場合には、当該土地の地目を公園とすることはできない。
オ × 公衆の遊楽のために供する土地の地目は公園とする。(準68.22)
公衆の遊楽のために供する一筆の土地内にテニスコートが設置されている場合は、当該土地の地目を公園とする。(準68.22)
■地目が公園となるもの
①公園内にある広場、通路、花壇、休憩所
②公園内にあるブランコ・滑り台・砂場などの遊戯施設、テニスコートなどの運動施設、野外ステージ
③公園内にある動物園や展示施設などの教養施設
第 7 問 土地の表題部の変更又は更正の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 土地の地積が誤って登記されていることを知った当該土地の所有権の登記名義人は、地積が誤っていることを知った日から1か月以内に、地積に関する更正の登記を申請しなければならない。
ア × 土地の地積が誤って登記されていても土地の所有権の登記名義人が地積更正登記を申請しなければならないという規定はない。(法38)
イ 甲土地の地積に関する更正の登記を申請する場合において、登記所に備え付けられた甲土地の地積測量図に記載された地積と更正後の地積の差が公差の範囲内であるときは、地積測量図の提供を省略することができる。
イ × 甲土地の地積に関する更正の登記を申請する場合において、登記所に備え付けられた甲土地の地積測量図に記載された地積と更正後の地積の差が公差の範囲内でも、地積測量図の提供を省略することができない。(令別表6項)
ウ 甲土地の表題登記の申請に際して提供された地積測量図の求積計算が誤っていたために誤った地積により表題登記がされたときは、甲土地の表題部所有者は、地積測量図の訂正の申出によって甲土地の登記記録の地積を訂正することができる。
ウ × 甲土地の表題登記の申請に際して提供された地積測量図の求積計算が誤っていたために誤った地積により表題登記がされたときは、甲土地の表題部所有者は、地積測量図の訂正の申出によって甲土地の登記記録の地積を訂正することができない。
■土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図に誤りがあるときは、表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの相続人その他の一般承継人は、その訂正の申出をすることができる。ただし、表題部の登記事項に関する更正の登記(土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図を添付情報とするものに限る。)をすることができる場合は、この限りでない。
エ 雑種地として登記されている土地を宅地の用途に変更した場合には、当該土地の所有権の登記名義人は、当該用途に変更があった日から1か月以内に、地目に関する変更の登記を申請しなければならない。
エ ○ 雑種地として登記されている土地を宅地の用途に変更した場合には、当該土地の所有権の登記名義人は、当該用途に変更があった日から1か月以内に、地目に関する変更の登記を申請しなければならない。
地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。(法37.2)
オ 登記記録の地積が 30 歩から 99 平方メートルに換算して書き替えられている土地の地目を宅地に変更する登記を申請する場合には、当該換算による1 平方メートルの100分の1までの結果を地積とすることができる。
オ ○ 登記記録の地積が 30 歩から 99 平方メートルに換算して書き替えられている土地の地目を宅地に変更する登記を申請する場合には、当該換算による1平方メートルの100分の1までの結果を地積とすることができる。(昭和41.3.1民甲279号)
第 8 問 土地の分筆の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 抵当権の登記がある土地について分筆の登記を申請する場合において、当該抵当権の登記名義人が作成した当該抵当権を分筆後の一方の土地について消滅させることを承諾したことを証する情報を記載した書面を提出するときは、当該書面に添付する当該抵当権の登記名義人の印鑑に関する証明書は、作成後 3 か月以内のものでなければならない。
ア × 抵当権の登記がある土地について分筆の登記を申請する場合において、当該抵当権の登記名義人が作成した当該抵当権を分筆後の一方の土地について消滅させることを承諾したことを証する情報を記載した書面を提出するときは、当該書面に添付する当該抵当権の登記名義人の印鑑に関する証明書を添付しなければいけないが(令19.2)、印鑑証明書が作成後 3 か月以内のものでなければならないという有効期限を定めた規定はない。
イ 買戻しの特約の登記がされている甲土地から乙土地を分筆する登記をする場合には、当該買戻し特約の買戻し期間が経過していたとしても、登記官は、乙土地の登記記録の権利部の相当区に、甲土地の登記記録から当該買戻しの特約の登記を転写しなければならない。
イ ○ 買戻しの特約の登記がされている甲土地から乙土地を分筆する登記をする場合には、当該買戻し特約の買戻し期間が経過していたとしても、登記官は、乙土地の登記記録の権利部の相当区に、甲土地の登記記録から当該買戻しの特約の登記を転写しなければならない。(規102.1)
