トップページ> 一問一答2020年(令和2年)
一問一答2020年(令和2年)
甲土地と乙土地の地番区域が相互に異なるときは,本件合筆の登記を申請することはできない。
○ 甲土地と乙土地の地番区域が相互に異なるときは,本件合筆の登記を申請することはできない。(法41.2)
甲不動産を所有の意思なく占有していたAが死亡し,Bがその占有を相続により承継した場合には,Bは,新たに甲不動産を事実上支配することによって占有を開始し,その占有に所有の意思があるとみられ,かつ,Bの占有開始後,所有権の時効取得に必要とされる期間その占有を継続したとしても,自己の占有のみを主張して甲不動産の所有権を時効取得することはできない。
× 甲不動産を所有の意思なく占有していたAが死亡し,Bがその占有を相続により承継した場合,Bは,新たに甲不動産を事実上支配することによって占有を開始し,その占有に所有の意思があるとみられ,かつ,Bの占有開始後,所有権の時効取得に必要とされる期間その占有を継続すれば,自己の占有のみを主張して甲不動産の所有権を時効取得することができる。(法185)(最判昭46.11.30)
■権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合には、その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるのでなければ、占有の性質は、変わらない(民法185条)
■不動産を占有する意思のない被相続人Aが死亡し,その相続人が「相続人が占有を承継」し「相続人が新たに相続財産を支配」し「相続人が占有に所有の意思があり」さえすれば,生前に不動産を占有する意思のない被相続人がいた場合でも,相続人が占有を始めたと見なされる。(最判昭46.11.30)
敷地権の登記がされた後に抵当権の設定の登記がされた区分建物について滅失の登記を申請する場合において,申請情報と併せて,当該抵当権の登記名義人が敷地権の目的である土地について抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたときは,建物の登記記録に,その土地について抵当権が消滅した旨が記録される。
○ 敷地権の登記がされた後に抵当権の設定の登記がされた区分建物について滅失の登記を申請する場合において,申請情報と併せて,当該抵当権の登記名義人が敷地権の目的である土地について抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたときは,建物の登記記録に,その土地について抵当権が消滅した旨が記録される。
敷地権の登記がされた後にされた抵当権設定登記は,敷地権が所有権又は地上権であれば, 例外がなければ敷地権についてされた登記としての効力を有する登記なので特定登記になる。(法55・1, 法73・1)
その場合, 登記官は敷地権付き区分建物のうち特定登記があるものについて, 建物滅失登記をする場合において, 建物滅失登記の申請情報と併せて特定登記に係る権利の登記名義人が, 建物の滅失の登記後の敷地権の目的であった土地について当該特定登記に係る権利を消滅させることを承諾したことを証する情報を提供すれば, 土地について当該特定登記に係る権利が消滅した旨を登記しなければならない。(法55.4)
その場合, 消滅した権利に係る権利に関する登記を土地登記記録に転写することを要しない。(規125.2.4)
土地の地積に関する更正の登記を申請する場合において,更正後の土地の地積が増加するときは,添付情報として,増加部分の所有権を有することを証する情報を提供しなければならない。
× 土地の地積に関する更正の登記を申請する場合において,更正後の土地の地積が増加するときは,添付情報として,増加部分の所有権を有することを証する情報を提供しなければならないという規定はない。(令別表6項・添付情報欄参照)
土地家屋調査士は,土地の表示に関する登記について必要な測量の業務の依頼を受けた場合において,自ら当該業務を行うことができない正当な事由があるときは,補助者に当該業務を取り扱わせることができる。
× 土地家屋調査士は,土地の表示に関する登記について必要な測量の業務の依頼を受けた場合において,自ら当該業務を行うことができない正当な事由があるときでも,補助者に当該業務を取り扱わせることができない。
教授:権利能力なき社団Aの資産である不動産について,これを登記するためにはどのような方法がありますか。
学生: A名義で登記をすることはできませんが,Aの構成員全員による共有名義で登記をすることや,Aの代表者であるBの個人名義で登記をすることは可能です。
○ 社団A名義で登記をすることはできませんが,Aの構成員全員による共有名義で登記をすることやAの代表者であるBの個人名義で登記をすることは可能です。(昭和23・6・21民三1879,昭和28・12・24民甲2523)。
地上部分が2階層,地下部分が4階層からなる建物の階数により区分された建物の構造は,「地上2階付き地下4階建」である。
× 地上部分が2階層,地下部分が4階層からなる建物の階数により区分された建物の構造は,「地下4階付き2階建」と表示する。(準81,1・3・イ)
ゴルフ場として一団で利用されている数筆の土地の地目は,その一部の土地上に建物がある場合であっても,当該建物の敷地以外の土地の利用を主とし,当該建物はその付随的なものに過ぎないと認められるときは,その全部を一団として雑種地とする。
○ 遊園地、運動場、ゴルフ場、飛行場においては、一部に建物がある場合でも、建物敷地以外の土地の利用を主とし当該建物はその付随的なものに過ぎないと認められるときは,その全部を一団として雑種地とする。(準69.7)
建物の滅失の登記の申請情報及びその添付情報は,受付の日から30 年間保存される。
○ 表示に関する登記の申請情報及びその添付情報は, 受付の日から30年間保存される。(規28.9)
建物の滅失の登記の申請情報及びその添付情報は,受付の日から30年間保存される。
次の第1欄及び第2欄の登記の申請又は嘱託をする場合の各登録免許税が,いずれも第3欄に記載された内容となるか正誤を答えて下さい。なお,当該申請又は嘱託は,登録免許税の額が最も低額となるように申請するものとする。
×【 第1欄 】1個の建物の表題部所有者の住所の変更の登記の申請においては所有権に関する登記がなく,いかなる場合でも登録免許税が課されないので非課税。
【 第2欄 】宗教法人が所有権の登記名義人である土地を2筆にする分筆の登記の申請は登録免許税が課せられる。所有権の登記がある土地の分筆の登記の申請の登録免許税の額は,分筆後の土地1個につき1,000円。(登免法1・1・(十三)・イ)
【 第3欄 】非課税とはならい。
第1欄 |
第2欄 |
第3欄 |
| 1 個の建物の表題部所有者の住所の変更の登記の申請 |
宗教法人が所有権の登記名義人である土地を2 筆にする分筆の登記の申請 |
非課税 |
Aが,甲不動産を10年間占有したことを理由として甲不動産の所有権の時効取得を主張する場合,その占有の開始の時に,Aが甲不動産を自己の所有と信じたことにつき無過失であったことは推定されない。
○ Aが,甲不動産を10年間占有したことを理由として甲不動産の所有権の時効取得を主張する場合,その占有の開始の時に,Aが甲不動産を自己の所有と信じたことにつき無過失であったことは推定されない。
■占有者の「善意」は、推定される。(法186.1)
■Aが甲不動産を自己の所有と信じたことにつき「無過失」であったことは推定されない。
■占有者は、所有の意思をもって、「善意」で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。(民法186)
■前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。(民法186.2)
自動車による通行を前提とする囲繞地通行権は,囲繞地の所有者の承諾がなければ成立しない。
× 徒歩・自転車・自動車で通行を前提とする囲繞地通行権でも囲繞地通行権は成立する。(最判平成18・3・16)
対象土地の抵当権の登記名義人は,筆界特定登記官に対し,対象土地の筆界について意見又は資料を提出することができる。
× 対象土地の抵当権の登記名義人は,筆界特定登記官に対し,対象土地の筆界について意見又は資料を提出することができない。(法133.1.1,法139.1)
登記名義人が同一である所有権の登記がある建物の合体による登記等を申請する場合には,当該合体に係る建物のうちいずれか1 個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば足りる。
○ 登記名義人が同一である所有権の登記がある建物の合体による登記等を申請する場合には,当該合体に係る建物のうちいずれか1個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば足りる。(令8.2.2)
マンションの居住者のために屋外駐車場として利用されている土地について,当該駐車場部分が公道によりマンションの敷地と判然と区分されている場合,当該屋外駐車場として利用されている土地の地目は宅地とする。
