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土地家屋調査士過去問題2007年(平成19年)
第1問 法律行為の条件に関する教授と学生との対話の中で、教授の質問に対する次のアからオまでの学生のうち、判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。
教授:法律行為の条件について聞きたいと思います。Aが、Bとの間で、Bが来年の7月に開催される大会に優勝した場合には、Bに対し、来年の4月分からさかのぼって奨学金を給付するとの合意をしたとしましょう。その後、Bが実際に優勝した場合には、Bは4月分から奨学金を請求することができますか。
学生ア:これは、条件の成就により奨学金の給付という契約の効力を発生させるものですので、停止条件に該当しますが、停止条件の付された法律行為は停止条件が成就した時からその効力を生ずるものですので、Bは4月分から奨学金を請求することはできません。
ア× 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。ただし、当事者は、その意思により、条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせることができる。(民127.1、民127.3)
教授:当事者が停止条件を付して契約を締結したが、実際には、停止条件とした事実が既に発生していたとします。この契約の効力はどうなりますか。
学生イ:そのような場合には、その条件は付されなかったのと同様に扱われ、有効であることになります。
イ〇 停止条件とした事実が既に発生していたらその条件は付されなかったのと同様に扱われ、有効であることになります。
条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。(民131.1)
教授:ある土地の所有者Cが、隣接地の所有者Dの知らないうちに両土地間の境界標をCに有利に移設してくれれば、Eに対して50万円を贈与する旨の契約をEとの間で締結したとします。この契約の効力はどうなりますか。
学生ウ:契約に付された条件は不法なものですから、その条件は付されなかったのと同様に扱われ、有効であることになります。
ウ× 不法な条件を付した法律行為は、無効になる。(民132)
教授:ある動産の所有者Fが、5年後にGに対してその動産を贈与するが、Fの気が変わった場合にはいつでも契約は効力を失うとの条件を付して書面により贈与契約を締結したとします。この契約の効力はどうなりますか。
学生エ:これは、Fの意思のみに係る条件を付したものですので、契約自体が無効となります。
エ× 停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。(民134)
無効とされるのは、停止条件付法律行為になり、停止条件の実現が債務者の意思のみに係る場合だけである。
不利益を受けるのがGで、利益を受けるのがFなのでこの契約は有効になる。
教授:Hが、Iとの間で、契約日から7日以内に動産の修理を完了した場合には、Iに対して所定の修理代金に加えて割増しで修理代金を支払うとの内容の契約を締結したとします。この場合において、HがIの修理道具をわざと損壊し、そのため、5日以内に修理作業を完了することが可能であったのに、修理作業の完了が10日後に遅延してしまったときには、どうなますか。
学生オ:この場合には、Hは故意に条件の成就を妨害しています。したがって、Iは、条件が成就したものとみなしてHに対して割増分の修理代金の支払をも請求することができます。
オ〇 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。(民130)
よって IはHに対して割増分の修理代金の支払をも請求することができます。
第2問 次のアからオまでの事例のうち、判例の趣旨に照らしAがCに対して(Dが登場する書例ではDに対して)不動産又は動産の所有権を主張することができるか正誤を答えて下さい。
ア Aは、Bにだまされて自己所有の不動産をBに売ったが、Bの詐欺に気付き、Bに対して売買契約を取り消すとの意思表示をした。しかし、取り消しまでの間に、Bが善意かつ無過失のCに当該不動産を売ってしまっていた。
ア AはCに対して所有権を主張することができない。善意かつ無過失(過失がない)のCに取り消しを対抗することができない。(民96.3)
イ Aは、Bに強迫されて自己所有の不動産をBに売ったが、強迫状態を脱し、Bに対して売買契約を取り消すとの意思表示をした。しかし、取消しまでの間に、Bが善意のCに当該不動産を売ってしまっていた。
イ AはCに対して所有権を主張することができる。詐欺又は脅迫によって意思表示をしたものは当該意思表示を取り消すことができる。脅迫を理由とする取り消しについては第三者を保護しなければいけないという規定はない。(民96.3反対解釈)
ウ Aは、自己所有の不動産の登記がBの名義になっていることを知りながら、この状態を事実上容認し、長期間放置していた。Bは、当該不動産の登記がBの名義になっていることを利用して、善意のCに当該不動産を売ってしまった。
ウ AはCに対して所有権を主張することができない。善意の第三者Cがいるので、これを保護しなければいけない 。この場合、Cは登記を備えていなくても所有権を主張することができる
(最判昭和45.9.22)
エ Aは、B所有の不動産をBから購入したが、いまだ所有権の移転の登記を経由していなかった。Cは、この事情を十分に知りつつ専らAを害する目的で、当該不動産をBから購入して所有権の移転の登記を完了し、さらに、善意のDに当該不動産を転売し、Dへの所有権の移転の登記をした。
エ AはDに対して所有権を主張することができない。
原則として背信的悪意者を保護する規定がないのでAはCに対して登記することなく不動産の所有権を主張することができる。
しかし本問のようにC(背信的悪意者)がBを害する目的で、当該不動産をBから購入して、善意のDに当該不動産を転売し、Dへの所有権の移転の登記をすれば、Dは善意の第三者になるので、AはDに対して所有権を主張することができない。(最判平8.10.29)
オ Aは、B所有の動産をBから買ったが、後日持ち帰ることにして、当該動産をBに保管してもらっていた。しかし、Bは、善意のCにも当該動産を売ってしまい、Cの依頼を受けてCのために当該動産を保管していた。
オ AはCに対して所有権を主張することができる。