ウ 一棟の建物に属する区分建物が甲建物及び乙建物であり、甲建物及び乙建物に丙土地の賃借権を敷地権とする登記がされている場合において、丙土地の所有権の登記名義人が丙土地の分筆の登記を申請するときは、甲建物及び乙建物の所有権の登記名義人の承諾を証する情報を提供しなければならない。
ウ × 一棟の建物に属する区分建物が甲建物及び乙建物であり、甲建物及び乙建物に丙土地の賃借権を敷地権とする登記がされている場合において、丙土地の所有権の登記名義人が丙土地の分筆の登記を申請するときでも、甲建物及び乙建物の所有権の登記名義人の承諾を得る必要はなく、承諾を証する情報を提供する必要もない。
エ 根抵当権設定の仮登記がある土地について分筆の登記がされたときは、登記官は、新たに共同担保目録を作成しなければならない。
エ × 根抵当権設定の仮登記がある土地の場合、共同担保の関係は生じないので土地について分筆の登記がされたときでも、登記官は、新たに共同担保目録を作成する必要はない。(昭和48.11.14民三8526回答)
但し根抵当権設定の仮登記に基づく本登記の申請があった場合は、新たに共同担保目録が作成される。(昭和49.1.23東京法務局長回答)
オ 土地の所有権の登記名義人がA及びBであり、Aが死亡してその相続人がC及びDである場合において、当該土地の一部が別地目となったときは、Dは、単独で、当該土地の一部地目変更分筆登記を申請することができる。
オ ○ 土地の所有権の登記名義人がA及びBであり、Aが死亡してその相続人がC及びDである場合において、当該土地の一部が別地目となったときは、Dは、単独で、当該土地の一部地目変更分筆登記を申請することができる。
一部地目変更分筆登記は報告的登記で保存行為であるから共有の場合、1人から申請することができ、相続の場合、相続人が2人以上いる場合でもその1人から申請することができる。(法37.1)
第 9 問 所有権の登記名義人が同一である隣接する甲土地と乙土地の合筆の登記(以下「本件合筆の登記」という。)に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。なお、他の合筆の登記の制限事由は考慮しないものとする。
ア 乙土地が第三者に使用貸借されているとしても、本件合筆の登記を申請することができる。
ア ○ 乙土地が第三者に使用貸借されているとしても、本件合筆の登記を申請することができる。(法41.6)
イ いずれも同一の区分建物の敷地権である旨の登記がされている甲土地及び乙土地について、本件合筆の登記を申請することはできない。
イ ○ いずれも同一の区分建物の敷地権である旨の登記がされている甲土地及び乙土地について、本件合筆の登記を申請することはできない。
敷地権である旨の登記がされている土地については合筆登記を申請することができない。(法41.6、登記研究453号)
ウ 乙土地にのみ抵当権の設定の登記がある場合であっても、当該抵当権の登記名義人が作成した当該抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を提供して、本件合筆の登記を申請することができる。
ウ × 乙土地にのみ抵当権の設定の登記がある場合であっても、当該抵当権の登記名義人が作成した当該抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を提供しても、合筆登記を申請することはできない。抵当権消滅承諾書を添付して合筆後の土地に抵当権を存続させないような手続きは許されていない。
エ 甲土地及び乙土地の所在する字(地番区域でないものを含む。)が同一であっても、甲土地及び乙土地が同一の地図又は地図に準ずる図面に記録されていないときは、本件合筆の登記を申請することはできない。
エ × 甲土地及び乙土地の所在する字(地番区域でないものを含む。)が同一で、甲土地及び乙土地が同一の地図又は地図に準ずる図面に記録されず、別々の地図又は地図に準ずる図面に記録されていても、合筆登記を申請することはできる。(法41)
オ 甲土地及び乙土地に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付がいずれも同一の内容である抵当権の設定の登記がされているが、甲土地にのみ抵当権の順位の変更の登記がされている場合には、本件合筆の登記を申請することができる。
オ × 甲土地及び乙土地に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付がいずれも同一の内容である抵当権の設定の登記がされているが、甲土地にのみ抵当権の順位の変更の登記がされている場合、本件合筆の登記を申請することはできない。(昭和..民三通達号)
第10問 建物の認定に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 園芸用の温床施設は、鉄材で骨組みされて地面に固着し、屋根及び周壁が強固なガラスで築造された建造物であっても、建物として登記することはできない。
ア × 農耕用又は園芸用の温床施設は、鉄材で骨組みされて地面に固着し、屋根及び周壁が強固なガラスで築造された建造物であれば、建物として登記することができる。(建物認定3訂版70・71頁)
イ 円柱状の形をした大型の給水タンクは、建物として登記することはできない。
イ ○ 円柱状の形をした大型の給水タンクは、建物として登記することはできない。石油タンク・ガスタンク・給水タンクは、建物として登記することができない。(準77.2.ア)