× マンションの居住者のために屋外駐車場として利用されている土地について,当該駐車場部分が公道によりマンションの敷地と判然と区分されている場合,当該屋外駐車場として利用されている土地の地目を宅地とすることはできず「雑種地」と定めなければいけない。仮にマンション居住者のための屋外駐車場として判然と区分されていない場合は宅地とする。(地目認定改訂237頁)
筆界特定登記官は,筆界特定の申請人が対象土地の筆界について意見又は資料を提出しない場合であっても,筆界特定をすることができる。
○ 筆界特定登記官は,筆界特定の申請人が対象土地の筆界について意見又は資料を提出しない場合であっても,筆界特定をすることができる。筆界特定登記官は,申請人又は関係人が意見又は資料を提出しないことを理由として筆界特定ができないものではない。
■筆界特定登記官は、筆界調査委員の意見が提出されたときは、その意見を踏まえ、登記記録、地図又は地図に準ずる図面及び登記簿の附属書類の内容、対象土地及び関係土地の地形、地目、面積及び形状並びに工作物、囲障又は境界標の有無その他の状況及びこれらの設置の経緯その他の事情を総合的に考慮して、対象土地の筆界特定をし、その結論及び理由の要旨を記載した筆界特定書を作成しなければならない。(法143.1)
■筆界特定書においては、図面及び図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものにより、筆界特定の内容を表示しなければならない。(法143.2)
■筆界特定書は、電磁的記録をもって作成することができる。(法143.3)
土地家屋調査士法人は,定款で定めるところにより,当事者その他関係人の依頼を受けて,鑑定人に就任し,土地の筆界に関する鑑定を行う業務をすることができる。
○ 土地家屋調査士法人は,定款で定めるところにより,当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、鑑定人その他これらに類する地位に就き、土地の筆界に関する鑑定を行う業務又はこれらの業務を行う者を補助する業務をすることができる。(規29.1)
物置として登記されていた附属建物を,その基礎部分を残して取り壊し,その基礎上に種類,構造及び床面積が同一である附属建物を新築した場合に行う登記申請においては,添付情報として,建物図面を提供することを要しない。
× 物置として登記されていた附属建物を,その基礎部分を残して取り壊し,その基礎上に種類,構造及び床面積が同一である附属建物を新築した場合に行う登記申請においては,既存の附属建物全部を取り壊し,その材料を用いて建物を建築した場合(再築)は,既存の附属建物が滅失し,新たな附属建物が建築されたものとして取り扱うものとするので添付情報として建物図面を提供しなければいけない。(準83)
次の第1欄及び第2欄の登記の申請又は嘱託をする場合の各登録免許税が,いずれも第3欄に記載された内容となるか正誤を答えて下さい。なお,当該申請又は嘱託は,登録免許税の額が最も低額となるように申請するものとする。
× 【 第1欄 】所有権の登記がある区分建物の区分合併の登記の登録免許税の額は、合併後が区分建物,非区分建物になるかにかかわらず、合併後の建物1個につき1,000円。(登免法別表第1 ・ 1 ・ (十三)・ ロ)
【 第2欄 】いずれも所有権の登記のある2個の建物が合体して1個の建物となったためにする合体による登記等の申請は,合体による登記等の申請と併せて所有権の登記を申請することを要しないので登録免許税は課されないので非課税。(法49.1)
【 第3欄 】非課税とはならい。
第1欄 |
第2欄 |
第3欄 |
| 一棟の建物にいずれも所有権の登記のある2個の区分建物が属する場合に当該2 個の区分建物 を1 個の区分建物でない建物とする区分建物の合併の登記の申請 |
いずれも所有権の登記のある2 個の建物が合体して1個の建物となったためにする合体による 登記等の申請 |
非課税 |
附属建物がある主である建物について,当該主である建物のみが取壊しにより滅失した場合,取壊しを登記原因として,建物の表題部の登記の抹消を申請しなければならない。
× 附属建物がある主である建物のみが滅失した場合、残存する附属建物を主である建物として表示する建物の表題部の変更の登記をする。(準102)
所有者が異なる数個の区分建物が属する一棟の建物が滅失した場合において,一棟の建物の滅失の登記の申請は,区分建物の所有者の一人からすることができる。
○ 所有者が異なる数個の区分建物が属する一棟の建物が滅失した場合において,一棟の建物の滅失の登記の申請は,区分建物の所有者の一人からすることができる。
所有者が異なる数個の区分建物が属する一棟の建物が滅失した場合において,一棟の建物の滅失の登記の申請は,1個の区分建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人から当該一棟の物の滅失の登記を申請すればよい。(昭38・ 8 ・ 1民三426)
土地の所有権の登記名義人が死亡し,その相続人の一人が当該土地の地積に関する更正の登記を申請する場合には,添付情報として,他の相続人の承諾を証する情報を提供することを要しない。
○ 土地の所有権の登記名義人が死亡し,その相続人の一人が当該土地の地積に関する更正の登記を申請する場合には,添付情報として,他の相続人の承諾を証する情報を提供することを要しない。
土地の地積に関する更正の登記は「共有物の保存行為」で「報告的登記」であり,共有者又は相続人の内の1人から申請することができ承諾を証する情報を提供することを要しない。(民252条ただし書、法30)
地目が畑として登記されている一筆の土地について,当該土地を宅地にするための工事が完了し,当該土地を敷地とする建物の建築について建築基準法に基づく確認済証が交付されたが,建物の建築工事が始まっていない場合,当該土地の地目を宅地と認定することはできない。
× 地目の変更の登記の申請に係る土地(以下「対象土地」という。)を宅地に造成するための工事が既に完了している場合でも、対象土地が現に建物の敷地に供されているとき又は近い将来、建物の敷地に供されることが確実に見込まれるときでなければ、宅地への地目の変更があったものとは認定しないものとされているが、宅地造成のための工事が完了している場合において、建物の建築について建築基準法6条1項の確認がされているときは、登記官は、対象土地が近い将来建物の敷地に供されることが確実に見込まれるものと認定してよいとされている。(昭和56・8・28民三5402号通達2・一,昭和56・8・28民三5403号通知7 )
一筆の土地に係る全ての筆界について筆界特定がされた場合において,筆界特定手続記録により,当該土地の登記記録の地積に錯誤があると認められるときは,当該土地の管轄登記所の登記官は,当該土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人に対して地積に関する更正の登記の申請を促すことなく,職権で地積に関する更正の登記をしなければならない。
× 一筆の土地に係る全ての筆界について筆界特定がされた場合において,筆界特定手続記録により,当該土地の登記記録の地積に錯誤があると認められるときでも管轄登記所の登記官は,土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの相続人その他の一般承継人に対し, 地積に関する更正の登記の申請を促すものとし,その者が申請をしないときは,職権で土地について地積に関する更正の登記をするものとされている。(平18・1・6民二27,第3・一.1)
申請人Aが土地家屋調査士Bに対して土地の合筆の登記の申請を委任し,A作成の委任状には委任事項として,「土地の合筆の登記申請に関する一切の権限」とのみ記載されている。BがAを代理して土地の合筆の登記を申請するに際し,この委任状を代理権を証する情報として提供した場合におけるBの権限についてBは,電子申請の方法により,土地の合筆の登記を申請する場合,添付情報として,登記識別情報を提供することができる。
×「登記識別情報を提供する場合」特別の委任が必要になります。この登記識別情報を提供する特別の委任とは「登記識別情報の暗号化に関する一切の権限」が必要になります。
※電子申請における登記識別情報の提供及び受領の方法
①代理人として,電子申請をする者が申請人から登記識別情報を知ることを特に許されている場合は,「登記識別情報の提供」及び「受領に係る登記識別情報提供様式」,「登記識別情報通知用特定ファイル届出様式及び登記識別情報取得申請書ファイル(以下「当該ファイル等」という。)」には
申請人本人の電子署名が「不要」とされ,当該ファイル等には
代理人の電子署名がされていれば「足りる」こととされた。
■①の方法により登記識別情報を提供するときは,代理人の権限を証する情報に「登記識別情報の暗号化に関する一切の権限」の委任条項が必要である。
■登記識別情報通知用特定ファイル届出様式及び登記識別情報取得申請書ファイルに申請人の電子署名がなく,代理人の電子署名をしかなかったにもかかわらず,代理人の権限を証する情報に「登記識別情報の復号に関する一切の権限」の委任条項が含まれなかったときは,規則第63条第1項第1号の規定により登記識別情報を通知することができない。
建物の所有権の登記名義人が死亡した後に当該建物が滅失した場合,その相続人は,相続による所有権の移転の登記を行った後でなければ,当該建物の滅失の登記を申請することができない。