本問のような占有改定も引き渡しと認められるので「先に引渡しを受けた」Aが所有権を主張することができる。(民183)
■代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。(民183)
■動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。(民178)
■動産の対抗要件は引き渡しである。
第3問 占有訴権に関する次のアからオまでの記述のうち, 判例の趣旨に照らし正誤を答えて下さい。
ア Aが占有する土地に隣接地の樹木が倒れてくるおそれがある場合には、A は隣接地の所有者であるBに対し、占有保全の訴えにより、樹木が倒れないようにするための予防措置を講ずるとともに損害賠償の担保を供与することを請求できる。
ア × 占有保全の訴えの内容は, 妨害の予防又は損害賠償の担保の請求である。(民199)
占有保全の訴えにおいては妨害の予防と損害賠償の担保の請求を一緒に請求することはできない。
イ AがBに無断でBの所有する土地上に建物を建築して占有している場合において、 Bが当該建物を解体するために重機を当該土地に持ち込もうとしているときは、Aは、Bに対し、占有保全の訴えにより、建物の解体の予防を請求することができる。
イ〇 占有の訴えを提起することができるのは, 占有者及び他人のために占有をする者である。(民197)
Aは、Bに対し、占有保全の訴えにより、建物の解体の予防を請求することができる。
ウ 建物の賃貸借契約が終了したにもかかわらず、賃借人Aが建物の占有を継続する場合には、賃貸人Bは、Aに対し、占有回収の訴えにより、建物の返還を請求することができる。
ウ× 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。(民197)
賃貸人Bは、Aに対し、占有回収の訴えにより、建物の返還を請求することができない。(最判昭和37.3.30)
工 Aが占有する建物の占有をBが奪い、その後、これをCに貸与した場合であっても、Aは、なおBに対し占有回収の訴えにより建物の返還を請求することができる。
エ〇 Aが占有する建物の占有をBが奪い、その後、これをCに貸与した場合であっても、Aは、なおBに対し占有回収の訴えにより建物の返還を請求することができる。(民202.2、大判昭和5.5.3)
オ Aが自宅の庭先に置いていた自転車をBが盗んで乗り回し、その後、これをCに売り渡した場合には、Aは、Cが占有を始めた時から1年以内であれば、占有回収の訴えにより、自転車の返還を請求することができる。
オ× 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。(民200.2)
■ 占有回収の訴えは、占有を奪われた時から1年以内に提起しなければならない。(民201)
第4問 建物の床面積又はその登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 建物に附属する屋外の階段は、屋根のある部分についても建物の床面積に算入しない。
ア〇 建物に附属する屋外の階段は、床面積に算入しない。(準則82.7)(昭和46.4.16民三238)
イ 5階建の建物の5階を取り壊した場合において、その取り壊した床面積と全く同じ床面積の分だけ1階を増築したときは、床面積の変更に係る建物の表題部の変更の登記を申請することを要しない。
イ× 5階建の建物の5階を取り壊した場合において、その取り壊した床面積と全く同じ床面積の分だけ1階を増築すれば、建物全体の合計床面積に変更はないが1階部分の床面積が増加しているので建物の表題部の変更の登記を申請する。(法51.1)
ウ 一室の一部に天井の高さ1.5メートル未満の部分がある場合には、その部分を除いて床面積を算出する。
ウ× 一室の一部に天井の高さ1.5メートル未満の部分がある場合でも床面積に算出する。(準則82.1.ただし書き)
エ 共用部分である旨の登記がある建物について、その床面積が誤って登記されていても、所有者には、建物の表題部の更正の登記を申請する義務はない。
エ〇 共用部分である旨の登記がある建物について、その床面積が誤って登記されていても、所有者には、建物の表題部の更正の登記を申請する義務はない。(法53)
オ 区分建物の要件を備えた2個の部屋から構成されている既登記の普通建物を甲・乙2個の区分建物に区分する登記を申請する場合には、区分後の甲・乙両建物のそれぞれの床面積としては、既登記の当該普通建物の登記された床面積を甲・乙それぞれの専有部分の面積で案分したものを申請書に記載すればよい。
オ× 区分建物になるので壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。(規115)
第5問 区分建物の表示に関する登記についての次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 団地共用部分である旨の登記がある建物について建物の滅失の登記の申請をする場合には、当該建物の所有者を証する情報を登記所に提供しなければならない。
ア〇 団地共用部分である旨の登記がある建物について建物の滅失の登記の申請をする場合には、当該建物の所有者を証する情報を登記所に提供しなければならない。(令別表17項)
イ 区分建物の表題登記の申請をする場合において、一棟の建物の名称があるときは、当該一棟の建物の名称を定めた規約を設定したことを証する情報を提供しなければならない。
イ× 一棟の建物の名称があるとき、当該一棟の建物の名称を定めた規約を設定したことを証する情報はいらない。(令別表12項)
ウ 区分建物である建物を新築した者が当該区分建物の表題登記の申請をしないまま死亡した場合には、その相続人は、相続の開始の日から一月以内に当該区分建物の表題登記を申請しなければならない。
ウ× 区分建物の表題登記の申請は原始取得者から申請するが死亡した場合は、相続人からでも申請できるが所有者を原始取得者したものにしなければいけない。又、相続の開始の日から一月以内に当該区分建物の表題登記を申請しなければならないという規定はない。(法47.2)
エ 表題登記がある非区分建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となったことにより当該表題登記がある建物が区分建物になった場合における当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請は、当該新築に係る区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。