ウ 土地の上に鉄骨柱の土台を置いて基礎とし、この上に組立式で容易に移動可能な事務所を設置した場合には、当該事務所は、建物として登記することができる。
ウ × 土地の上に鉄骨柱の土台を置いて基礎とし、この上に組立式で容易に移動可能な事務所を設置した場合、当該事務所は、建物として登記することができない。建物の基礎工事がされ建物を容易に移動することができないという条件を満たさなければいけない。(準77.2.オ、建物認定3訂版94・95頁)
エ 高架鉄道の線路敷地の高架下を屋根として利用し、外気を分断する周壁を築造して高架下と一体化させた店舗は、建物として登記することができる。
エ ○ 高架鉄道の線路敷地の高架下を屋根として利用し、外気を分断する周壁を築造して高架下と一体化させた店舗は、建物として登記することができる。
(準77.1.ウ、建物認定3訂版75頁)
オ 海底からの脚柱によって支えられた永久的な構築物である桟橋の上に建築された屋根及び周壁を有する水族館は、建物として登記することができる。
オ ○ 海底からの脚柱によって支えられた永久的な構築物である桟橋の上に建築された屋根及び周壁を有する水族館は、建物として登記することができる。
土地に直接付着していない建物でも登記することができる。(準88.4.ウ、建物認定3訂版100頁)
第11問 建物の所在又は家屋番号に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 区分建物である甲建物に区分建物でない附属建物があるときは、甲建物の表題部の附属建物の表示欄の構造欄に附属建物の所在が記録される。
ア ○ 区分建物である甲建物に区分建物でない附属建物があるときは、甲建物の表題部の附属建物の表示欄の構造欄に附属建物の所在が記録される。(平成28.6.8民二386号通達)
イ 区分建物の属する一棟の建物に共用部分である2階ベランダ部分を増築したことにより一棟の建物が隣接する土地にまたがった場合には、当該隣接する土地の地番を当該一棟の建物の所在欄に加える旨の当該区分建物の表題部の変更の登記を申請することはできない。
イ × 区分建物の属する一棟の建物に共用部分である2階ベランダ部分を増築したことにより一棟の建物が隣接する土地にまたがった場合には、当該隣接する土地の地番を当該一棟の建物の所在欄に加える旨の当該区分建物の表題部の変更の登記を申請することはできる。
床面積に算入されないベランダを増築した場合でもベランダ直下の土地は法定敷地になるので建物の所在として記録したほうが望ましい。(昭和59年全国主席登記官会同における質疑応答第一・1・ニ、第一・2)
ウ 4番の土地及び6番の土地にまたがる建物は、当該建物の所在する床面積の多い部分が6番の土地に所在するときであっても、当該建物の所在欄には「4番地、6番地」と記録される。
ウ × 建物の登記記録の表題部に2筆以上の土地にまたがる建物の不動産所在事項を記録する場合には,床面積の多い部分又は主たる建物の所在する土地の地番を先に記録し,他の土地の地番は後に記録するものとする。(準則88
.2)
4番の土地及び6番の土地にまたがる建物は、当該建物の所在する床面積の多い部分が6番の土地に所在するときの建物の所在欄には「6番地、4番地」と記録される。
エ 土地の合筆の登記により建物の所在地番が変更した場合には、家屋番号の変更の登記を併せて申請しなければならない。
エ × 敷地地番の変更又は更正による建物の不動産所在事項の変更の登記又は更正の登記をした場合でも,家屋番号の変更は登記官が職権でおこなうものとする。( 準則79.10)
オ 表題登記がある建物がえい行移転により甲登記所の管轄区域から乙登記所の管轄区域に移動した場合には、当該建物の不動産所在事項に関する変更の登記の申請は、甲登記所又は乙登記所のいずれにもすることができる。
オ ○ 表題登記がある建物がえい行移転(建物を取り壊さずに他の土地に移転することをいう。以下同じ。)により甲登記所の管轄区域から乙登記所の管轄区域に移動した場合における当該建物の不動産所在事項に関する変更の登記は,乙登記所が管轄登記所としてこれを取り扱うものとされているが( 準則4.1)、当該建物の不動産所在事項に関する変更の登記の申請は、甲登記所又は乙登記所のいずれにもすることができる。( 準則4.2)
第12問 建物の床面積に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 建物の出窓の高さが 1 . 5 メートル未満であっても、出窓の下部が床面と同一の高さであれば、床面積に算入する。
ア × 出窓は,その高さ1.5メートル以上のものでその下部が床面と同一の高さにあるものに限り,床面積に算入する。( 準則82.11)
イ 建物の屋上にある建物内部との出入口としてのみ使用される階段室であっても、外気分断性がある場合には、床面積に算入する。
イ × 建物の屋上にある建物内部との出入口としてのみ使用される階段室には、用途性(人貸滞留性)がなく、外気分断性がある場合でも、床面積に算入されない。(建物認定3訂版325頁)
ウ 建物に附属する屋根及び手すりの付いている屋外の階段は、床面積に算入しない。
ウ ○ 建物に附属する屋根及び手すりの付いている屋外の階段は、床面積に算入しない。( 準則82.7)
エ 次の〔図1〕のとおり、建物の内部にあるダストシュートの一部が外部にまたがっている場合には、斜線部分のみを床面積に算入する。