× 建物の所有権の登記名義人が死亡した後に当該建物が滅失した場合でも,その相続人は相続による所有権の移転の登記を行うことなく建物の滅失の登記を申請することができる。(登記研究531)
仮換地が指定された土地の上に建物を新築する場合において,当該建物の表題登記の申請をするときは,申請情報である建物の所在として,従前の土地の地番を提供しなければならない。
× 仮換地が指定された土地の上に建物を新築する場合において,当該建物の表題登記の申請をするときは,申請情報である建物の所在として,従前の土地の地番を提供する必要はない。
建物が仮換地上に建築された場合は,建物の所在として建物の底地を記載し,換地の予定地番をかっこ書で併記するものとされている(昭43.2.14民甲170)
従前の土地の地番を提供するのは敷地権として一体化しているような場合は,敷地権の表示を明らかにするために敷地権の内容を記載することがある。
申請人Aが土地家屋調査士Bに対して土地の合筆の登記の申請を委任し,A作成の委任状には委任事項として,「土地の合筆の登記申請に関する一切の権限」とのみ記載されている。BがAを代理して土地の合筆の登記を申請するに際し,この委任状を代理権を証する情報として提供した場合におけるBの権限についてBは,土地の合筆の登記を申請した後にAが登記申請意思を撤回した場合,当該申請を取り下げることはできない。
○ Bは,土地の合筆の登記を申請した後にAが登記申請意思を撤回した場合,合筆登記の申請手続の委任状では申請を取り下げることができない。
■登記申請は登記完了前であればいつでも取り下げることはできる。
■登記申請を取り下げる場合とは
①申請内容の一部を訂正するための取り下げ
②申請したあとに中止する取り下げ
があり,①の場合は特別の授権を要しないが,②の場合は合筆登記の申請手続の委任状では申請を取り下げることができないので,別に特別の授権を要しなければいけないので,申請意思を撤回するための取り下げのための委任状を作成して提出しなければいけない。(昭29・12・25民甲2637)
教授:権利能力なき社団において,規約で定められていた改正手続に従い,総会における多数決により,構成員の資格要件を変更する旨の規約の改正が決議された場合,当該決議について承諾をしていない構成員に対して,当該決議により改正された規約は適用されますか。
学生: 権利能力なき社団の構成員の資格要件の変更については,構成員各自の承諾を得る必要があり,構成員の資格要件を変更する旨の規約の改正が総会における多数決により決議された場合であっても,当該決議について承諾をしていない構成員に対しては,改正後の規約は適用されません。
× 権利能力なき社団において、構成員の資格に関する規約の規定が改正された場合、 改正規定は特段の事情のない限り、改正決議に承諾していない構成員も含めすべての構成員に適用される。
権利能力なき社団の総会で多数決によって構成員の資格要件を定める規約を改正した場合,特段の事情がない限り,決議について承諾をしていない構成員(改正に反対した構成員)にも効力が及ぶ。(最判平12・10・20)
対象土地の共有者の一人が筆界特定の申請人である場合,申請人でない対象土地の他の共有者は,筆界特定登記官に対し,対象土地の筆界について意見又は資料を提出することができる。
○ 対象土地の共有者の一人が筆界特定の申請人である場合,申請人でない対象土地の他の共有者は,筆界特定登記官に対し,対象土地の筆界について意見又は資料を提出することができる。(法133.1.1,法139.1)
建物の敷地である一筆の土地の地中に地下鉄道設備があり,その建物が病院として利用されている場合,当該土地の地目は鉄道用地とする。
× 地目は土地を特定する場合,地表部分(外部から認識できる状態)の建物が病院として利用されている場合,その地下に鉄道の線路が敷設された場合でも,私権の目的とすることができるのは「地表部分」だけである。
地表部分(外部から認識できる状態)の建物が病院として利用されている場合,宅地と定める。ただし特定の目的に供されていない土地であれば雑種地と定める。(準68.3)
一筆の土地の地中に地下鉄道設備がある場合でも地目を鉄道用地とすることはできない。
甲市乙町1番から3番までに所在する各土地上にまたがって建物が所在しており,当該建物の1階の床面積が同1番の土地上に20㎡,同2番の土地上に10㎡,同3番の土地上に5㎡である場合において,当該建物の登記記録の表題部に不動産所在事項を記録するときは,「1番地ないし3番地」と略記することができる。
○ 甲市乙町1番から3番までに所在する各土地上にまたがって建物が所在しており,当該建物の1階の床面積が同1番の土地上に20㎡,同2番の土地上に10㎡,同3 番の土地上に5㎡である場合において,当該建物の登記記録の表題部に不動産所在事項を記録するときは,「1番地ないし3番地」と略記することができる。
建物の登記記録の表題部に2筆以上の土地にまたがる建物の不動産所在事項を記録する場合には,床面積の多い部分又は主たる建物の所在する土地の地番を先に記録し,他の土地の地番は後に記録するものとする。(準88.2)
一筆の土地の一部が河川法の定める河川区域内の土地となった場合において,その旨の登記を登記所に嘱託するときは,河川管理者は,土地の所有権の登記名義人に代わって,当該土地の分筆の登記を登記所に嘱託することはできない。
× 一筆の土地の一部が河川法の定める河川区域内の土地となった場合において,その旨の登記を登記所に嘱託するとき,河川管理者は,土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって(代位して),土地の分筆の登記を登記所に嘱託することができる。(法43・4 )
地下街の建物については,常時一般に開放されている通路及び階段部分の面積も床面積に算入する。
× 地下停車場,地下駐車場及び地下街の建物の床面積は,壁又は柱等により区画された部分の面積により定める。ただし,常時一般に開放されている通路及び階段の部分を除く。(準82.4)
所有権の登記名義人の相続人が,土地の分筆の登記を申請するに当たり,法定相続情報一覧図の写しを提供して相続があったことを証する情報の提供に代えた場合,当該相続人は,当該法定相続情報一覧図の写しの還付を請求することはできない。
× 所有権の登記名義人の相続人が,土地の分筆の登記を申請するに当たり,相続があったことを証する情報の提供に代えて法定相続情報一覧図の写しを提供することができ,法定相続情報一覧図の写しの原本還付を請求することもできる。(平成29・ 4 ・17民二292号通達第2 ・2 )
<法定相続情報一覧図まとめ>
■登記所には,法定相続情報一覧図つづり込み帳を備えることとされた(規則18.35)
■申請人から添付した法定相続情報一覧図の写しの原本還付の請求があった場合は,規則第55条の規定により原本を還付することができる。
この場合に,「相続関係説明図」が提出されたときは,相続関係説明図を法定相続情報一覧図の写しの謄本として取り扱い,法定相続情報一覧図の写しについては還付することとして差し支えない。
■法定相続情報一覧図つづり込み帳の保存期間は,作成の年の翌年から5年間とする(規則第28.2.6)。保存期間を経過した場合は,廃棄される。
■登記名義人等の相続人が登記の申請をする場合において,法定相続情報一覧図の写し(以下「一覧図の写し」という。)を提供したときは,その一覧図の写しの提供をもって,相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる)。(規則37.3)
■法定相続情報一覧図の写しはあくまで相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(戸籍謄本・抄本・除籍謄本)を「代替するものであり」,遺産分割協議書や相続放棄申述受理証明書等までをも代替するものではない。
■相続人又は相続人の地位を相続により「承継した者」は,法定相続情報一覧図の保管及び一覧図の写しの交付を申し出ることができる。(規則247.1)
■「法定相続情報一覧図の写し」を提供することができる登記手続き
表示関係
①土地分筆登記
②土地合筆登記
③一般承継人による「表示に関する登記の申請」(法30)
④区分建物の表題登記の申請(法47.2)
⑤地図等の訂正(規則16.1)
⑥土地所在図の訂正等(規則88.1)
⑦筆界特定の申請(法131.1)
⑧登記識別情報に関する証明(規則68.1)
⑨登記識別情報の失効の申出(規則65.1)
⑩不正登記防止申出(準則35)
⑪事前通知に係る相続人からの申出(準則46)
権利関係
①一般承継人による権利に関する登記の申請(法62)
②相続による権利の移転の登記(法63.2)
③権利の変更等の登記(債務者の相続)(法66)
④所有権の保存の登記(法74.1.1)
日本土地家屋調査士会連合会により引き続き2 年以上業務を行わないことを理由に土地家屋調査士の登録を取り消された者は,取消しに不服があるときは,法務大臣に対して審査請求をすることができる。
○ 日本土地家屋調査士会連合会により引き続き2年以上業務を行わないことを理由に土地家屋調査士の登録を取り消された者は,取消しに不服があるときは,法務大臣に対して審査請求をすることができる。
(法17,法12.1)