エ〇 表題部の変更の登記の申請は、当該新築に係る区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。(法52.1)
オ Aが所有する相互に接続している2個の区分建物に、それぞれ、Bのための抵当権の設定の登記がされていても、その登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一であれば、Aは、当該2個の区分建物について、建物の合併の登記を申請することができる。
オ〇 抵当権の設定の登記がされていても、その登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一であれば、建物の合併の登記を申請することができる。(法56.5、規131)
第6問 合体による登記等の申請に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 相接続する甲・乙2個の区分建物の隔壁を除去する工事を行って1個の区分建物とした場合には、甲・乙の各区分建物の滅失の登記と合体後の建物の表題登記とを申請しなければならない。
ア× 隔壁除去等の工事で、数個の区分建物がその区分性を失って、構造上一個の非区分建物又は区分建物となる場合は合体の登記をする。(法49.1、令5.1)
合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消を申請する。
イ 2個以上の建物が合体して1個の建物となった場合において、合体前の建物がいずれも表題登記がない建物であるときは、当該合体後の建物についての合体時の所有者は、当該合体の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。
イ〇 2個以上の建物が合体して1個の建物となった場合において、合体前の建物がいずれも表題登記がない建物であるときは、当該合体後の建物についての合体時の所有者は、当該合体の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。(法49.2、47.1)
ウ 増築により主である建物とその附属建物とが合体した場合には、建物の床面積の増加による表題部の登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
ウ〇 主である建物とその附属建物とが合体した場合は、建物の床面積の増加による表題部の変更登記を申請しなければならない。(法51.1、準則95)
エ 抵当権の登記がある建物と抵当権の登記がない建物とについては、建物の合体による登記等を申請することはできない。
エ× 抵当権の登記があるないで、建物の合体による登記が申請ができないというものではない。(法50、令別表13項)
オ 2個の建物が合体して1個の建物になった場合において、その双方が表題登記がある建物であるときは、合体前の建物の表題部所有者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消を申請しなければならない。
オ〇 2個の建物が合体して1個の建物になった場合において、その双方が表題登記がある建物であるときは、合体前の建物の表題部所有者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消を申請しなければならない。(法49.1)
第7問 建物の表示に関する登記を申請する場合の添付情報とされている建物図面又は各階平面図に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 附属建物の新築による建物の表題部の登記事項に関する変更の登記を申請する場合において、主である建物に変更がないときは、当該申請書に添付すべき建物図面には、主である建物を表示することを要しない。
ア× 附属建物の新築による建物の表題部の登記事項に関する変更の登記を申請する場合において、主である建物に変更がないときでも、主である建物も建物図面に記載しなければいけない(登記研究396.104頁)
イ 既存の建物全部を取り壊し、その材料を用いて同一の床面積及び構造である建物を再築した場合において、建物の表示に関する登記を申請するときは、申請書に建物図面を添付することを要しない。
イ× 既存の建物全部を取り壊し、その材料を用いて同一の床面積及び構造である建物を再築した場合は建物の表題登記なので建物図面を添付する。(令別表12項)
ウ 地番を異にする他の土地に既登記の建物をえい行移転した場合において、建物の表示に関する登記を申請するときは、申請書に移転後の建物についての建物図面及び各階平面図を添付しなければならない。
ウ× 建物の所在の変更の登記を申請するので建物図面は添付しなければいけないが、床面積に変更はないので各階平面図を添付する必要はない。(令別表14項)
エ 各階平面図は、250分の1の縮尺により作成しなければならないが、建物の状況その他の事情によりその縮尺によることが適当でないときは、これによらないことができる。
エ〇 各階平面図は、原則として250分の1の縮尺により作成しなければならないが、建物の状況その他の事情によりその縮尺によることが適当でないときは、これによらないことができる。(規83.2ただし書き)
オ 建物が地下のみの建物である場合には、建物図面には、地下1階の形状を朱書しなければならない。
オ〇 建物が地下のみの建物である場合には、建物図面には、地下1階の形状を朱書しなければならない。(準則52.1)
第8問 表題部所有者のする表題部の変更の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 表題部所有者の氏名又は名称に変更があったときは、その変更があった日から1月以内に、表題部の変更の登記を申請しなければならない。
ア× 表題部所有者の氏名又は名称に変更があっても表題部の変更の登記の申請義務はない。(法31.1)
イ 表題部所有者の持分について変更があったときは、その変更があった日から1月以内に、表題部の変更の登記を申請しなければならない。
イ× 表題部所有者の持分について変更があったときは、所有権の登記手続によらなければいけない。(法32)