エ × 建物の内部に煙突又はダストシュートがある場合(その一部が外側に及んでいるものを含む。)には,その部分は各階の床面積に算入し,外側にあるときは算入しない。( 準則82.10)
建物の内部にあるダストシュートの一部が外部にまたがっている場合には、外側に及んでいる部分も含めて床面積に算入する。
オ 次の〔図2〕のとおり、停車場の上屋を有する乗降場がある場合には、その乗降場の床面積は、斜線部分の面積により計算する。
オ ○ 停車場の上屋を有する乗降場及び荷物積卸場の床面積は,その上屋の占める部分の乗降場及び荷物積卸場の面積により計算する。( 準則82.2)
第13問 建物の表題登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 区分建物でない建物の表題登記を申請する場合には、建物の名称を申請情報の内容とすることはできない。
ア × 区分建物でない建物の表題登記を申請する場合に、建物の名称がある場合は、建物の名称を申請情報の内容としなければいけない。(令3.8.2)
イ Aが所有する土地上に建物が新築された場合において、当該建物の所有者であるBが当該建物の表題登記を申請するときは、Bは、当該土地の借地権を有していることを証する情報を提供しなければならない。
イ × 建物の所有者であるBが当該建物の表題登記を申請するときに添付書類として土地の借地権を有していることを証する情報を提供する必要はない。(令別表12項)尚、土地の所有者Aから建物の表題登記を申請することはできない。
ウ 共用部分である旨の登記がある建物について、共用部分である旨を定めた規約を廃止したときは、当該規約の廃止後に当該建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。
ウ ○ 共用部分である旨の登記がある建物について、共用部分である旨を定めた規約を廃止したときは、当該規約の廃止後に当該建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。(法58.7)
エ 新築した区分建物でない建物をA及びBが共有する場合には、Aは、単独で、A及びBを表題部所有者とする当該建物の表題登記を申請することができる。
エ ○ 建物表題登記は報告的登記でその申請は保存行為になるので共有の場合、共有者の1人から表題登記を申請することができる。(民252ただし書)
オ Aが区分建物である甲建物を新築した後、AがBに甲建物を売却した場合には、甲建物の表題登記の申請は、A及びBが共同してしなければならない。
オ × Aが区分建物である甲建物を新築した後、AがBに甲建物を売却した場合でも、区分建物の表題登記は原始取得者であるAが申請権を有しているのでAが区分建物表題登記を申請しなけれはいけない。(法47.1)A及びBが共同で甲建物の区分建物表題登記の申請をすることはできない。
第14問 附属建物に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 区分建物でない乙建物を敷地権付き区分建物である甲建物の附属建物とする建物の合併の登記を申請することはできない。
ア × 区分建物でない建物と敷地権の登記がある区分建物でも合併登記を申請することができる。(法44.1.9、法56、準.86)
イ 主である建物とその附属建物がいずれも同一の一棟の建物に属する敷地権のある区分建物である場合には、登記記録の表題部には、当該主である建物に係る敷地権と当該附属建物に係る敷地権を区別して記録しなければならない。
イ ○ 主である建物とその附属建物がいずれも同一の一棟の建物に属する敷地権のある区分建物である場合には、登記記録の表題部には、当該主である建物に係る敷地権と当該附属建物に係る敷地権を区別して記録しなければならない。
(昭和58.11.10民三6400号)
ウ 同一の土地上にいずれも区分建物であって、それぞれ別の一棟の建物に属する甲建物と乙建物がある場合において、甲建物を主である建物、乙建物を附属建物とする表題登記を申請するときは、乙建物が属する一棟の建物の所在地番を申請情報の内容とすることを要しない。
ウ × 同一の土地上にいずれも区分建物であって、それぞれ別の一棟の建物に属する甲建物と乙建物がある場合において、甲建物を主である建物、乙建物を附属建物とする表題登記を申請するときは、乙建物が属する一棟の建物の所在地番を申請情報の内容としなければいけない。(令3.8.ホ.ヘ.ト)
エ 甲建物とその附属建物である乙建物が同一の土地上にある場合において、甲建物を取り壊して、当該土地上に同じ床面積の丙建物を新築したときは、甲建物の登記記録の主である建物の表示を丙建物の表示に変更する建物の表題部の変更の登記を申請することはできない。
エ ○ 甲建物とその附属建物である乙建物が同一の土地上にある場合において、甲建物を取り壊して、当該土地上に同じ床面積の丙建物を新築したときは、甲建物の登記記録の主である建物の表示を丙建物の表示に変更する建物の表題部の変更の登記を申請することはできない。
主である建物を入れ替えるような登記はできないので先ず、甲建物の滅失に伴う附属建物である乙建物を主である建物に変更する登記を申請する。その後丙建物の表題登記を申請し、その後、丙建物の附属建物として乙建物を合併する登記を申請すればよい。(法47、法51、法54)