筆界特定の申請人が,筆界特定登記官に対し,対象土地の筆界について意見又は資料を提出する場合,その提出を書面により行う必要はない。
○ 筆界特定の申請があったときは,筆界特定の申請人及び関係人は,筆界特定登記官に対し,対象土地の筆界について電磁的方法により行うことができる。(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)
この場合において,筆界特定登記官が意見又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは,その期間内にこれを提出しなければならない。
(法139.1~2)
■筆界特定の申請人が,筆界特定登記官に対し,対象土地の筆界について意見又は資料を提出する場合,その提出を書面により行う必要はない。
■筆界特定の申請人が,筆界特定登記官に対し,対象土地の筆界について意見又は資料を提出する場合,①~③の方法によらなければいけない。
①法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して情報を送信する方法。(規219.1)
②法務大臣の定めるところにより情報を記録した磁気ディスクその他の電磁的記録を提出する方法。(規219.2)
③ ①②のほか筆界特定登記官が相当と認める方法(規219.3)
甲土地と乙土地に,それぞれ登記の目的,申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の抵当権の設定の登記がされており,その後,両抵当権について,それぞれ登記の目的,申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の抵当権の変更の登記がされているときは,本件合筆の登記を申請することができる。
○ 甲土地と乙土地に,それぞれ登記の目的,申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の抵当権の設定の登記がされており,その後,両抵当権について,それぞれ登記の目的,申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の抵当権の変更の登記がされているときは,本件合筆の登記を申請することができる。(注解不動産法6不動産登記法〔補訂版〕青林書院刊 491頁)
ただし,甲土地と乙土地についてされている担保権の登記の受付番号等が同一の場合でも,いずれか一方の土地についてのみ債権額の変更等の変更の登記がされているときは,合筆の登記をすることができない。(昭58・11・10民三6400第19・一・3 )
所有権の登記名義人の相続人が,土地の合筆の登記を申請するに当たり,法定相続情報一覧図の写しを提供して相続があったことを証する情報の提供に代える場合,この法定相続情報一覧図の写しは,作成後3月以内のものでなければならない。
× 登記申請する場合,法定相続情報一覧図の写しは,作成後3 月以内のものでなければならないという規定はない。
■「法定相続情報一覧図の写し」を提供することができる登記手続き
表示関係
①土地分筆登記
②土地合筆登記
③一般承継人による「表示に関する登記の申請」(法30)
④区分建物の表題登記の申請(法47.2)
⑤地図等の訂正(規則16.1)
⑥土地所在図の訂正等(規則88.1)
⑦筆界特定の申請(法131.1)
⑧登記識別情報に関する証明(規則68.1)
⑨登記識別情報の失効の申出(規則65.1)
⑩不正登記防止申出(準則35)
⑪事前通知に係る相続人からの申出(準則46)
権利関係
①一般承継人による権利に関する登記の申請(法62)
②相続による権利の移転の登記(法63.2)
③権利の変更等の登記(債務者の相続)(法66)
④所有権の保存の登記(法74.1.1)
甲土地の地積に関する更正の登記と甲土地を乙土地に合筆する合筆の登記は,一の申請情報により申請することができる。
○ 甲土地の地積に関する更正の登記と甲土地を乙土地に合筆する合筆の登記は,一の申請情報により申請することができる。
同一の不動産について申請する二以上の登記が,土地の表題部の登記事項に関する更正の登記及び合筆の登記であるときは, 一の申請情報によってて申請することができる。(令4ただし書、規35.7)
焼失した建物に所有権の移転の仮登記がされている場合において,当該仮登記の登記名義人は,消防署の焼失の証明書及び所有権の登記名義人の承諾を証する情報を提供すれば,当該建物の滅失の登記の申請をすることができる。
× 焼失した建物に所有権の移転の仮登記がされている場合において,当該仮登記の登記名義人は,消防署の焼失の証明書及び所有権の登記名義人の承諾を証する情報を提供しても,建物の滅失の登記の申請をすることはできない。
建物が滅失した場合は、表題部所有者又は所有権の登記名義人から建物の滅失の登記を申請しなければならないとされている。(法57)
いかなる場合においても所有権に関する仮登記名義人から申請することはできない。
地目を畑から宅地に変更する登記を申請する場合において,申請情報の内容となる登記原因の日付は,農地法所定の許可があった日ではなく,その主たる用途に変更が生じた日である。
○ 地目を畑から宅地に変更する登記を申請する場合において,申請情報の内容となる登記原因の日付は,農地法所定の許可があった日ではなく,その主たる用途に変更が生じた日(事実上地目を変更した日)である。(登記研究44号)
甲土地と乙土地に,いずれも信託の登記がされている場合には,当該信託の登記について,各信託目録に記録された登記事項が同一であっても,本件合筆の登記を申請することはできない。
× 甲土地と乙土地に,いずれも信託の登記がされている場合には,当該信託の登記について,各信託目録に記録された登記事項が同一であれば,本件合筆の登記を申請することができる。(法41.6、規105.3)
申請人Aが土地家屋調査士Bに対して土地の合筆の登記の申請を委任し,A作成の委任状には委任事項として,「土地の合筆の登記申請に関する一切の権限」とのみ記載されている。BがAを代理して土地の合筆の登記を申請するに際し,この委任状を代理権を証する情報として提供した場合におけるBの権限についてBは,電子申請の方法により,土地の合筆の登記を申請し,当該登記が完了した場合,Bの使用に係る電子計算機に備え付けられたファイルに記録する方法で,登記識別情報の通知を受けることができる。
×「登記識別情報の通知」を受ける場合,特別の委任が必要になります。
この場合,「登記識別情報の複合に関する一切の権限」が必要になります。
Bは,電子申請の方法により,土地の合筆の登記を申請し,当該登記が完了した場合,Bの使用に係る電子計算機に備え付けられたファイルに記録する方法で,登記識別情報の通知を受けることができない。
Bは,「登記識別情報の複合に関する一切の権限」がなければ登記識別情報の通知を受けることができない。
海産物を乾燥する場所として一団で利用されている数筆の土地がある場合において,その一部の土地上に永久的設備と認められる建物があるときは,当該建物の敷地の区域に属する土地の地目は宅地とする。
○ 海産物を乾燥する場所として一団で利用されている数筆の土地がある場合において,その一部の土地上に永久的設備と認められる建物がある場合には,その敷地の区域に属する部分だけを宅地とする(準69.2)
申請人Aが土地家屋調査士Bに対して土地の合筆の登記の申請を委任し,A作成の委任状には委任事項として,「土地の合筆の登記申請に関する一切の権限」とのみ記載されている。BがAを代理して土地の合筆の登記を申請するに際し,この委任状を代理権を証する情報として提供した場合におけるBの権限についてBは,土地の合筆の登記を申請した後,当該申請が却下された場合,却下処分に対し,Aの代理人として審査請求をすることができる。
× Bは,土地の合筆の登記を申請した後,当該申請が却下された場合,却下処分に対し,Aの代理人として審査請求をすることができない。
(調査士法3.1.2)
■調査士は、他人の依頼を受けて,不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量をすることができる。
■調査士は、他人の依頼を受けて,不動産の表示に関する登記の申請手続又はこれに関する審査請求の手続についての代理することができる。
■申請が却下された場合の却下処分に対して,審査請求の手続についての代理人として審査請求をすることはできない。
主である建物と附属建物がいずれも同一の一棟の建物を区分した敷地権がある区分建物である場合において,当該主である建物及び当該附属建物の表題登記を申請するときは,主である建物に係る敷地権と附属建物に係る敷地権とを区別してしなければならない。
○ 主である建物と附属建物がいずれも同一の一棟の建物を区分した敷地権がある区分建物である場合において,主である建物及び当該附属建物の表題登記を申請するときは,主である建物に係る敷地権と附属建物に係る敷地権とを区別して記録しなければならない。(昭58.11.10民三6400.第2.四.1 )
主である建物と附属建物が同一の一棟の建物の場合,1個の建物になるが専有部分は2つあるということになる。
共有に属する土地の一部の持分について,当該持分を有する共有者と国との間で買収協議が成立した場合,国は,その者に代位して分筆の登記を申請することができる。