ウ 地目又は地積について変更があったときは、その変更があった日から1月以内に、表題部の変更の登記を申請しなければならない。
ウ〇 地目又は地積について変更があったときは、その変更があった日から1月以内に、表題部の変更の登記を申請しなければならない。(法37.1)
エ 共用部分である建物の床面積について変更があったときは、その変更があった日から1月以内に、表題部の変更の登記を申請しなければならない。
エ〇 共用部分である建物の床面積について変更があったときは、その変更があった日から1月以内に、表題部の変更の登記を申請しなければならない。(法51.1)
オ 建物が団地共用部分となったときは、その日から1月以内に、表題部の変更の登記を申請しなければならない。
オ× 建物が団地共用部分となったときでも、表題部変更登記の申請義務はない。(法58.2)
第9問 次の対話は、筆界特定制度に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、正誤を答えて下さい。
教授:筆界特定制度とは、どのような制度ですか。
学生ア:土地の所有権登記名義人等の申請に基づき、筆界特定登記官が当該土地及びこれに隣接する他の土地について、筆界の現地における位置等を特定する制度です。
ア〇 土地の所有権登記名義人等の申請に基づき、筆界特定登記官が当該土地及びこれに隣接する他の土地について、筆界の現地における位置等を特定する制度。(法123.2、法131.1)
教授:表題部所有者の相続人や所有権の仮登記名義人は、申請することができますか。
学生イ:いずれも申請することができます。
イ× 表題部所有者の相続人は筆界特定を申請することができる。
所有権の仮登記名義人は筆界特定を申請することができない。(平成17.12.6民二2760)
教授:筆界特定の申請は、そのほか、どのような者がすることができますか。
学生ウ:所有権登記名義人から土地の全部を譲り受けた者も、代位原因を証する情報を提供して代位申請をすることができます。
ウ× 筆界特定の申請は代位申請をすることはできない。(平成17.12.6民二2760)
教授:筆界特定の対象となる筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされている場合には、新たに当該土地の所有権の登記名義人となった者は、当該筆界について改めて筆界特定の申請をすることができますか。
学生エ:新たな所有権の登記名義人は、筆界特定の申請をすることができます。
エ× 既に筆界特定登記官による筆界特定がされている対象土地の筆界について、筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除き、筆界特定の申請をしても却下されます。(法132.6~7)
筆界特定をする特段の必要がある場合とは①~⑦である。(平成17.12.6民二2760)
①除斥事由がある筆界特定登記官又は筆界調査委員が筆界特定の手続に関与したこと。
②申請人が申請の権限を有していなかったこと。
③刑事上罰すべき他人の行為により意見の提出を妨げられたこと。
④代理人が代理行為を行うのに必要な授権を欠いたこと。
⑤筆界特定の資料となった文書その他の物件が
偽造又は変造されたものであったこと。
⑥申請人,関係人又は参考人の虚偽の陳述が筆界特定の資料となったこと。
⑦既にされた筆界特定の結論が誤っていたことが明らかになった。
教授:筆界特定の結果について不服がある場合には、申請人は、審査請求をすることができますか。
学生オ:いいえ。筆界特定は、筆界特定登記官が、筆界についての認識判断を示すもので、行政処分には当たりませんので、審査請求をすることはできません。ただ、不服がある場合には、民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えを提起することができます。
オ〇 筆界特定の結果について不服がある場合は審査請求をすることはできません。不服がある場合は、民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えを提起することができます。(法148)
第10問 土地の合筆に関する次のアからオまでの記述のうち正誤を答えて下さい。ただし、各記述中の条件の他に合併を妨げる要件はないものとする。
ア 甲地及び乙地について丙地を承役地とする地役権の登記がある場合において、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一であるときは、甲地及び乙地について合筆の登記を申請することができる。
ア× 要役地についてする地役権の登記がある土地は合筆することはできない。(法41.6)
イ 甲地及び乙地に鉱害賠償登録に関する登記がある場合において、その登録番号が同一であるときは、甲地及び乙地について合筆の登記を申請することができる。
イ〇 鉱害賠償登録に関する登記がある場合でも登録番号が同一であるときは合筆の登記を申請することができる。(法41.6、規105.4)
ウ 甲地及び乙地について抵当権の仮登記がある場合において、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一であるときは、甲地及び乙地について合筆の登記を申請することができる。
ウ〇 抵当権の仮登記でも登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一であれば合筆の登記を申請することができる。(昭和58.11.10民三6400)
エ 甲地の所有権の登記名義人はAであり、乙地の所有権の登記名義人はAの父Bである場合において、乙地をAが相続したときは、Aは、所有権の移転の登記を経ることなく甲地及び乙地について合筆の登記を申請することができる。
エ× 甲地の所有権の登記名義人はAであり、乙地の所有権の登記名義人はAの父Bである場合において、所有権の登記名義人の異なる土地については合筆登記をすることができないので、乙地の所有権の登記名義人をAにしなければ合筆をすることはできない。(法41.3)
オ 甲地と乙地にそれぞれ異なる抵当権が設定されている場合において、各々の抵当権者が作成した抵当権の消滅承諾書を添付したときは、甲地及び乙地について合筆の登記を申請することができる。
オ× 甲地と乙地にそれぞれ異なる抵当権が設定されている場合において、各々の抵当権者が作成した抵当権の消滅承諾書を添付しても甲地及び乙地について抵当権を消滅させることはできない。