オ 主である建物とその附属建物が同時に取り壊された場合において、建物の滅失の登記をするときは、その登記原因及び日付は「年月日主である建物取壊し、年月日附属建物取壊し」と記録される。
オ × 主である建物とその附属建物が同時に取り壊された場合において、建物の滅失の登記をするときは、主である建物のみの登記原因及び日付を記載すればよく「年月日主である建物取壊し」とだけ記載し、「年月日附属建物取壊し」は記載しない。(準則101)
第15問 合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」という。)に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 表題登記のみがある甲建物と所有権の登記がある乙建物が合体して一個の建物となった後に、表題部所有者の更正の登記により甲建物の表題部所有者となった者は、当該登記から1か月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。
ア ○ 表題登記のみがある甲建物と所有権の登記がある乙建物が合体して一個の建物となった後に、表題部所有者の更正の登記により甲建物の表題部所有者となった者は、当該登記から1か月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。(法49.4)
イ A及びBが共有する表題登記がない甲建物と、C及びDが表題部所有者である表題登記のみがある乙建物と、E及びFが所有権の登記名義人である所有権の登記がある丙建物が合体して1個の建物となった場合には、Aは、単独で、合体による登記等を申請することができる。
イ ○ A及びBが共有する表題登記がない甲建物と、C及びDが表題部所有者である表題登記のみがある乙建物と、E及びFが所有権の登記名義人である所有権の登記がある丙建物が合体して1個の建物となった場合には、Aは、単独で、合体による登記等を申請することができる。
合体による登記等は報告的登記でその申請は保存行為になるので共有の場合、共有者の1人から表題登記を申請することができる。(民252ただし書、平成5.7.30民三5320号)
ウ 一棟の建物にいずれも所有権の登記がある区分建物である甲建物及び乙建物が属する場合において、甲建物及び乙建物の隔壁を除去して1個の区分建物でない建物としたときは、甲建物及び乙建物の所有権の登記名義人は、合体による登記等を申請することはできない。
ウ × 一棟の建物にいずれも所有権の登記がある区分建物である甲建物及び乙建物が属する場合において、甲建物及び乙建物の隔壁を除去して1個の区分建物でない建物としたときは、甲建物及び乙建物の所有権の登記名義人は、合体による登記等を申請することができる。
建物の合体とは、数個の建物が、増築等の工事により構造上1個の建物となることをいう。その数個の建物が一棟の建物を区分した建物(以下「区分建物」という)であって、これらが隔壁除去等の工事によりその区分性を失った場合も、これに含まれる。(平成5.7.30 法務省民三第5320号)
エ 表題登記がない甲建物と所有権の登記がある乙建物が合体して一個の建物となった場合における合体による登記等の申請と表題登記がない甲建物の所有者を合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記の申請は、併せてすることを要しない。
エ × 表題登記がない甲建物と所有権の登記がある乙建物が合体して一個の建物となった場合における合体による登記等の申請と表題登記がない甲建物の所有者を合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記の申請を併せてしなければいけない。(法49.1)
■合体後の建物についての建物の表題登記をする場合において、合体前の建物に所有権の登記がある建物があるときは、合体後の建物の登記記録の表題部に表題部所有者に関する登記事項を記録することを要しない。法第四十九条第一項後段の規定により併せて所有権の登記の申請があった場合についても、同様とする。(法49.1)
2 登記官は、前項前段の場合において、表題登記をしたときは、当該合体後の建物の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 合体による所有権の登記をする旨
二 所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分
三 登記の年月日
オ いずれも表題登記がない甲建物及び乙建物が合体して一個の建物となった場合において、当該建物について表題登記をするときは、登記原因及びその日付は「年月日合体」と記録される。
オ × いずれも表題登記がない甲建物及び乙建物が合体して一個の建物となった場合において、建物表題登記を申請するときは、登記原因及びその日付は「年月日新築」、「年月日新築」、「年月日合体」と記録する。(平成5年全国主席登記官会同における質疑応答6.3.18)
第16問 乙建物を甲建物の附属建物とする建物の合併の登記(以下「本件合併の登記」という。)に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。なお、他の合併の登記の制限事由は考慮しないものとする。
ア 甲建物及び乙建物の所有権の登記名義人であるAが死亡した場合には、Aの相続人であるBは、甲建物及び乙建物について相続による所有権の移転の登記をした後でなければ、本件合併の登記を申請することができない。