× 共有に属する土地の一部の持分について,当該持分を有する共有者と国との間で買収協議が成立した場合でも,国はその者に代位して分筆の登記を申請(嘱託)することはできない。(昭37・3・13民三214)
共有である土地の分筆の登記は,共有者全員で申請しなければいけないので,国が申請(嘱託)する場合でも共有者全員に代位できなければ土地の分筆登記を申請(嘱託)することはできない。
地図に表示された土地の表題部所有者の相続人が,地図の訂正の申出をする場合,「法定相続情報一覧図の写し」の提供をもって,相続があったことを証する情報の提供に代えることができる。
〇 地図に表示された土地の表題部所有者の相続人が地図訂正の申出,地図に準ずる図面の訂正の申出をする場合,「法定相続情報一覧図の写し」の提供をもって,相続があったことを証する情報の提供に代えることができる。
合体前の各建物に同一の賃借権の設定の登記がされている場合,合体後の建物に存続することとなるものとして,当該賃借権の表示を申請情報の内容としなければならない。
× 合体前の各建物に同一の賃借権の設定の登記がされている場合,合体後の建物に存続することとなるものとして,当該賃借権の表示を申請情報の内容とする必要はなく,合体後の建物の登記記録に賃借権を移記することもできない。(平5・7・30民三5320第6・五・5)(平成5年度全国首席登記官会同における質疑応答第六・八・44)(平成5年改正不動産登記法と登記実務ティハン・235頁)
次の第1欄及び第2欄の登記の申請又は嘱託をする場合の各登録免許税が,いずれも第3欄に記載された内容となるか正誤を答えて下さい。なお,当該申請又は嘱託は,登録免許税の額が最も低額となるように申請するものとする。
○ 【 第1欄 】2筆の土地の所有権を敷地権とする所有権の登記のある1個の区分建物を2個の区分建物とする再区分の登記の申請の登録免許税の額は,区分後の建物1個につき1 ,000円である。(登免法別表第1・1・(十三)・イ),1個の区分建物を2個の区分建物に再区分する場合は2,000円となる。
【 第2欄 】国と私人が共有する所有権の登記のある土地を2筆にする分筆の登記の申請は登録免許税が課せられる。(昭44・10・3民三938)
■私人が所有する場合は登録免許税が課せられる。
■国が所有する場合は登録免許税が課されない。(非課税)
■国と私人が共有する場合は登録免許税が課せられる。
第1欄 |
第2欄 |
第3欄 |
| 2筆の土地の所有権を敷地権とする所有権の登記のある1個の区分建物を2個の区分建物とする再区分の登記の申請 |
国と私人が共有する所有権の登 記のある土地を2筆にする分筆の登記の申請 |
2.000円 |
区分建物の表題登記を申請する場合において,当該区分建物が属する一棟の建物の敷地について登記された所有権の登記名義人が当該区分建物の所有者であり,かつ,規約によりその専有部分と敷地利用権との分離処分を可能とする旨を定めたことにより所有権が当該区分建物の敷地権とならないときは,添付情報として,当該規約の定めを証する情報を提供することを要しない。
× 区分建物の表題登記を申請する場合において,当該区分建物が属する一棟の建物の敷地について登記された所有権,地上権又は賃借権の登記名義人が当該区分建物の所有者であり,かつ,規約によりその専有部分と敷地利用権との分離処分を可能とする旨を定めたことにより所有権,地上権又は賃借権が当該区分建物の敷地権とならないときは,添付情報として,当該規約の定めを証する情報(分離処分可能規約証明書)を提供しなければいけない。(令別表12項・添付情報欄ホ)
甲土地と乙土地に,それぞれ登記の目的,申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の所有権の移転の仮登記がされている場合には,本件合筆の登記を申請することはできない。
○ 甲土地と乙土地に,それぞれ登記の目的,申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の所有権の移転の仮登記がされている場合,合筆の登記を申請することはできない。(法41.6)
所有権移転の仮登記がされている土地の合筆登記を申請することはできない。
被相続人Aの妻Bが相続人から廃除されたため,Aの子Cのみが相続権を有する場合において,Cが,所有権の登記名義人がAである土地の分筆の登記を申請するに当たり,法定相続情報一覧図の写しを提供したときは,Bが廃除された旨の記載がされていることを証する戸籍の全部事項証明書の提供を省略することができる。
○ 被相続人Aの妻Bが相続人から廃除されたため,Aの子Cのみが相続権を有する場合において,Cが,所有権の登記名義人がAである土地の分筆の登記を申請するに当たり,法定相続情報一覧図の写しを提供したときにBが廃除された旨の記載がされていることを証する戸籍の全部事項証明書の提供を省略することができる。
■戸籍謄抄本・除籍謄本を使用して相続人を特定し,法定相続情報一覧図を作成しているので,一覧図で相続人を確認することができる。
相続人から廃除されたものを法定相続情報一覧図に記載する必要はなく被相続人Aの子Cのみが一覧図に記載されていればよく,廃除された妻Bの廃除されたことを証する情報の提供を要しない。(平29・4・17民二第2・3・3 )
囲繞地について囲繞地通行権を有する袋地の所有者が,囲繞地に通路を開設するためには,囲繞地の所有者の承諾を要する。
× 囲繞地について囲繞地通行権を有する袋地の所有者は,囲繞地に通路を開設することができる。(民211.2)
通路を開設する際に囲繞地の所有者(他の土地の所有者)の承諾を得る必要はない。
甲不動産につき賃借権を有するAがその対抗要件を具備しない間に,甲不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合には,Aは,その後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,甲不動産を継続的に用益したとしても,抵当権の実行により甲不動産を買い受けた者に対し,賃借権の時効取得を対抗することはできない。
○ 抵当権設定登記後に賃借権を時効取得した者と買受人についての問題です。
「不動産につき賃借権を有する者」がその対抗要件を具備しない間に、当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合、「不動産につき賃借権を有する者」は、抵当権が設定されてその旨の登記がされた後、賃借権の時効取得に必要とされる期間、当該不動産を継続的に用益したとしても、競売または公売により当該不動産を買い受けた者に対し、賃借権を時効により取得したと主張して、これを対抗することはできない。(最判平23・1・(1)
■「不動産につき賃借権を有する者」は「抵当権が設定されてその旨の登記がされる前」に対抗要件を具備しなければ保護されないというのが判例の考え方なのです。
附属建物を新築した場合において,建物の表題部の変更の登記を申請するときは,添付情報として,附属建物について表題部所有者又は所有権の登記名義人が所有権を有することを証する情報を提供しなければならない。
○ 附属建物を新築した場合において,建物の表題部の変更の登記を申請するときは,添付情報として,附属建物について表題部所有者又は所有権の登記名義人が所有権を有することを証する情報を提供しなければならない。(令別表14項・添付情報欄ハ)
建物に床面積に算入されない部分があり,当該部分の屋根の種類が,他の部分の屋根の種類と異なる場合,当該床面積に算入されない部分の屋根の種類による区分は,表示の対象としない。
○ 建物に床面積に算入されない部分があり,当該部分の屋根の種類が,他の部分の屋根の種類と異なる場合,当該床面積に算入されない部分の屋根の種類による区分は,表示の対象としない。(昭63.3.24民三1826.第5.3.①)
教授:権利能力なき社団である入会団体において,共有の性質を有する入会権の処分について,入会団体の構成員全員の同意を要件とすることなく,入会団体の役員会の全員一致の決議に委ねる旨の慣習が存在する場合,この慣習に基づいてされた入会権の処分は効力を有しますか。
学生: 共有の性質を有する入会権については,各地方の慣習よりも民法の規定が優先的に適用されますから,この慣習に基づいてされた処分は,共有物の処分に関する民法の規律に反するものとして,効力を有しません。
× 入会権(いりあいけん)とは、村落共同体等が、主として山林原野において土地を総有などし伐木・採草・キノコ狩りや堆肥・家畜飼料・燃料等に用いる牧草や木の採取等の共同利用を行い収益をすることできる慣習的な物権のこと。
①入会権については,常に慣習が優先されるので,民法の規定が優先的に適用されることはない。(民263)
②入会権の処分の効力は各個人として持分権を有しないので民法の規律に反しない。そして各個人として処分することや分割請求権も認められていない。(大判大9・6・22)
民法は入会権を「共有の性質を有する入会権(民263)」と「共有の性質を有しない入会権(民264)」とに分けている。
共有物分割請求訴訟において2名の共有に属する土地を分割する判決が確定した場合において,一方の所有権の登記名義人が分筆の登記の申請に協力しないときは,他方の所有権の登記名義人がその者に代位してその土地の分筆の登記を申請することができる。