第11問 登記所の管轄に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 公有水面の埋立てによる土地の表題登記の申請は、当該土地の編入される行政区画が確定するまでは、いずれの登記所にも申請することはできない。
ア〇 公有水面の埋立てによる土地の表題登記の申請は、当該土地の編入される行政区画が確定するまでは、いずれの登記所にも申請することはできない。(法25.1、昭和30.5.17民甲930)
イ 登記事項証明書の交付の請求は、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所にしなければならない。
イ× 登記事項証明書の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、管轄する登記所以外の登記所に対してもできる。(法25.1)
ウ 市町村合併により、不動産の所在地が甲登記所の管轄から乙登記所の管轄に転属したときであっても、当該不動産の登記記録が甲登記所から乙登記所に移送されるまでの間であれば、当該不動産に係る登記は甲登記所に申請することができる。
ウ× 市町村合併により、不動産の所在地が甲登記所の管轄から乙登記所の管轄に転属し行政区画が変更した場合、登記申請は転属先の乙登記所にしなければいけない(登記研究712.150頁)
エ 甲登記所の管轄区域にある土地が、乙登記所の管轄区域にある区分建物の敷地とされ、敷地権である旨の登記を受けたときであっても、当該土地に係る登記は、甲登記所に申請しなければならない。
エ〇 甲登記所の管轄区域にある土地が、乙登記所の管轄区域にある区分建物の敷地とされ、敷地権である旨の登記を受けたときであっても、当該土地に係る登記は、甲登記所に申請しなければならない。(法25.1)
オ 甲登記所において登記されている建物について、増築がされた結果、当該建物が乙登記所の管轄区域にまたがることとなった場合には、建物の表題部の変更の登記は、あらかじめ管轄登記所の指定を求める申請をした上で、指定された登記所に対して申請しなければならない。
オ× 甲登記所において登記されている建物について、増築がされた結果、当該建物が乙登記所の管轄区域にまたがることとなっても甲登記所が管轄登記所になる。(準則5)
第12問 分筆の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 敷地権付き区分建物の目的となっている土地について分筆の登記の申請をする場合、区分所有法に基づく集会において、区分所有敷地の分筆登記申請行為を管理組合の理事長である管理者に行わせることについて区分所有者及び議決権の各過半数による決議がされた場合であっても、管理者を選任した共有者らの代理人として、その理事長が分筆登記を申請することはできない。
ア× 区分所有法に基づく集会において、区分所有敷地の分筆登記申請行為を管理組合の理事長である管理者に行わせることについて区分所有者及び議決権の各過半数による決議がされた場合であっても、管理者を選任した共有者らの代理人として、その理事長が分筆に係る管理組合の総会の決議を証する情報を提供して分筆登記を申請することはできる。
※共有する土地について、管理人による分筆登記ができるように改正された。
■区分所有者は、原則として区分所有者及び議決権の各過半数による集会決議により、区分所有敷地の分筆の登記申請を管理者に行わせる決議をすることができる。これにより、当該管理者が、当該集会決議を行った区分所有者らの代理人となって、当該決議に基づいて区分所有敷地の分筆を申請することができる。
この場合、当該集会決議を行った区分所有者ら(区分所有者及び議決権の各過半数の者)が登記申請人となり、それ以外の区分所有者らは登記申請人となる必要はない。
なお、当該申請にあたっては、当該集会決議の議事録が管理者の代理権限証書となり、これとは別に登記申請について代理権を授与したことを証する情報の提供は要しない。
イ 不在者の財産管理人は、家庭裁判所の許可を得なくとも、不在者の土地について分筆の登記を申請することができる。
イ〇 不在者の財産管理人は、家庭裁判所の許可を得なくとも、不在者の土地について分筆の登記を申請することができる。(登記研究516.195頁)
ウ 相続登記がされた土地について、当該土地を分筆した上で分筆後の土地を各相続人が単独で所有する旨の遺産分割の調停が成立した場合において、当該土地の分筆の登記の申請に他の相続人の協力が得られないときは、代位により、単独で分筆の登記を申請することができる。
ウ〇 分筆後の土地を各相続人が単独で所有する旨の遺産分割の調停が成立した場合、土地の分筆の登記の申請で他の相続人の協力が得られないときは、代位により、単独で分筆の登記を申請することができる。(平成2.4.24民三1528)
エ 甲地の全部に乙地を要役地とする地役権の設定の登記がされ、その後に、乙地について所有権の移転の仮登記がされた場合において、甲地から丙地を分筆し、丙地について地役権を消滅させる旨の分筆の登記の申請をするときは、その地役権者が丙地について地役権を消滅させることを承諾したことを証する情報のほか、仮登記名義人が同様に承諾したことを証する情報を併せて提供しなければならない。
エ〇 地役権者が丙地について地役権を消滅させることを承諾したことを証する情報のほか、仮登記名義人が同様に承諾したことを証する情報を併せて提供しなければならない。(表示に関する登記の実務新版374~377頁)
オ 甲地について、未成年者A並びにAの父B及び母Cの共有に属する旨の登記がある場合には、B及びCのみが申請人として甲地の分筆の登記を申請することができる。
オ× 甲地についての持分は、未成年者Aが2/4、Aの父Bが1/4、母Cが1/4所有していることになる。
分筆登記は所有者の意思により申請するものであるが(法39.1)、共有物の軽微変更に該当し、所有者(表題部所有者または所有権の登記名義人)またはその相続人の持分の価格の過半数の者で申請することができる。
持分の価格の過半数の者が申請人になる必要があり、共有持分の価格を合算して過半数となる他の共有者の承諾書を提供するだけでは足りない。
Aの父Bが1/4、母Cが1/4の持分を足しても持分の価格の過半数にならないのでB及びCのみが申請人として甲地の分筆の登記を申請することはできない。
■共有者に未成年者がいる場合、未成年者が意思能力を有していれば未成年者でも申請することもできる。
■未成年者に意思能力がない場合は、父母が法定代理人にとして土地の分筆登記を申請することはできる。