ア × 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。(法30)
甲建物及び乙建物の所有権の登記名義人であるAが死亡した場合には、Aの相続人であるBは、甲建物及び乙建物について相続による所有権の移転の登記をする前でも、合併の登記を申請することはできる。
イ 甲建物及び乙建物がそれぞれ異なる登記所の管轄に属する場合であっても、本件合併の登記を申請することができる。
イ ○ 甲建物及び乙建物がそれぞれ異なる登記所の管轄に属する場合であっても、本件合併の登記を申請することができる。(準則5)
ウ 乙建物の種類に変更が生じている場合には、当該変更に係る建物の表題部の変更の登記及び本件合併の登記の申請は、一の申請情報によってすることができる。
ウ ○ 乙建物の種類に変更が生じている場合には、当該変更に係る建物の表題部の変更の登記及び本件合併の登記の申請は、一の申請情報によってすることができる。(令4ただし書、規35.7)
エ いずれも同一の一棟の建物に属する区分建物であり、共用部分である旨の登記がされている甲建物及び乙建物について、本件合併の登記を申請することはできない。
エ ○ 共用部分である旨の登記がされている建物は合併の登記を申請することができない。(法56.1)
オ 住居表示の実施により甲建物及び乙建物の所有権の登記名義人であるAの住所に変更があったときは、Aは、住所の変更の登記をすることなく、住居表示の実施を証する情報を提供して、本件合併の登記を申請することができる。
オ × 甲建物及び乙建物の所有権の登記名義人であるAの住所に変更があったときは、Aは、住所の変更の登記をしなければ、住居表示の実施を証する情報を提供しても、建物の合併登記を申請することはできない。この場合、甲建物及び乙建物についての所有権の登記名義人であるAの住所の変更の登記を申請した後に、甲建物及び乙建物の合併の登記を申請する。
第17問 区分建物の登記の申請に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア いずれも表題登記がある区分建物でない甲建物及び乙建物が増築工事により相互に接続して区分建物となった場合における甲建物及び乙建物についての表題部の変更の登記の申請は、一括してしなければならない。
ア ○ いずれも表題登記がある区分建物でない甲建物及び乙建物が増築工事により相互に接続して区分建物となった場合における甲建物及び乙建物についての表題部の変更の登記の申請は、一括してしなければならない。(法52.3)
イ 区分建物の所有権の登記名義人Aが当該区分建物について当該区分建物が属する一棟の建物の床面積の変更の登記を申請する場合には、併せて当該一棟の建物に属する他の区分建物についての一棟の建物の床面積の変更の登記を申請しなければならない。
イ × 区分建物の所有権の登記名義人Aが当該区分建物について当該区分建物が属する一棟の建物の床面積の変更の登記を申請する場合に、併せて当該一棟の建物に属する他の区分建物についての一棟の建物の床面積の変更の登記についてAには申請権がないので申請することはできない。Aが区分建物が属する一棟の建物の床面積の変更の登記を申請するだけでよく他の区分建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人から申請する必要はない。(法51.5)
ウ 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合において、当該区分建物が敷地権付き区分建物でないときは、当該区分建物の表題登記の申請は、当該一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてすることを要しない。
ウ × 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合において、当該区分建物が敷地権付き区分建物でないときでも、当該区分建物の表題登記の申請は、当該一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければいけない。(法48.1、昭和58.11.10民三6400号)
エ 表題登記がある区分建物でない建物に接続して区分建物が新築された場合には、当該区分建物についての表題登記の申請は、当該区分建物でない建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。
エ ○ 表題登記がある区分建物でない建物に接続して区分建物が新築された場合には、当該区分建物についての表題登記の申請は、当該区分建物でない建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。(法48.3)
オ 区分建物をAが新築した後にAが死亡した場合には、Aの唯一の相続人であるBは、当該区分建物を相続した日から1か月以内に、当該区分建物についての表題登記を申請しなければならない。
オ × 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。(法47.2)
区分建物をAが新築した後にAが死亡した場合、Aの唯一の相続人であるBは、Aを所有者とする区分建物表題登記を申請することはできるが、区分建物を相続した日から1か月以内に、当該区分建物についての表題登記を申請しなければならないという規定はない。