○ 共有物分割請求訴訟において2名の共有に属する土地を分割する判決が確定した場合において,一方の所有権の登記名義人が分筆の登記の申請に協力しないときは,他方の所有権の登記名義人がその者に代位してその土地の分筆の登記を申請することができる。 (平6・1 ・5民三265)
教授:権利能力なき社団Aの代表者であるBが,Aを代表して,Cとの間で,Aの活動に充てるための資金として100万円を借り受ける金銭消費貸借契約を締結しました。この場合において,Bを含むAの構成員各自は,Cに対して,当該金銭消費貸借契約に基づく貸金返還債務を負いますか。
学生:権利能力なき社団の取引上の債務は,その社団の構成員全員に帰属することになるので,Bを含むAの構成員各自は,Cに対して,直接の貸金返還債務を負います。
× 最高裁は権利能力なき社団の代表者が社団の名においてした取引上の債務は,その社団の構成員全員に,一個の義務として総有的に帰属するとともに社団の総有財産だけが,その責任財産となり,構成員各自は,取引の相手方に対し,直接には個人的債務ないし責任を負わないと解するのが相当であるとして上告を棄却した。(最判昭48・10・9)
建物が永久的な施設としての海上のさん橋の上に存する場合において,当該建物の登記記録の表題部に不動産所在事項を記録するときは,その建物から最も近い土地の地番を用いて「何番地先」のように記録する。
○ 建物が永久的な施設としての海上のさん橋の上に存する場合において,当該建物の登記記録の表題部に不動産所在事項を記録するときは,その建物から最も近い土地の地番を用いて「何番地先」のように記録する。(準88.4)
地目の変更が数回あったが,いずれも地目の変更の登記がされていない土地について,地目の変更の登記を申請する場合,各地目の変更に係る登記原因及びその日付をいずれも申請情報の内容としなければならない。
× 地目の変更が数回あったが,いずれも地目の変更の登記がされていない土地について,地目の変更の登記を申請する場合,各地目の変更に係る登記原因及びその日付をいずれも申請情報の内容とする必要はなく,直接現在の地目に変更する登記を申請することができ,その場合,最後の変更に係る登記原因及びその日付を申請情報の内容とすれば足りる。(令3.6)
登記官は,地図を作成するため必要があると認めるときは,所有権の登記名義人の異議の有無にかかわらず,職権で,分筆の登記をすることができる。
× 登記官は,地図を作成するため必要があると認めるときは,所有権の登記名義人の異議がないときに限り,職権で土地の分筆登記をすることができる。(法39・3,平5・7・30民三5320第4二)
土地家屋調査士は,公務員として職務上取り扱った事件については,その業務を行うことができない。
〇 土地家屋調査士は,公務員として職務上取り扱った事件については,その業務を行うことができない。(準則68.8)
地目が山林である土地の地上権の登記名義人が当該土地を切り開いて宅地とした場合,当該土地の所有権の登記名義人は,地目の変更の登記を申請しなければならない。
○ 地目が山林である土地の地上権の登記名義人が当該土地を切り開いて宅地とした場合,当該土地の所有権の登記名義人は,地目の変更の登記を申請しなければならない。(法37.1)
地上権の登記名義人は,地目変更登記を申請することはできない。
4階建の建物で,1階部分及び2階部分が鉄骨鉄筋コンクリート造,3 階部分及び4階部分が鉄骨造の場合における構成材料により区分された建物の構造は,「鉄骨鉄筋コンクリート造」である。
× 4階建の建物で,1階部分及び2階部分が鉄骨鉄筋コンクリート造,3階部分及び4階部分が鉄骨造の場合における構成材料により区分された建物の構造は,「鉄骨鉄筋コンクリート・鉄骨造」と表示する。
建物の主たる部分の構成材料が木造と鉄骨造である場合は「木・鉄骨造」 と表示する。(準81.2 ,「建物認定 (三訂版)」 7頁・9頁)
敷地権の設定がある規約敷地を分筆する場合において,当該規約敷地が区分建物と異なる登記所の管轄区域内にあるときは,添付情報として,当該規約を設定したことを証する情報を提供することを要しない。
○ 敷地権の設定がある規約敷地を分筆する場合において,当該規約敷地が区分建物と異なる登記所の管轄区域内にあるときでも,添付情報として,規約を設定したことを証する情報を提供することを要しない。
敷地権の目的となっている規約敷地を管轄する登記所と敷地権の登記をした区分建物を管轄する登記所が異なる場合に,規約敷地の分筆の登記を申請する場合は,申請適格者の確認をするために区分建物の登記事項証明書を提供しなければいけない。(昭和58年全国首席登記官会同における質疑応答第七・65)
1 平方メートル未満の端数を切り捨てて地積が表示されている土地について,その地目を宅地に変更する登記の申請は,地積の変更の登記の申請と併せてしなければならない。
× 地積は,水平投影面積により,平方メートルを単位として定め,一平方メートルの百分の一(宅地及び鉱泉地以外の土地で十平方メートルを超えるものについては、一平方メートル)未満の端数は,切り捨てる
(規100)。 地目変更登記の申請をすることで地積の表示が変わることになっても地目変更登記と地積変更登記の申請を併せてしなければならないという規定はない。(平28・6・8民二386)
次の第1欄及び第2欄の登記の申請又は嘱託をする場合の各登録免許税が,いずれも第3欄に記載された内容となるか正誤を答えて下さい。なお,当該申請又は嘱託は,登録免許税の額が最も低額となるように申請するものとする。
○ 【 第1欄 】いずれも所有権の登記のある2筆の土地の合筆の登記を,錯誤を原因として抹消する登記の申請においてはいかなる場合も登録免許税が課されない(非課税)。
【 第2欄 】私人を所有権の登記名義人とする土地の一部を取得した地方公共団体が,私人に代位する分筆登記を嘱託する場合,登録免許税が課されないので非課税。(登免法5条1号)
【 第3欄 】非課税とはなる。
第1欄 |
第2欄 |
第3欄 |
| いずれも所有権の登記のある2 筆の土地の合筆の登記を,錯誤を原因として抹消する登記の申請 |
私人を所有権の登記名義人とす る土地の一部を取得した地方公共団体が,私人に代位して行う当該土地を2 筆にする分筆の登記の嘱託 |
非課税 |
取得時効を援用する者が,時効期間の起算点を任意に選択し,時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることは許されない。
〇 取得時効を援用する者が,時効期間の起算点を任意に選択し,時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることは許されない(法144,最判昭35.7.27)
■時効期間は、時効の基礎たる事実の開始された時を起算点として計算する必要がある。時効援用者が起算点を選択し、時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできない。(法144条、法162条、最判昭35.07.27)。
いずれも敷地権付き区分建物である甲区分建物と乙区分建物を合体し,合体後の建物も敷地権付き区分建物になる場合において,合体前の甲区分建物と乙区分建物のそれぞれの敷地権の割合を合算したものが合体後の建物の敷地権の割合となるときであっても,添付情報として,敷地権の割合に係る規約を設定したことを証する情報を提供しなければならない。
× いずれも敷地権付き区分建物である甲区分建物と乙区分建物を合体し,合体後の建物も敷地権付き区分建物になる場合において,合体前の甲区分建物と乙区分建物のそれぞれの敷地権の割合を合算したものが合体後の建物の敷地権の割合となる場合は,添付情報として,敷地権の割合に係る規約を設定したことを証する情報を提供する必要はない。
ただし,合体後の建物の敷地権の割合が規約で定められている規約割合によるものであれば、規約を設定したことを証する情報を提供しなければならない。(令別表13項・添付情報欄へ)
共有物の分割によって袋地を生じた場合に,袋地の所有者が,公道に至るため,他の分割者の所有する土地について有する通行権は,当該他の分割者の所有する土地に特定承継が生じた場合であっても,消滅しない。
〇 共有物の分割によって袋地を生じた場合に,袋地の所有者が,公道に至るため,他の分割者の所有する土地について有する通行権は,当該他の分割者の所有する土地に特定承継が生じた場合でも消滅しない。(法213.1,最判平2.11.20)
民法213条で規定する囲繞地通行権は,通行の対象となる土地に特定承継が生じた場合でも消滅しない。(最判平2.11.20)
他の土地及び水路によって囲まれており,水路を通行すれば公道に至ることができる土地の所有者は,公道に至るために,当該他の土地を通行することはできない。
× その土地を囲んでいる他の土地(囲繞地)及び水路によって囲まれている場合,
①「その土地を囲んでいる他の土地(囲繞地)」を通行することもでき②池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるとき(このような土地を 「準袋地」という。)も同様とする。
(民210.1~2)
袋地の所有者が袋地を囲んでいる他の土地(囲繞地)の所有者に対して通行権を主張する場合,所有権移転登記(対抗要件)を具備することなく袋地を囲んでいる他の土地(以下「囲繞地」という。)の所有者に対して囲繞地通行権を主張することができる。 (最判昭47・ 4 ・14)