共有物の軽微変更
(1) 共有者が共有物に変更を加える行為であっても、その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの(以下「軽微変更」という。)については、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決することとされた(改正民法第251条第1項、第252条第1項)。
(2) 分筆又は合筆の登記については、前記(1)の軽微変更に該当し、分筆又は合筆の登記を申請しようとする土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人(不登法第39条第1項)の持分の価格に従い、その合計が過半数となる場合には、これらの者が登記申請人となって分筆又は合筆の登記を申請することができ、それ以外の共有者らが登記申請人となる必要はない(改正民法第252条の2第1項に規定する共有物の管理者が代理人となって登記申請をする場合については、後記5のとおり。)。
(3) 登記官は、登記申請人となった共有者らの有する持分の価格に従った合計が過半数であることを登記記録で確認することになる。
(4) 所有権の登記がある土地の合筆の登記申請時に提供を要する登記識別情報(不登令第8条第2項第1号)は、登記申請人に係るもののみで足
りる。
(5) 登記官は登記の完了後、登記申請人にならなかった共有者全員に対し、不登規則第183条第1項第1号に基づき登記が完了した旨を通知する
ものとする(同条第2項の規定にかかわらず、登記申請人にならなかった共有者全員に通知するものとする。)。
(6) 区分所有法の適用がある建物の敷地(以下「区分所有敷地」という。)の分筆の登記についても、上記と同様に取り扱うものとする(区分所有
法第25条第1項に規定する管理者が代理人となって登記申請をする場合については、後記5のとおり。
第13問 地目に関する変更の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 地目が宅地として登記されている土地であって、区分所有建物の規約によって建物の敷地とされた土地(規約敷地)が駐車場として使用された場合には、地目を雑種地とする地目に関する変更の登記を申請しなければならない。
ア〇 土地(規約敷地)が駐車場として使用された場合には、地目を雑種地とする地目に関する変更の登記を申請しなければならない。(法37.1)
イ 地目が畑として登記されている土地につき、駐車場に転用することについての農地法の規定による許可を得て駐車場として利用していたが、その後、その土地上に工場を新築した場合には、地目を雑種地に変更することなく、直ちに、地目を宅地とする地目に関する変更の登記を申請することができる。
イ〇 地目が畑として登記されている土地につき、駐車場に転用することについての農地法の規定による許可を得て駐車場として利用していたが、その後、その土地上に工場を新築した場合には、地目を雑種地に変更することなく、直ちに、地目を宅地とする地目に関する変更の登記を申請することができる。
ウ 地目が雑種地として登記されている土地であって、遊園地の敷地として利用されている土地の一部に売店を新築した場合において、その売店部分の敷地がフェンス等により他の敷地と判然区分することができる状況にあるときは、その部分について、分筆をして、地目を宅地とする地目に関する変更の登記を申請することができる。
ウ〇 地目が雑種地として登記されている土地であって、遊園地の敷地として利用されている土地の一部に売店を新築した場合において、その売店部分の敷地がフェンス等により他の敷地と判然区分することができる状況にあるときは、その部分について、分筆をして、地目を宅地とする地目に関する変更の登記を申請することができる。(地目認定改訂版74頁)
エ 学校の用地内の一画を野外実習を目的とする畑とした場合には、その部分について、分筆をして、地目を畑とする地目に関する変更の登記を申請しなければならない。
エ× 学校の用地内の一画なので地目は学校用地となる。(地目認定改訂版84頁)
オ 牧場地域内に新築した農具小屋が永久的設備と認められる場合には、農具小屋の敷地について、分筆をして、地目を宅地とする地目に関する変更の登記を申請しなければならない。
オ× 牧場地域内に建物がある場合でも地目は牧場である。(準則69.4)
第14問 下図は、筆界特定制度の手続の流れを表した図である。それぞれの枠に後記のアからオまでの用語から適当なものを選んで当てはめた場合に、ウの枠に当てはめる用語として最も適当な用語は、次のうちどれか。

1 意見聴取等の期日
2 筆界調査委員の指定
3 却下
4 筆界調査委員の意見提出
5 筆界特定登記官による審査
ア
筆界特定登記官による審査
イ
却下
ウ
筆界調査委員の指定
エ
意見聴取等の期日
オ
筆界調査委員の意見提出
第15問 次の表の登記欄に掲げる登記の申請を書面によってする場合において、対象書面欄に掲げる書面について、押印者欄に掲げる者が押印をする必要があるものは、次のアからオまでのうち正誤を答えて下さい。
| |
登 記 欄 |
対象書面欄 |
押印者欄 |
| ア |
建物の表題登記 | 申請人が記名した委任状 |
申請人 |
| イ |
建物の合併の登記 |
委任による代理人が署名した申請書 |
委任による代理人 |
| ウ |
建物の合体の登記 |
申請書に添付する建物図面であって,申請人が記名したもの |
申請人 |
| エ |
土地の合筆の登記 |
申請人が署名した委任状であって,公証人の認証を受けたもの |
申請人 |
| オ |
土地の分筆の登記 |
申請書に添付する地積測量図であって,その作成者が署名したもの |
地積測量図の作成者 |
ア
ア 押印をする必要がある(令16.1~3、令18.1~3)
イ
押印をする必要がない(令16.1~3、規47.1)
ウ
押印をする必要がない(規74.2)
エ
押印をする必要がない(令16.1~3、令18.1~3)
オ
作成者が地積測量図に署名しているので押印をする必要がない(規74.2)
→記名・押印まとめ
原則として、委任による代理人によって登記を申請する場合、申請人は当該代理人の権限を証する情報を記載した書面(委任状)に記名押印しなければならない。ただし、次の場合には、申請人は、委任状に記名押印する必要はない。
※申請人(又はその代表者もしくは代理人)が
委任状に署名し、公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