第18問 次の〔図〕のとおり、甲土地及び乙土地の上に一棟の建物に属する丁区分建物及び戊区分建物が存在し、丙土地はA及びBの駐車場として使用されている。甲土地、乙土地及び丙土地の所有権の登記名義人はA及びBであり、Aは丁区分建物の、Bは戊区分建物の新築時の所有者(丁区分建物及び戊区分建物に表題登記がない場合)又は表題部所有者(丁区分建物及び戊区分建物に表題登記がある場合)である。この場合に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。なお、問題文に明記されている場合を除き、専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができる旨を定めた規約(以下「分離処分可能規約」という。)はないものとする。
ア Aは、甲土地及び乙土地のAの共有持分権を敷地権として、表題登記がない丁区分建物について表題登記を申請することはできない。
ア × 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。(法22.1)
Aは、甲土地及び乙土地のAの共有持分権を敷地権として、表題登記がない丁区分建物について表題登記を申請することができる。(法44.1.9)
イ 丙土地が規約により表題登記がある戊区分建物の敷地とされた場合には、Bは、丙土地が敷地となった日から1か月以内に、丙土地について有する登記された敷地利用権を敷地権として表示する戊区分建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。
イ ○ 丙土地が規約により表題登記がある戊区分建物の敷地とされた場合には、Bは、丙土地が敷地となった日から 1 か月以内に、丙土地について有する登記された敷地利用権を敷地権として表示する戊区分建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。(法51.1)
ウ Aは、丙土地を丁区分建物の敷地とすることについてAのみが賛成した旨が記載された集会の議事録を申請書に添付することにより、丙土地のAの共有持分権を敷地権として、丁区分建物の表題登記を申請することができる。
ウ × 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によってする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。(区分法31.1)
Aのみが賛成した旨が記載された集会の議事録を申請書に添付することは認められない。
エ 丁区分建物及び戊区分建物の表題部に甲土地及び乙土地に係る敷地権が登記されている場合には、Aは、丁区分建物についてのみ甲土地及び乙土地の敷地利用権との分離処分可能規約を設定したことを証する情報を提供して、丁区分建物についてのみ甲土地及び乙土地に係る敷地権の登記を抹消する表題部の変更の登記を申請することができる。
エ ○ 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。(区分法22.1)
オ 甲土地のAの共有持分権に丁区分建物の敷地権である旨の登記がされている場合において、当該敷地権である旨の登記がされた後の売買を原因とする当該共有持分権の移転の登記をしようとするときは、その前提として、当該共有持分権に係る敷地権の登記を抹消する丁区分建物の表題部の変更の登記をすることを要しない。
オ × 敷地権である旨の登記がされている場合で売買を原因とする共有持分の移転登記をしようとする場合、前提として、当該共有持分権に係る敷地権の登記を抹消する丁区分建物の表題部の変更の登記をしなければいけない。(法73.2)
第19問 筆界特定に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 筆界特定の申請人は、筆界特定の申請後、遅滞なく、筆界特定の申請をした旨を関係人に自ら通知しなければならない。
ア × 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、その旨を次に掲げる者(以下「関係人」という。)に通知しなければならない。ただし、前条第一項の規定により当該申請を却下すべき場合は、この限りでない。(法133.1)
一 対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの
二 関係土地の所有権登記名義人等
よって筆界特定の申請人が筆界特定の申請をした旨を関係人に自ら通知するのではなく筆界特定登記官が遅滞なく筆界特定の申請をした旨を関係人に通知しなければならない。
イ 既に筆界特定がされている土地の筆界について更に筆界特定の申請がされた場合には、既にされた筆界特定の内容に明白かつ重大な誤りがあったとしても、筆界特定登記官は、当該申請を却下しなければならない。
イ × 既に筆界特定がされている土地の筆界について更に筆界特定の申請がされた場合には、既にされた筆界特定の内容に明白かつ重大な誤りがあれば、筆界特定登記官は、当該申請を却下することができない。