合体前の各建物の所有者全員について合体後の建物について有する持分の割合を定める必要がある場合において,当該所有者全員が,書面申請の方法により,建物の合体による登記等を申請する際に,申請情報と併せてその印鑑に関する証明書を提供したときは,当該申請情報をもって,当該持分の割合を証する情報を兼ねることができる。
○ 合体前の各建物の所有者全員について合体後の建物について有する持分の割合を定める必要がある場合において,当該所有者全員が,書面申請の方法により,建物の合体による登記等を申請する際に,申請情報と併せてその印鑑に関する証明書を提供したときは,当該申請情報をもって,当該持分の割合を証する情報を兼ねることができる。(平5・7・30民三5320第6・四・4 )
二つの建物の所在がそれぞれ異なる地番区域であった場合には,当該建物の合併の登記を申請することができない。
× 二つの建物の所在がそれぞれ字・地番区域・管轄登記所が異なる場合でも,建物の合併登記を申請することはできる。(法56)
所有権の登記名義人が異なる数個の建物を合体したことによる合体による登記等を申請する場合において,合体前の一部の建物にされた抵当権の登記で合体後の建物に存続することとなるものがあるときは,当該抵当権の登記名義人が合体後の建物の持分について存続登記と同一の登記をすることを承諾したことを証する情報又は抵当権者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならない。
○ 所有権の登記名義人が異なる数個の建物を合体したことによる合体による登記等を申請する場合において,合体前の一部の建物にされた所有権の登記以外の所有権に関する登記又は先取特権、質権若しくは抵当権に関する登記で合体後の建物に存続(存続登記)することとなるものがあるときは,当該抵当権の登記名義人が合体後の建物の持分について存続登記と同一の登記をすることを承諾したことを証する情報又は対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならない。
本問の場合,抵当権の登記名義人が合体後の建物の持分について存続登記と同一の登記をすることを承諾したことを証する情報又は抵当権者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならない。(令別表13項・申請情報欄ハ,ト)
敷地権が存在していたがその登記をしないで区分建物の表題登記がされていた場合において,建物の表題部の更正の登記を申請するときは,敷地権の表示の登記原因及びその日付も申請情報の内容としなければならない。
○ 敷地権が存在していたがその登記をしないで区分建物の表題登記がされていた場合において,建物の表題部の更正の登記を申請するときは,敷地権の表示の登記原因及びその日付も申請情報の内容としなければならない。この場合の原因日付け欄の記載は「錯誤年月日敷地権」と記載する。(昭58・11・11民三6567・5 )
土地家屋調査士法人の清算人は,土地家屋調査士である必要はない。
× 土地家屋調査士法人の清算人は,土地家屋調査士でなければならない。(法39.4)
教授:ある団体が法人格を有しない社団すなわち権利能力なき社団であると認められるためには,どのような要件を満たす必要がありますか。
学生:団体としての組織を備え,多数決の原則が行われ,構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し,その組織において代表の方法,総会の運営,財産の管理その他団体として主要な点が確定しているものであることが必要です。
〇 権利能力なき社団とは、社団としての実体(実質)を備えているが法人格は有しておらず,法人登記をしていない権利能力のない団体のことです。
判例による権利能力なき社団として認められるためには、①~④の要件を満たさなければいけません。(最昭39・10・15)
①団体としての組織性を有しているか
②多数決の原則により運営がなされているか
③構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続するか
④その組織についての代表の方法総会の運営、財産管理その団体としての主要な点が確定しているか
所有権の登記名義人の相続人が土地の分筆の登記を申請するに当たり,当該土地の所在地を管轄する登記所の法定相続情報一覧図つづり込み帳に,当該登記名義人の法定相続情報一覧図がつづり込まれている場合には,当該法定相続情報一覧図の写しに記載された法定相続情報番号の提供をもって,相続があったことを証する情報の提供に代えることができる。
× 「法定相続情報番号」は法定相続情報一覧図を管理するために記入するものであり法定相続情報一覧図一つにつき,一つの番号(採番)が付けられる。表題部所有者又は登記名義人の相続人から土地の分筆登記を申請する場合,「相続があったことを証する情報」の提供に代えて「法定相続情報番号」を提供することはできない。
■表題部所有者又は登記名義人の相続人から土地の分筆登記を申請する場合,①「相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報である戸籍謄本,戸籍抄本,除籍謄本」を提供するか,①の書類に代えて②「法定相続情報一覧図」を提供することができる。 (規則37.3 )
①②のいずれかを提供しなければならず,①②の書類に代えて「法定相続情報番号」の提供をすることはできない。
法定相続情報一覧図は
①法定相続情報一覧図と法定相続情報の内容が一致すれば法定相続情報一覧図を登記所に保管する。
②法定相続情報一覧図を保管する登記所においては法定相続情報番号を採番し、重複する採番を使用することはできない。(登記情報668 きんざい37~38頁)この法定相続情報番号から法定相続情報一覧図を特定することができる。
③法定相続情報一覧図を電磁的記録に記録して保存する場合、法定相続情報番号を電磁的記録に記録する。(平成29・ 4 ・17民二292号通達第2 ・ 7 ・( 3 )・ア、 イ ・(ァ)・(イ))
<法定相続情報一覧図まとめ>
■登記所には,法定相続情報一覧図つづり込み帳を備えることとされた(規則18.35)
■申請人から添付した法定相続情報一覧図の写しの原本還付の請求があった場合は,規則第55条の規定により原本を還付することができる。
この場合に,「相続関係説明図」が提出されたときは,相続関係説明図を法定相続情報一覧図の写しの謄本として取り扱い,法定相続情報一覧図の写しについては還付することとして差し支えない。
■法定相続情報一覧図つづり込み帳の保存期間は,作成の年の翌年から5年間とする(規則第28.2.6)。保存期間を経過した場合は,廃棄される。
■登記名義人等の相続人が登記の申請をする場合において,法定相続情報一覧図の写し(以下「一覧図の写し」という。)を提供したときは,その一覧図の写しの提供をもって,相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる)。(規則37.3)
■法定相続情報一覧図の写しはあくまで相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(戸籍謄本・抄本・除籍謄本)を「代替するものであり」,遺産分割協議書や相続放棄申述受理証明書等までをも代替するものではない。
■相続人又は相続人の地位を相続により「承継した者」は,法定相続情報一覧図の保管及び一覧図の写しの交付を申し出ることができる。(規則247.1)
■「法定相続情報一覧図の写し」を提供することができる登記手続き
表示関係
①土地分筆登記
②土地合筆登記
③一般承継人による「表示に関する登記の申請」(法30)
④区分建物の表題登記の申請(法47.2)
⑤地図等の訂正(規則16.1)
⑥土地所在図の訂正等(規則88.1)
⑦筆界特定の申請(法131.1)
⑧登記識別情報に関する証明(規則68.1)
⑨登記識別情報の失効の申出(規則65.1)
⑩不正登記防止申出(準則35)
⑪事前通知に係る相続人からの申出(準則46)
権利関係
①一般承継人による権利に関する登記の申請(法62)
②相続による権利の移転の登記(法63.2)
③権利の変更等の登記(債務者の相続)(法66)
④所有権の保存の登記(法74.1.1)
開閉式の屋根を有する野球場については,開閉式屋根の開閉可能部分の下に当たる観客席及びフィールド部分の面積も床面積に算入する。
○ 開閉式の屋根を有する野球場については,開閉式屋根の開閉可能部分の下に当たる観客席及びフィールド部分の面積も床面積に算入する。(平5・12・3民三7499)
主である建物の登記記録から附属建物を分割する建物の分割の登記を申請する場合において,当該附属建物が共有名義であるときは,他の共有者の承諾を証する情報を提供すれば,当該申請は,共有者の一人からすることができる。
× 主である建物の登記記録から附属建物を分割する建物の分割の登記を申請する場合において,附属建物が共有名義の場合,共有者全員で申請しなければいけない。(民251)
他の共有者の承諾を証する情報を提供しても,建物の分割登記の申請は,共有者の一人からすることはできない。