※申請すべき表示に関する登記が、所有権の登記がある不動産についての合筆の登記、合体による登記等又は建物の合併の登記以外の登記であって、申請人(又はその代表者もしくは代理人)が委任状に署名した場合
※図面についての押印
土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図には、作成の年月日を記録し、申請人が記名するとともに、その作成者が署名し、又は記名押印しなければならない。
第16問 次のアからオまでの表示に関する登記のうち、一の申請情報によってその申請をすることができるか正誤を答えて下さい。
ア 甲土地の一部を分筆した上でこれを乙土地に合筆する場合における分筆の登記及び合筆の登記
ア 土地の一部を分筆した上でこれを隣接する他の土地に合筆する場合における分筆の登記及び合筆の登記は一の申請情報で申請できる。(令4ただし書き、規35.7)
イ 甲建物を区分した上でその一部を乙建物の附属建物とする場合における建物の区分の登記及び建物の合併の登記
イ 甲建物を区分した上でその一部を乙建物の附属建物とする場合における建物の区分の登記及び建物の合併の登記は一の申請情報で申請できる。(令4ただし書き、規35.7)
ウ 附属建物の登記がされている甲建物の主である建物の種類を変更し、同時に、その附属建物を分割して乙建物とする場合における建物の表題部の登記事項に関する変更の登記及び建物の分割の登記
ウ 附属建物の登記がされている甲建物の主である建物の種類を変更し、同時に、その附属建物を分割して乙建物とする場合における建物の表題部の登記事項に関する変更の登記及び建物の分割の登記は一の申請情報で申請できる。
不動産登記規則第35条(一の申請情報によって申請することができる場合)
■ 同一の不動産について申請する二以上の登記が、不動産の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記及び土地の分筆の登記若しくは合筆の登記又は建物の分割の登記、建物の区分の登記若しくは建物の合併の登記は一の申請情報によって申請することができる。
エ 甲建物を取り壊してその跡地に乙建物を新築した場合における建物の滅失の登記及び建物の表題登記
エ 建物の滅失の登記と建物の表題登記は別々に申請しなければいけない。(令4ただし書き)建物の滅失の登記と建物の表題登記は登記の目的と登記原因及び日付けが異なるので一の申請情報で申請することはできない。
オ 同一の登記所の管轄区域内にある甲土地と乙建物の表題部所有者の氏名に変更があった場合における甲土地及び乙建物の表題部所有者の氏名についての変更の登記
オ 甲土地と乙建物の表題部所有者の氏名に変更があった場合における甲土地及び乙建物の表題部所有者の氏名についての変更の登記は、一の申請情報で申請できる。
■ 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるときは、一の申請情報で申請できる(令4ただし書き)
第17問 登記識別情報の提供を必要とする登記の申請をする場合において、登記識別情報の提供をすることができないときの手続に関する次のアからオまでの記述のうち正誤を答えて下さい。
ア 登記識別情報の提供をすることができない場合には、申請情報にその理由を記載しなければならない。
ア〇 登記識別情報の提供をすることができない場合は、申請情報にその理由を記載しなければならない。(令3.12)
イ 資格者代理人によって申請がされた場合であって、資格者代理人が本人確認情報を提供し、かつ、その内容が相当であるときは、登記官は、登記義務者に対して事前通知をする必要はない。
イ〇 資格者代理人が本人確認情報を提供し、かつ、その内容が相当であるときは、登記官は、登記義務者に対して事前通知をする必要はない。(法23.1、法23.4.1)
ウ 資格者代理人は、申請人の氏名を知らず、又は申請人と面識がないときは、登記官に対し、本人確認情報の提供をすることができない。
ウ× 資格者代理人は申請人の氏名を知らず、又は申請人と面識がないときでも本人確認情報の提供をすることができる。
下記①②がわかれば資格者代理人は、申請人の氏名を知らず、又は申請人と面識がないときでも、登記官に対し本人確認情報の提供をすることができる。(規72.1.3)
①資格者代理人が申請人と面談した日時、場所及びその状況を記載
②申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために、当該申請人から提示を受けた不動産登記規則第72条第2項各号に掲げる書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由がある。
エ 登記識別情報が通知されなかった場合及び登記識別情報の失効の申出に基づいて登記識別情報が失効した場合に限り、登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合に該当するとして、登記識別情報の提供をすることなく登記の申請をすることができる。
エ× 登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由とは①~⑥のみです。
① 申請人が登記識別情報の通知を希望しなかった、登記識別情報が通知されなかった。(法21、準42.1)
②登記識別情報の失効の申出に基づき,登記識別情報が失効した。(準42.1.2)
③登記識別情報を失念した。(準42.1.3)
④ 登記識別情報を提供することにより登記識別情報を適切に管理する上で支障が生ずることとなる。(準42.1.4)
⑤ 登記識別情報を提供したとすれば当該申請に係る不動産の取引を円滑に行うことができないおそれがある場合。(準42.1.5)
⑥登記済証しかない場合で、電子申請する場合(平17.2.25.457)
(法21)登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。
オ 登記義務者が海外にあるなど正当な理由がある場合には、事前通知を資格者代理人に対して行うようにする旨の申立てをすることができる。
オ× 資格者代理人に対して事前通知は行われない。登記義務者が外国に住所を有する場合には、事前通知に対する当該申請の内容が真実である旨の申出期間は通知を発してから4週間以内とされている。