■筆界特定がされた筆界について筆界特定の申請があったときは,当該申請は,却下されるのが原則です(不動産登記法第132条第1項第7号本文)。しかし,「更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合」には,筆界特定の申請をすることが認められ(不動産登記法第132条第1項第7号ただし書),以下に掲げる事由があることが明らかな場合を指すものと解されます。
① 除斥事由がある筆界特定登記官又は筆界調査委員が筆界特定の手続に関与したこと。
② 刑事上罰すべき他人の行為により意見の提出を妨げられたこと。
③ 代理人が代理行為を行うのに必要な授権を欠いたこと。
④ 筆界特定の資料となった文書その他の物件が偽造又は変造されたものであったこと。
⑤ 申請人,関係人又は参考人の虚偽の陳述が筆界特定の資料となったこと。
⑥ 既にされた筆界特定の結論が誤っていたことが明らかになった場合。
(平成17.12.6民二2760)
ウ 対象土地の所有権の登記名義人は、筆界特定の申請人でない場合であっても、筆界特定の手続における測量に要する費用の概算額の一部を予納しなければならない。
ウ × 筆界特定の申請人でない対象土地の所有権の登記名義人に測量に要する費用を予納する義務はない。
筆界特定の手続における測量に要する費用その他の法務省令で定める費用(以下この条において「手続費用」という。)は、筆界特定の申請人の負担とする。(法146.1)
筆界特定登記官が相当と認める者に命じて行わせた測量、鑑定その他専門的な知見を要する行為について、その者に支給すべき報酬及び費用の額として筆界特定登記官が相当と認めたものとする。(規242)
エ 筆界特定の申請は、申請の趣旨を明らかにしてしなければならない。
エ ○ 筆界特定の申請は、申請の趣旨を明らかにしてしなければならない。(法131.3.1)
筆界特定の申請は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
一 申請の趣旨
二 筆界特定の申請人の氏名又は名称及び住所
三 対象土地に係る第三十四条第一項第一号及び第二号に掲げる事項(表題登記がない土地にあっては、同項第一号に掲げる事項)
四 対象土地について筆界特定を必要とする理由
五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
(法131.3.1~5)
オ 甲土地及び乙土地を対象土地とする筆界特定の申請と甲土地及び丙土地を対象土地とする筆界特定の申請は、一の筆界特定申請情報によってすることができる。
オ ○ 対象土地の一を共通にする複数の筆界特定の申請は、一の筆界特定申請情報によってすることができる。(規208)
甲土地及び乙土地を対象土地とする筆界特定の申請と甲土地及び丙土地を対象土地とする筆界特定の申請は、一の筆界特定申請情報によってすることができる。
第20問 土地家屋調査士又は土地家屋調査士法人に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 土地家屋調査士は、日本土地家屋調査士会連合会の定める様式により事件簿を調製し、その閉鎖後7年間保存しなければならない。
ア ○ 土地家屋調査士は、日本土地家屋調査士会連合会の定める様式により事件簿を調製し(調規28.1)、事件簿はその閉鎖後7年間保存しなければならない。(調規28.2)
イ 土地家屋調査士会は、所属の会員に対し土地家屋調査士法の規定により注意勧告をしたときは、その旨を公表しなければならない。
イ × 土地家屋調査士会は、所属の会員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該会員に対して、注意を促し又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができ(調法56)、土地家屋調査士会は注意を促し又は必要な措置を講ずべきことを勧告した場合は、その旨をその土地家屋調査士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。(調規39)
ウ 土地家屋調査士法人は、社員が2名以上いる場合には、社員のうち土地家屋調査士法人を代表すべきものを定款で定めなければならない。
ウ × 土地家屋調査士法人の社員は、各自調査士法人を代表する。ただし、定款又は総社員の同意によって、社員のうち特に調査士法人を代表すべきものを定めることができる。(調法35.2.1)
エ 土地家屋調査士法人の社員は、総社員の同意があるときであっても、自己又は第三者のためにその土地家屋調査士法人の業務の範囲に属する業務を行ってはならない。
エ ○ 土地家屋調査士法人の社員は、総社員の同意があるときであっても、自己又は第三者のためにその土地家屋調査士法人の業務の範囲に属する業務を行ってはならない。(調法37.1)
オ 従たる事務所を設置する土地家屋調査士法人は、その従たる事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された土地家屋調査士会の会員である社員を常駐させなければならない。
オ ○ 土地家屋調査士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会の会員である社員を常駐させなければならない。(調法36)
※土地家屋調査士2022年(令和4年)の過去問は、ここまでです。
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