いずれも所有権の登記がある二個の建物が合体した場合には,当該合体後の建物についての建物の表題登記及び当該合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消と併せて,当該合体後の建物についての所有権の登記を申請しなければならない。
× いずれも所有権の登記がある二個の建物が合体した場合には,当該合体後の建物についての建物の表題登記及び当該合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消と併せて,当該合体後の建物についての所有権の登記を申請する必要はない。所有権の登記を申請しなければいけないのは,所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物が合体した場合である。(法49.1)
敷地権である旨の登記がされている土地については,敷地権である旨の登記を抹消した後でなければ,地目を宅地以外の地目に変更する登記を申請することはできない。
× 敷地権である旨の登記がされている土地については,地目を宅地以外の地目に変更する登記を申請することはできる。
次の第1欄及び第2欄の登記の申請又は嘱託をする場合の各登録免許税が,いずれも第3欄に記載された内容となるか正誤を答えて下さい。なお,当該申請又は嘱託は,登録免許税の額が最も低額となるように申請するものとする。
○ 【 第1欄 】いずれも所有権の登記のある2筆の土地の合筆の登記の申請は合筆後の土地1個につき1 ,000円となる。(登録免許税法別表第1・1・(十三)・ロ)
【 第2欄 】墓地については分筆後の地目が墓地のままの場合は非課税とされているが(登免法5.10),分筆後の地目に墓地でないものがある場合の一部地目変更・分筆の登記の登録免許税の額は,墓地でないものについては課税され,墓地については非課税となる。(昭42・10・2民甲2680)
【 第3欄 】1 ,000円となる。
所有権の登記がある土地の分筆の登記の申請の登録免許税の額は,分筆後の土地1個につき1,000円。(登免法1・1・(十三)・イ)
所有権の登記がある土地の合筆の登記の申請の登録免許税の額は,合筆後の土地1個につき1,000円。(登免法1・1・(十三)・ロ)
第1欄 |
第2欄 |
第3欄 |
| いずれも所有権の登記のある2
筆の土地の合筆の登記の申請 |
所有権の登記のある土地の一部 の地目が墓地になったためにす る一部地目変更及び当該土地を2筆にする分筆の登記の申請 |
1.000円 |
甲建物の附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をする場合において,分割によりその不動産所在事項に変更が生じたときは,変更後の不動産所在事項,分割により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号が記録される。
○ 甲建物の附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をする場合において,分割によりその不動産所在事項に変更が生じたときは,変更後の不動産所在事項,分割により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号が記録される。(規則127.3)
申請人Aが土地家屋調査士Bに対して土地の合筆の登記の申請を委任し,A作成の委任状には委任事項として,「土地の合筆の登記申請に関する一切の権限」とのみ記載されている。BがAを代理して土地の合筆の登記を申請するに際し,この委任状を代理権を証する情報として提供した場合におけるBの権限についてBは,土地の合筆の登記の申請の際に納付した登録免許税に過誤納があった場合,その還付金を受領することができない。
○ 土地の合筆の登記の申請の際に納付した登録免許税に過誤納があった場合,その還付金を受領することができない。登記を受けた者は、納付した登録免許税の過誤納があったときは、登記官に対し、納税地の所轄税務署長に還付の通知をすべき旨を請求することができ、税務署長から登録免許税の還付がなされるが登記申請の代理人が還付金を受領することはできない。(登免法31.2項、登免法施行令20.2項)
筆界特定は,新たな筆界を形成する作用を有する。
× 筆界特定とは,新たに筆界を決めることではなく,実地調査や測量を含む様々な調査を行った上,もともとあった筆界を筆界特定登記官が明らかにすること。
よって筆界特定は,新たな筆界を形成する作用を有するものではない。
■筆界特定制度は,土地の所有権がどこまであるのかを特定することを目的とするものではありません。(法務省HP筆界特定制度より)
■筆界特定制度を活用することによって,公的な判断として筆界を明らかにできるため,隣人同士で裁判をしなくても,筆界をめぐる問題の解決を図ることができる。(法務省HP筆界特定制度より)
敷地権となる土地の所有権の登記名義人の表示と専有部分の所有権の登記名義人の表示が一致していないときは,敷地権の発生を原因とする区分建物の表題部の変更の登記の申請は,添付情報として,各所有者の同一性を証する情報を提供してすることができる。
× 敷地権となる土地の所有権の登記名義人の表示と専有部分の所有権の登記名義人の表示が一致していないときは,敷地権の発生を原因とする区分建物の表題部の変更の登記の申請は,添付情報として各所有者の同一性を証する情報を提供しても申請することはできない。
この場合,住所又は氏名若しくは名称について表示が一致するように変更登記又は更正登記の申請をしてから敷地権の発生を原因とする区分建物の表題部の変更の登記の申請をしなければいけない。(昭58年度全国首席登記官会同における質疑応答第一・18)
登記記録の地積に錯誤があることが判明した土地の抵当権の登記名義人は,当該土地の地積に関する更正の登記を申請することができる。
× 土地の地積に関する更正の登記は,表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者から申請することができない。(法38)
土地の抵当権の登記名義人でも,当該土地の地積に関する更正の登記を申請することはできない。
甲土地と乙土地に,いずれも丙土地を承役地とする地役権の登記がされており,それぞれ地役権設定の目的及び範囲並びに登記の年月日が同一であるときは,本件合筆の登記を申請することができる。
× 甲土地と乙土地に,いずれも丙土地を承役地とする地役権の登記がされているということは甲土地及び乙土地は要役地になるので,要役地の合筆登記をすることはできない。
甲土地と乙土地がそれぞれ地役権設定の目的及び範囲並びに登記の年月日が同一であっても合筆登記をすることはできない。(法41.6)
一筆の土地の一部が別の地目になったことにより,地目に関する変更の登記と分筆の登記とを一の申請情報により申請するときは,登記原因及びその日付を申請情報の内容としなければならない。
○ 一筆の土地の一部が別の地目になったことにより,「一部地目変更・分筆登記」を一の申請情報により申請するときは,「令和何年何月何日一部地目変更」等とし登記原因及びその日付を申請情報の内容としなければならない。(平28・6・8民二386第一・2)
他の土地に囲まれて公道に通じない土地(以下「袋地」という。)の譲受人は,袋地について所有権の移転の登記を経由しなくとも,その袋地を囲んでいる他の土地(以下「囲繞地」という。)の所有者に対して,公道に至るため,囲繞地を通行することができる権利(以下「囲繞地通行権」という。)を主張することができる。
〇 他の土地に囲まれて公道に通じない土地(以下「袋地」という。)の譲受人は,袋地について所有権の移転の登記を経由しなくとも,その袋地を囲んでいる他の土地(以下「囲繞地」という。)の所有者に対して,公道に至るため,囲繞地を通行することができ
る。袋地の所有権を取得した者は、所有権移転登記(対抗要件)を具備することなく袋地を囲んでいる他の土地(以下「囲繞地」という。)の所有者に対して囲繞地通行権を主張することができる。 (最判昭47・ 4 ・14)。
Aから甲不動産を買い受けてその占有を取得したBが,売買契約当時,甲不動産の所有者はAではなくCであり,売買によって直ちにその所有権を取得するものでないことを知っていた場合には,Bは,その後,所有権の時効取得に必要とされる期間,甲不動産を継続して占有したとしても,甲不動産の所有権を時効取得することはできない。
× Aから甲不動産を買い受けてその占有を取得したBが,売買契約当時,甲不動産の所有者はAではなくCであり,売買によって直ちにその所有権を取得するものでないことを知っていた場合,Bは,その後,所有権の時効取得に必要とされる期間,甲不動産を継続して占有すれば,甲不動産の所有権を時効取得することができる。(法162.1,最判昭42.7.21)
■占有の開始時に悪意又は有過失であっても「20年間」所有の意思をもって、平穏に、 かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。 (民法162.1)
■民法162条
20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。(民法162.1)
10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。(民法162.2)