第18問 建物の滅失の登記の申請に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 被相続人が所有権の登記名義人である建物について、被相続人の死亡後、所有権の移転の登記をする前に相続人の一人が当該建物を取り壊した場合には、他の相続人が建物の滅失の登記の申請をすることができる。
ア〇 相続人の一人が当該建物を取り壊した場合には、他の相続人が建物の滅失の登記の申請をすることができる。(登記研究531.119頁)
イ 抵当権が設定されている建物の滅失の登記を申請するに際しては、その抵当権者の承諾を証する当該抵当権者が作成した情報を添付することを要しない。
イ〇 抵当権が設定されている建物の滅失の登記を申請するに際しては、その抵当権者の承諾を証する当該抵当権者が作成した情報を添付することを要しない。
ウ 建物の滅失の登記を代理人が書面により申請する場合には、申請人は、委任状に押印した印鑑に関する証明書を添付しなければならず、かつ、その証明書は作成後3月以内のものでなければならない。
ウ× 建物の滅失の登記を代理人が書面により申請する場合、委任状に押印した印鑑に関する証明書を添付する必要はなく証明書も作成後3月以内のものである必要がない。
エ 建物を同一の敷地において解体移転した場合には、その登記記録には変更がないので、建物の滅失の登記を申請する必要はなく、建物図面の変更の申出をすればよい。
エ× 建物を同一の敷地において解体移転した場合は解体移転前の建物の滅失の登記を申請し、解体移転後の建物について表題登記を申請する。(準則85.1)
オ 一棟の建物がいずれもAが所有する甲・乙2個の敷地権付き区分建物で構成されている場合において、甲建物のみが滅失したときは、Aは、甲建物の滅失の登記とともに、乙建物について、敷地権であった権利が敷地権でない権利となったことによる建物の表題部に関する変更の登記及び乙建物を非区分建物とする建物の表題部に関する変更の登記を申請しなければならない。
オ× 甲建物の滅失の登記とあわせて、乙建物の敷地権であった権利が敷地権でない権利となったことによる建物の表題部に関する変更の登記及び乙建物を非区分建物とする建物の表題部に関する変更の登記を併せて申請しなければいけないという規定はない。
第19問 次のアからコまでのうち、登記をすることができる建物として取り扱うことができるか正誤を答えて下さい。
ア 給水タンク
ア× 給水タンクは建物として取り扱うことができない。(準則77.2.ア)
イ ガード下を利用して築造した倉庫
イ○ ガード下を利用して築造した店舗,倉庫等の建造物は建物として取り扱うことができる。(準則77.1.ウ)
ウ 地下停車場
ウ○ 地下停車場,地下駐車場又は地下街の建造物は建物として取り扱うことができる。(準則77.1.エ)
エ 停車場の乗降湯のうち、上屋を有する部分
エ○ 停車場の乗降場のうち,上屋を有する部分は,建物として取り扱うことができる。(準則77.1.ア)
オ 機械上に建設した建造物であって、地上に基脚を有するもの
オ○ 機械上に建設した建造物であって地上に基脚を有するものは建物として取り扱うことができる。(準則77.2.イ)
カ 農耕用の温床施設であって、半永久的な建造物であるもの
カ○ 園芸又は農耕用の温床施設であって,半永久的な建造物であるものは,建物として取り扱うことができる。(準則77.1.オ)
キ 野球場の観覧席のうち、屋根を有する部分
キ○ 野球場の観覧席のうち,屋根を有する部分は,建物として取り扱うことができる。(準則77.1.イ)
ク 容易に運搬することができる入場券売場
ク× 容易に運搬することができる切符売場又は入場券売場等は定着性がないので建物として取り扱うことができない。(準則77.2.オ)
ケ 浮船を利用したものであって固定しているもの
ケ○ 浮船を利用したものであって,固定しているものは,建物として取り扱うことができる。(準則77.2.ウ)
コ アーケード付街路であって、公衆用道路上に屋根覆いを施した部分
コ× アーケード付街路であって,公衆用道路上に屋根覆いを施した部分は,建物として取り扱うことができない。(準則77.2.エ)
第20問 土地家屋調査士(以下「調査士」という。)又は土地家屋調査士法人(以下「調査士法人」という。)に関する次のアからオまでの記述のうち、正誤を答えて下さい。
ア 調査士は、不動産の表示に関する登記の申請手続の代理業務又はこれに関する審査請求の手続についての代理業務について、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒んではならない。
ア〇 調査士は、不動産の表示に関する登記の申請手続の代理業務又はこれに関する審査請求の手続についての代理業務について、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒んではならない。(調法3.1.4)
イ 調査士は、公務員として職務上取り扱った事件及び仲裁手続により仲裁人として取り扱った事件について、その業務を行ってはならない。
イ〇 調査士は、公務員として職務上取り扱った事件及び仲裁手続により仲裁人として取り扱った事件について、その業務を行ってはならない。(調法22.2.1)
ウ 調査士法人は、補助者を置いたときは、遅滞なく、その旨を事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に届け出なければならない。
ウ× 調査士法人は、補助者を置いたとき、置かなくなったときは、遅滞なく、その旨を所属の調査士会に届け出なければならない。(規35条,調法23.2)
エ 調査士は、筆界特定の手続についての代理業務についての事件の依頼を承諾しないときは、速やかに、その旨を依扱者に通知しなければならない。
エ〇 調査士は、筆界特定の手続についての代理業務についての事件の依頼を承諾しないときは、速やかに、その旨を依扱者に通知しなければならない。(調法規25.2)
オ 調査士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会の会員である社員を常駐させなければならない。
オ〇 調査士法人は、事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会の会員である社員を常駐させなければならない。(1問1答調査士法70~71頁)
※土地家屋調査士2007年(平成19年)の過去問は、ここまでです。
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